第35話 生態
毎日の投稿が途切れまして申し訳ありませんでした。新作の方に少し手間取っていました。
近未来のSF作品ですが、自分ではストーリー展開もまずまずと思っています。
ご興味があれば著者名をクリックして、ご覧になってください。
作品名「テイク・ソード ~ 灼熱の魂 <近未来バトル>」です。
クララは、ウヌムとデュオの二人から寝椅子に拘束された後、瀉血をされ意識が朦朧としていた。猿ぐつわや手足を抑制されているので、ウヌムの思う間がままに血を抜かれたからだ。
「よし、いいでしょう。これぐらいにしておきますか」とウヌム。
「顔が真っ青だぜ。やりすぎだぜ」
デュオは、いつもウヌムが実験体をいたぶっているのが、少し気に食わなかった。いくら仕事とはいえ集められた若い女たちに、このように拷問まがいの事をすることを性格的に好んでいない。
まったく、このサディストには困ったもんだ。学士ならもっと違う事も考えろってんだ。さっきも、また一人死んだ。このクララって子もどうなるか分かりゃしない。
もう一人のシスターも、あれだけ肉付きがいいと、小鬼どもも相当興奮して犯しまくるだろうしな。あ~もったいない。
いやいや待て待て、そんな事を考えちゃいけねえ。俺も、学士だ、研究はやらないと。
「で、ウヌムどうする?」
「今日はこのまま牢屋へ戻しましょうか。小鬼との檻姦は後日に。しかし、せっかくだから奴らにこれ見せますか?」
「いや、それは止めておこう。鎖に繋いじゃいるが小鬼を出すのが面倒だ」
小鬼は、この世界ではお伽話の空想の中の生き物だ。だが、この砦跡には地下2階の八つの牢屋には、二匹ずつ、計16匹もの小鬼が入れられている。
おおよそ人間に似た体系で、身長は1ヤートから1,2ヤート程で、体色は濃い黄土色で体毛は少ない。
個体によって差はあるが、頭髪は無く、落ち込んだ目は爬虫類の蛇のように光を当てるとギラギラと輝き、顔はしわくちゃで鼻は小さく、口は少し垂れた耳元まで裂けている。
短い足と長い手を持ち、肋骨が浮かぶほど痩せてはいるが、飛び出た腹とその下に異様に大きいペニスを揺らしながら前かがみに2足歩行する。
性格は、臆病と言ってもよいレベルだが、念のために実験体の女たちと同じように鉄首輪を施して鎖に繋ぎとめている。
知能についてはまだその検証が進んでいないが、デュオが棍棒を振り上げると怯えた様子を見せるのでそこそこの学習能力はあるようだ。
彼らの日課は、日に2度の水と雑穀の食事と時折上から落ちてくる糞尿を貪る。日の差さない牢屋では寝ることはあまり見られず、のそのそと動いている事が多い。
楽しみがあるとすれば、あてがわれた実験体の女と鉄檻のなかで、交尾をする事だろうか。恐怖して暴れ騒ぐ女の周りを大声をあげて威嚇しながら飛び跳ねる。多分とても嬉しそうな顔をしている。
ウヌムが、女の鎖を鉄檻の外から引き寄せ、首を圧迫し呼吸をさまたげ、呼吸困難で動けなくなった時に彼らは女に飛びつき腰を振る。なんとも悲惨で陰湿で狂気の宴だが、彼らにとっては至福の瞬間に思える。勿論ウヌムも恍惚の表情を見せた。
小鬼が、実験体の女と数度交尾をさせると、ほぼ妊娠させる事ができ、およそ3か月で出産に至らせる事が多い。先ほどのように2割5分ほどは、妊娠中に腹の中で”鬼子”が急激な成長をみせて母体ととも死に至ることが有る。
師と呼ばれる男の元で、ウヌムとデュオが実験と呼ぶ異種交配を行い、変異二・増殖一・死亡一の結果が出ているが、目指す所は変異三・増殖一。まだ、実験を始めて半年ちょっとのため、そこには至っていない。また小鬼に寿命についても不明だ。
生まれ落ちた、鬼子はしばらく産んだ実験体の元で生活をする。異様な生き物の筈なのに産んだ女は鬼子を大切に育てる。理由は不明だが、人の子を授かったように女は鬼子を育てるのだ。
変異体と区分された個体は成長が速いのが特徴で、増殖体と呼ばれるもともとの小鬼と同じに成長する姿の凡そ三倍だ。生まれ落ちてから増殖体はやはり三か月ほどで、成体となるが、変異体はそれを超えて成長を続ける。しかしどの程度まで成長をするのかは学士らは知らない。
なぜなら毎月一度、何処からともなく馬車がこの砦跡に寄り、食料や日用品類を降ろし、空になった馬車にある程度育った鬼子とそれを生んだ女を積み去って行くからだ。また、その行き先は不明だ。
しかし、なぜお伽話の小鬼が此処にいるのだろうか。知っているとすれば実験の責任者である”師”と呼ばれる白髪頭の男”セイド”だろう。
セイドは、中央と呼ぶ組織からこの実験を任されていた。若い女を使い、変異体を生み出させる確率をあげるための交配実験を指揮している。
なぜ、組織は変異体を求めるのか? なにに変異体を使用するのだろうか?
パルネとクララを救うべく、この砦を目指しているルナとインフィニティ、ガスパルとアレクが、この世界を覆う闇の実情の一部にふれて知る時が迫っていた。
――パルネ、もうすぐよ。私は来たわ、あなたの元へ。
読者の皆様から「ブックマーク」を頂けたり、下段の「☆☆☆☆☆」のご評価がとっても励みになります。




