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Episode 20

 8時40分00秒、岡崎先生が教卓に立って、ホームルームが始まる。


 昨日の夜秋人から連絡があったけど、しっかり寧々さんと付き合うことに成功したらしい。

 私の読み通りで、順調に行っていていい感じだ。


 「よし、静かにしろー! 今日は再来週に行われる体育祭の種目決めをやるぞ! 今日決めるのは2種目くらいが限界かな。今後は1時間使って色々決めていく時間も作るから安心してくれ!」


 岡崎先生の大きな声が教室中に響き渡る。


 「智乃さんは、種目どうするの? 私は……秋人くんと二人三脚出たいんだけどさ!」


 隣の席から、寧々さんの明るい声が聞こえてきた。


 「良いと思うわよ、付き合っているんだし、仲を効率的に深めるチャンスでもあると思うわ」

 「ホントに!? じゃあ私、立候補しょうかな! 秋人くんはいい?」


 ……と、私の後ろの席に座っている秋人に問う。


 「わかった、やろうぜ!」


 秋人は笑顔で問いを返して、寧々さんは「よし!」と言いながらガッツポーズを決めた。

 私は秋人が寧々さんの様な太陽のような明るい人と結ばれた方が、性に合っていると今改めて思った。


 すると寧々さんが勢いよく手を上げて「先生! 二人三着私と秋人くんでいいですか?」と元気な声で言う。


 「他に二人三脚やりたいって人いるかー? 一応2組は作りたいんだが、いなければこちらで決めさせてもらうからな? 早い者勝ちだぞー!」


 教室中が騒めき出す。


 「あと1組、誰かやりたい人ー?」


 岡崎先生がチョークで黒板をトントンとリズミカルに叩きながら、教室内を見渡す。


 「じゃあ、智乃さんは? 誰か組みたい人いないの?」


 不意に、寧々さんが私に声を掛けてきた。


 「……私は遠慮しておくわ、こういうのは苦手分野よ」

 「そっか、それは残念……」


 そんな話をしていると、岡崎先生が口を開く。


 「決まら無さそうだからこっちで決めるぞ、この競技は絆が大事だから、保育園から幼馴染の……横田真美、進藤昌子ペアで行こうと思う」

 「……はい、わかりました」

 「異議なし!」


 横田さんと進藤さんが顔を見合わせながら快諾し、黒板に名前が並べられる。

 これで二人三脚の枠は決まった。


 「よし、次の競技だな、次は100メートル走だ。陸上部とかサッカー部とかが望ましいぞ、男子だと柳崎、女子だと星川、出てみないか?」

 「了解です、出ます」

 「わかりました」


 柳崎さんと星川さんが引き受け、黒板に次々と新しい名前が書かれる。


 「よし、あと男子一人と女子一人だが……希望者いないか?」


 岡崎先生が教室を見渡す。

 運動部の人達は、既に出る種目が決まっていたり、面倒くさがって目を逸らしている人もいた。


 「先生! 秋人くん、前の学校で陸上部だったらしいですよ、秋人くんはどうでしょうか?」


 その寧々さんの言葉に、クラス中が大きくどよめいた。

 全員の期待の視線が、秋人に向けられる。


 「……おいまじか」


 秋人の困惑した小さな声が後ろから聞こえてきた。


 「秋人いいか? 他の運動部はやりたくないみたいなんだが……」


 岡崎先生の問いかけに、秋人は一瞬迷ってから口を開いた。


 「……わかりました、やります」

 「よし、100メートル走は決まりだな」


 柳崎さんの名前と秋人の名前が黒板に並べられた。


 「秋人さん! よろしくな!」


 柳崎さんは秋人の方に顔を向けて、手を振るう。


 「個人戦だけどお互いベストタイム出そうぜ!」

 「よし、今日の所はここまで。一時間目の準備しろよー」


 8時45分00秒、一限目のチャイムが鳴り響いた。

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