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女神と転生〜ポンコツ女神と父娘が最強へと至る道〜  作者: 荒頭丸


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65話

「レティちゃんがいなくなってから、アイツはぶっ壊れたちゃったんだ。」

「なんで? 蒙昧の魔女ことキングオブバカがいなくなって世は事もなしだろ」

俺は膝の上のレティの髪をふたつ、三つ編みにしながらハート型に結いて遊んでいた。

すでにバカぐらいでは反応しないぐらいの耐性を身につけたのかレティはご満悦だ。

「戦闘狂が自分の欲を満たせなくなって見境がなくなった。 それからはもうやりたい放題だったのだ」

「どういうことでしょうか?」

「ありとあらゆる強者を殺し尽くしたのだ。我の父もその時にな。この城がこんなことになったのもその時の戦いが原因だ」

「む、ケビンのヤツは死んでもうたか。いいヤツじゃったんじゃがのぅ。仕方ない、その子に責任を取らせるか」

「ちょっ! 待って! 父は城とデモニアの生き残りを守ろうとしたんだよ? 頑張った結果!」

「お前は鬼か!」

レティのハート型に結われた髪を真っ二つに割る。

人の心がないんか、コイツ!

「冗談じゃよ」

ご自慢の杖の先を見つめているあたり、本当に冗談だったのかとても怪しい。

「それからさっき話に出てた魂を司る神も、その代の星詠の巫女も同盟国の王子もすべてアヤツが殺してしまった」

「協力してくれた神様も殺してしまったのかい?」

「あぁ、今この世界は神無き世界。完全なる人の世よ」

「やはりワシが唯一神…… これから全ての民の信仰をこの身に受けねばならんかのぅ」

「今さら頭の悪い魔女様を神だなんだと祭り上げるのは無理だろ」

「いやいや、そこはワシの愛くるしい見た目とカリスマ性があれば問題なかろうて」

「見た目は置くとして、お前がカリスマ性を発揮しているシーンを見たことがないんだが?」

「確かに! キャーローザサーンとかニナ様ーとかは聞き覚えあるけどレティファンはいないもんね!」

「ワシは一人の男の気持ちさえあればいいんじゃがな」

「5秒前の発言すら忘れるぐらいだから蒙昧とか呼ばれるんだよ、お前」

「それで……レズン様は大丈夫だったのですか?」

「その頃は子供で弱かったからな」

「うむ、ワシより小さかったからの」

「強者のいなくなった世界で次にヤツが何をしたかわかるか?」

「何だろ……ゲームにハマったとか」

「駄目駄目父ちゃんじゃあるまいし、そこまで終わってなくない?」

「なかなか辛辣じゃねぇか、娘よ」

「えへへ」

「意味わかってんのか? 褒めてねぇ、お前このままじゃ蒙昧のなんたらとかあだ名つけられるぞ?」

「なかなか辛辣だね、父ちゃん!」

話が進まねぇから黙ってろという視線が向けられる。

ローザとニナも冷たいねぇ。

「ヤツが次にやったことは……育成だ。」

「おぉ、なるほど。 いないなら育てる方向か!」

その人がやったのは、表から裏から四方八方色々な手を尽くして強者を育てることだったらしい。


何百年も前にヒュランの素質を見抜いて、魔導兵装の研究をスタートさせた。

当時から帝国のライバルであった連邦国の魔導技術を昇華し、より戦闘向きに適合させた。

帝国の騎士団を鍛え、どの国にも負けない屈強な軍を作った。

「他にも子供のドラゴンに年月を与えて力を蓄えさせたりな……」

「なるほどの。 で、その力をつけたドラゴンと最近見つけたワシらをぶつけて強い方と闘うつもりじゃな」

「まるでこの世界がソイツの蠱毒みたいなもんじゃねぇか」


趣味が悪いったらありゃしない。


「実は候補がまだ1人いる」

「紫炎ロザリカ・ナザリカだね」

「うむ。あの連邦の至宝、魔導士の最高傑作と名高い娘だ。元々は我と魔導兵装、そしてロザリカが候補だったんだがな」

「その一角はシリウスが壊したしな。 いや、ていうか最強と闘いたいんならアレとやればいいんでない? 」

「ヌシ、本気で言っとる?」

「えっ? だってあれ、住む世界が違うレベルじゃん」

「いや、だからシリウスが帝国の王じゃろ。あんなんが他にいるわけないじゃろ」

あれ? 気付いてないのマヂで俺だけ?

ローザやニナもウンウンと首肯している。


メイも?


いや、コイツは違うな。 目が泳いでる。


「じゃ、なんでレティは最初に言わなかったんだよ?」

「姿形も違うし、そもそも千年も前のヤツのことなんかとうの昔に忘れとるわ」


そうだった……こいつの二つ名が伊達や酔狂でつけられた訳では無いのだった!

「じゃあシリウスはレティに気付いてるんか? いや流石に名前で気付くか」

「微妙じゃな。 ワシらにコンタクト取るの遅いし、アヤツもちょっとアレな感じじゃろ?」

確かに……

何を考えてんだか、何処を見てんだかもわからんヤツではある。

「ワシとレズンを合わせるあたり、やっぱ気付いてないんじゃないかのぅ」

「レティちゃんと僕が闘うわけないもんね」

「レズンも死にたくはなかろ? ならばヤツを倒すのに手を貸すんじゃ」

「オッケー、他ならぬレティちゃんの頼みだもんね、張り切っちゃうよ、僕!」


軽っ! 登場時のあの重圧はなんだったんだよ。

あの緊張感は何処へやら……


何だかよく分からん内に、伝説の古龍が俺たちの仲間に加わった。


こんなんでいいのか?

まぁ、いいか。

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