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Episode 8

 16時35分。自室に戻った私は、即座にパソコンを起動した。

 夕ご飯までは勉強時間なのだが、これを調べるのも勉強とみなそう。


 私は検索欄に「カラオケ 上手くなる方法」とブラインドタッチで打ち込んで検索した。


 声のボリューム上げる、好きな歌を繰り返し聴く、自分の声を録音する、母音を意識して歌う……。

 声のボリュームを上げるのと、自分の声を録音する、母音を意識して歌うは実践できそうね。


 私は早速スマホのレコード機能を使用することにした。自分が一番聴いてる曲と言えば、『水平線のパノラマ』だわ。配信サイト開いて有線イヤホンで聴きながら歌ってみることにしょう。


 私は有線イヤホンを耳に押し込み、配信サイトで動画を開き、再生ボタンを押す。

 イントロが正確なリズムで流れる。


「どこまでも続く定規の線……」

 

 一曲歌い終えたところで、16時42分15秒になっていた。私はすぐに録音データの再生ボタンを押した。


「どこまでも続く定規の線……」


 イヤホンから流れる自分の歌声に、私は眉をひそめた。

 リズムがあってないし、声量も低い、このままだと95点なんて取れるレベルではないわ……。


 「もう一度やってみよう、次はリズムを正確にして、声量もさっきより上げよう」


 16時43分30秒。再びスマホの録音ボタンを押した。


 「スー、ハー……」


 息をしっかりと整えてから、万全な状態で始める。

 先程同様、イントロが正確なリズムで流れる。


 「どこまでも続く定規の線……」


 今度はリズムを正確にして、声量を上げることを意識して歌った。

 

 一曲歌い終え、即座にボタンを押して再生、確認する。


 「どこまでも続く定規の線……」


 今回は先程よりリズムはあっているけど、やっぱり声量が小さい。どうにか声量を上げないと……。

 声量を上げるには、ただ闇雲に叫べばいいわけではない。そんなことをすれば喉を痛めて、明日のパフォーマンスに影響がでる可能性もある。


 私はパソコンに検索を掛ける。「カラオケ 声量を上げる方法」


 出てきたのはあくびをするときの口を意識するといいと書いてあった。よし、やってみよう。

 私はまた再生ボタンを押そうとすると、スマホがブブっと鳴って、通地が来た。


 秋人「野上さーん!  カラオケ行くってマジ!?  俺も行っていいかな!」


 そうだった、そういえば駅に着いた時連絡先交換していたんだった。忘れてた。

 ……ん? でもなんで秋人がそのことを知ってるの?


 「……いや、今は無視、いえ、保留ね。優先順位が違うわ」


 16時50分05秒、私は3度録音ボタンを押した。

 3度目の正直って言うし、今回は成功させたいわ。


 「スー……ハー……」


 イントロが正確なリズムで流れる。


 「どこまでも続く定規の線……」

 

 16時分53分10秒。一曲を完遂し、再生ボタンを押した。


 「どこまでも続く定規の線……」


 イヤホンから流れる声は、先程までとは明らかに違う声だった。


 「声量も上がっていて、リズムのズレも感じないわ、あとはサビね、ここを確実にスコアに繋げたいわ」


 最初よりは確実に成長はしている。一旦今日は明日に備えて、のど飴を舐めながら勉強に戻ろう。

 私はパソコンを閉じ、教科書と筆記用具を机の上に用意した。


 ……95点、私の辞書に音痴という2文字は存在しないわ。

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― 新着の感想 ―
初カラオケに向けて本気で練習する主人公が可愛い回。録音して落ち込みつつも改善していく努力が微笑ましく、秋人からの急な連絡をスルーする集中力も笑える。
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