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第2巻19話〜死線の攻防、狂犬と鉄槌〜

遅れてすいません横浜戦争苛烈になります

深夜の廃ボウリング場。割れたガラスの破片が転がるレーンの上で、怒号と悲鳴が渦巻いていた。

羅刹武田派と火喰の圧倒的な数の暴力を前に、鮫島派の面々は完全に退路を断たれている。

「オマエらァ!! 武田と火喰の雑魚どもに負けたら笑われるぞ!! 羅刹の意地を見せろッ!!」

「武器をとれ!! こいつら全員、返り討ちにしてやるよ!!」

鮫島と北山――羅刹が誇る最強の武闘派ツートップが、先陣を切って敵陣へと突っ込んでいく。

ドカッ! 鈍い音が響き、鮫島の顔面が歪む。だが、普通の人間なら気絶するような一撃を受けても、鮫島は血を吐き捨てるだけで、不敵に笑ってみせた。

「痛ぇなぁ……。だが、俺は死なねえぞ!?」

狂気の一撃。鮫島の強烈なカウンターが炸裂し、武田派と火喰の連合軍数名がまとめてゴミのように吹き飛んだ。

その背後から、風を切り裂くような鋭い音が続く。北山だ。

「おいおい、腰が引けてんぞ東京の半グレ共がッ!!」

北山は激を飛ばしながら、人間離れしたとんでもない足運びで敵の懐へと潜り込む。そこから放たれる電光石火の蹴り技は、ガードごと相手の骨を砕き、一撃で戦闘不能に追い込んでいく。

圧倒的な数の暴力を誇る連合軍だったが、前線で暴れ狂う二人の「化物」を前に、次第に恐怖が伝染し始めていた。

「ヤ、ヤベーよ……あの2人、マジで人間じゃねえ! 止めねえと全滅するぞ……!」

悲鳴が上がったその時、重苦しい足音が戦場に響いた。

群がる構成員たちが、まるで海が割れるように道を開けていく。その中央から現れたのは、冷徹な眼光を宿した男――火喰のボス、土田だった。

「ふっ……久しぶりだな、鮫島」

土田の登場に、戦場の空気が一気に氷結する。

「あァん? まじかよ、火喰のトップが直々にお出まし。土田か」

「ははは! 大将みずから前線に出てくるとはな! どこぞの安全圏に隠れてる武田とは大違いだぜ、なぁ土田さんよぉ!!」

北山が笑いながら一歩前に出た。その瞳は、強敵を前に完全に据わっている。

「俺とやり合おうぜ。あんたの首がありゃ、この戦(いくさ)は終わりだ!」

「威勢のいい奴がいるな、鮫島。まあ……前座としては丁度いいだろ」

土田は表情一つ変えず、懐から黒光りする特殊警棒を引き抜いた。シャキィン、と冷たい金属音が響く。

「おい、忘れるなよ。俺は元警察だ。犯罪者を効率よく壊す方法は、お前らより熟知している。……簡単に壊れるなよ?」

「ハッ、そっちこそ! 棒切れなんか持って調子乗ってんじゃねえぞ。負けたらそのおもちゃごと、大人しく八王子へ帰りな!!」

北山が地面を蹴り、土田へと肉薄する。

羅刹の若き特攻隊長と、裏社会に染まった元警察の怪物。正義がまだ到着していない戦場で、最悪の一騎打ちが始まった。

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