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女神と転生〜ポンコツ女神と父娘が最強へと至る道〜  作者: 荒頭丸


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104/110

104話

久しぶりに帝国の自宅へと帰ってきた。

帝国内は全土統一でお祭り騒ぎだ。

そこらで軽快な楽器の音が鳴り、陽気な歌声が響き、人々は笑顔で踊っていた。

割とお硬いイメージの帝国民がここまではっちゃけているのは珍しい。

「そろそろウチもアレに混ざってきてもいいんじゃないかにゃ?」

「お前、舐めてんのか? せめて床が見えるようにしてから言え」

いつの間にかゴミ屋敷と化していた我が家。

その原因はこのクソ猫にある。

留守中、好きに使って構わないと鍵を渡したのが最後だった。

宵越しの金は持たない主義にゃと豪語するジョウジョカの散財癖は、宵越しどころか未来に入るはずのお金まで使って、美食とギャンブルに費やした。

結果、借金で首が回らなくなり、連邦に持っていた家もとられ、あの国で遊ぶどころか寝るところすらなくなったそうだ。

それからは身柄を押さえられ、ギルドの依頼をこなす強制労働の毎日だったらしい。

で、帝国とのいざこざで国内の様子が怪しくなってきて、自分への監視が甘くなったところで脱走。

雨風に吹かれひもじい思いをしながら、せめて寝るところぐらいと思った時に握りしめていたのは俺たちの家の鍵だったそうだ。

「そう言うにゃよ、お前もウチも同じ帝国民じゃにゃいか。この世の春を祝うのは自国民として当然にゃ!」

そうなのだ。

連邦が帝国によって支配されたからではない。

ここに来てもお金を稼ぐ手段がなかったコイツは、ギルドに転籍希望を出して、正式に帝国国民になっていたのだ。

こう見えて冒険者として有名人なジョウジョカ、戦争をしかける予定の国の一級の戦力になりそうな人物が何故か帝国への転籍を求めてきたのだから帝国にとっては渡りに船。

借金を肩代わりして、転籍を受け入れたのだった。

「お前もよくそんな自国を敵に回すようなことできるな」

「ウチらフェイリスはあんまりそういうの気にしにゃいからにゃあ。ロザリカのことも嫌いだったしにゃ!」

「アイツ、強かったなぁ」

「戦ったのかにゃ?」

「いや、帝国のシリウスってのと戦ったのを見てたんだわ」

「神速かにゃ。何度かロザリカとやってたけどロザリカが全部勝ってたにゃ。まぁ、引き分けっていってもいい内容だったけどにゃ」

「良い勝負だったぜ」

「葬式饅頭だけでも食いにいってやるかにゃ」

「死んでねぇよ。ほら、口ばっか動かしてないで手を動かせ」

「お腹が空いて動けないにゃ!」

「あとでな! さて!」

話題転換。

ローザがお茶を淹れてきてくれたのでテーブルを皆で囲む。

「この度、誰かさんのワガママでシリウスとガチることになったわけだが……」

「ホンカス!」

「はい、そこ、本当にカスなんて言わない! お前もちょっと戦ってみたいとは思ってただろ?」

「否定はしない!」

「となると、やっぱり勝ちたいわけだがレティくん、何か作戦はあるかね?」

「ヌシ、勝てると思うて言ったんじゃないのか」

「勝てる勝てないじゃねぇ! やるんだ!って言いたいところだけど、あの……その……勢いというかその場のテンションに流されたというか……」

「はぁ……仕方ないのぅ。まぁ、正直なところ割と良いところまでいけると踏んどる」

「おぉ、その心は?」

「まず一つはこれじゃ」

レティは俺たちの眼の前で魔法を展開した。

少し透明度の悪いガラスのようなものが俺たちの前に出現した。

「これって……あの反射魔法かい?」

ニナがコンコンと魔法を叩いた。

「うむ」

「なん……だと……?」

ロザリカが開発したとかいう魔法をレティが唱えた?

「まぁ、ワシ天才じゃからな。見てパクった」

「おージーザス」

「これをローザにも仕込んでワシラに標準装備させる」

「マジかよ……」

「ワシもじゃが、ローザも天才の類じゃからな。いけるいける」

レティから天才と評されるとは、すげぇな、ローザ!

天才……言われてみてぇなぁ。

「じゃからの、アヤツの半端な魔法ではワシラに勝つことはできん」

「あのクソバカ威力の砲台魔法を半端とな!」

「一つ対策されたら使えなくなる魔法が半端と言わず、何を半端というんじゃ?」

やべぇ、レティのカッコいい部分が全面に出てる。

こういう時はオチが控えてそうで嫌な予感がするんだよ。

「二つ目。アヤツ、魔法が下手すぎる」

「剣士だからな!」

「ロザリカ戦で気付かんかったか? アヤツ、飛んでった足をいつまでも治さず止血に留めてたじゃろ?」

「そういやそうだな」

「あれ、ワシらならというか、ローザならそんなに回復に時間はいらん。じゃが、シリウスが回復しようとしたら、それなりに集中せんといかんのじゃろうな。だからあの戦いの中ではしたくてもできなかったんじゃ」

「ロザリカがすげぇ量の魔法撃ってたからなぁ」

「じゃから、削ってりゃいつかはヤツが倒れる」

「なるほど!」

「ワシら、個々の能力ではシリウスには勝てんが、個々の能力で勝っているポイントは多い。ヌシほど硬くないし、ニナやメイほど速くもない。魔法に至っては説明した通りじゃ」

「おぉ!」

「そしてワシらは6人おる。数的有利を活かせれば勝ち筋は見えてくる……のじゃ」

「えぇやん!」

「じゃから、頑張ってあの剣からワシらを守るんじゃな」

「へっ?」

「そこがどうにかならんとどうにもならんじゃろが」

「そこの対策は?」

「ヌシが命をはる」

「おーゴッド!」

「言い出しっぺじゃ、責任持ってなんとかするが良い」

「マジかぁ……」

「じゃがな、さっきも言うたが……」

レティが皆を見回した。

「ワシらは一人じゃないんじゃよ」

「回復はお任せ下さい」

「僕が皆を支えるよ!」

「一撃入魂!」

「攻撃は任せるがよい」

おぉ! なんかかっけぇ!

展開がアツすぎるだろ!

「よっしゃ、燃えてきた! 勝つぞ!」

「「おー!」」

このテンションのまま、シリウス対策を何度も繰り返す。

勝つために予習復習は欠かさない。

相手を知り己を知れば百戦危うからずだ。

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