表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神と転生〜ポンコツ女神と父娘が最強へと至る道〜  作者: 荒頭丸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/71

62話

帝国の北部にある長い洞窟を抜けると、底は一面の銀世界だった。

もうね、真っ白。

スキーとか冬に楽しむレジャーには興味がなかったし、住んでいたところは雪も降らない場所だった。


そんな俺の前で広がる景色は雪の壁。

何処を見ても、試しに振り返っても一緒。


どうやって前に進めばいいのかすらわからない。

というか、前ってどっち?


元の世界であれば裸足で逃げ出すような環境だ。

いや、靴下にアルミホイルを巻いてさらに靴下を二重履きにするけどな。


だが、ここには異世界で魔法がある。

ということはだ!


「これ、あれだろ? 雪を魔法で溶かしながら進むんだろ?」

「ヌシは案外考えが足らんの。 そんなことしたら水蒸気で何も見えんくなるじゃろ。」

「なら風魔法で雪を蹴散らしながら?」

「雪崩でもおきたら面倒じゃろ。」

「えぇ……じゃあこのままゴリ押すのか? 異世界ならではの方法じゃないのか?」

「フィジカル面で強みを見出してから、考えが脳筋になってきておるの。」

「なんだよ、もったいぶってないで教えろよ。」

「それが人にものを頼む態度かのぅ。」

「うぜぇ。」

「まぁ、言うてファンタジーな解決方法じゃよ? 雪なんじゃから凍らせればよい。」

「まさかのスケート! 異世界から帰ってきた!」

「結構ムズいんじゃぞ? 表面をツルツルにしたり、沈み込まない強度にしたり。」

「靴は?」

「それも魔法で作れば良い。」

「スケートなんてしたことないんだが?」

「それも魔法でなんとかすれば良い。」

「まぢか、魔法先輩万能だな。 で、何やってんの?」


レティは俺の体をよじ登って肩に座る。

所謂肩車ってやつだ。

それから俺の髪の毛をクシャリと握り上げ

「こっちを引っ張ったら右旋回じゃ、でこっちは左じゃ。」

「ほぅ。 お前は俺に馬になれとでも言うのか? いででで、引っ張りすぎだろ! ちょっとでわかるわ!」

「風魔法で推進力を得て進んでいくんじゃが、この中で唯一魔法の使えないヤツがいての。」

「そいつは……困るな。」

「じゃろ? なんで心優しいレティちゃんはそいつの使い出を探してやろうと思ったわけじゃな。」

「ほぅ、心に染み渡る優しさだな。」

「ヌシもようやっとわかってきおったな、偉いぞ、ほれ、ニンジンじゃ。」

ムカつくが俺だけ気合で移動するのも嫌だ。

それにこの移動方法に興味があります!


楽しそう!

一時の恥辱に塗れても今を楽しむ強い精神は養われている。

ならば、牛馬となって働こうではないか。


さて、なんで帝国から洞窟を抜けて徒歩ルートでここにきたかと言うと、ゲートクリスタルが壊れているらしく、テレポート出来なかったからだ。


残念が過ぎる。


そんなわけでえっちらおっちらと長い暗い寒いと三拍子揃った洞窟を抜けて、この北の大地へとたどり着いたわけだ。


俺にはどっちの方向を向いても同じ景色にしか見えないが、レティが言うにはこの辺の景色は全然変わらないそうだ。


あの岩の向こう、山を抜けたあたりからワシの城が見えるはずじゃと言われてもビタイチわからん。


この何もないことを売りにするしかないような土地のくせに、デカい黒い虎がその辺を走り回っていたり、山が動いてるのかと思えば、サイズを考えるのも馬鹿らしいマンモスがのっそのっそ歩いている。

お前らここで何を喰って生きていけばそうなるんだよとツッコみたくなる。


流石にバトルジャンキーとして名を馳せた俺たちも、そんなのを相手にして無駄なカロリーを消費することもなく、レティ発案のスケートで高速移動中だ。


まともに移動したら何日かかるかわからない行程を、凄まじい速度で踏破していく。


だんだんスケートにも、スピードにも慣れて気分はスケート選手よ。

さながら腕を左右に振ってみたり、自分の記憶にある動きを再現して楽しんだ。

陰鬱な気分をスピードで吹き飛ばしてやるぜ!


途中、ファングさんのパーティーが悪戦苦闘しながら雪の中を進んでいるのを見つけた。


当然意趣返しと言わんばかりに、彼らの周囲をグルグル回って煽っておいた。


実に良い表情を浮かべていたので、ギルドでのことはなかったことにしてやろう。


はぁ、余は満足じゃ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ