Episode 14
「……寧々さんから、なにを聞いたの?」
栞さんが身を乗り出し、私の耳元で囁く。
「智乃さん、正直に言いますね。……お姉ちゃん、智乃さんのこと、あまりよく思っていないんです」
「はぁ……まあ人それぞれ考え方は違うものよ、気にしないわ。もしかして、それだけを伝えたくて呼んだの?」
「いや、お姉ちゃん、秋人さんに一目惚れしちゃったらしいんです。簡単に言うと、嫉妬してます」
「嫉妬……?」
私……青柳さんに嫉妬させることなんてしてないはず。
「秋人さんが智乃さんと一緒に行動していることが耐えられないと、お姉ちゃん、本気で秋人さんのことが好きみたいで」
「……なにか勘違いをしていると思うわ、私と秋人は別にそんな関係じゃないわ、ただ秋人が勝手に私についてくるだけよ」
栞さんは首を横に振る。
「でも、お姉ちゃんにとっては秋人さんが、勝手についてくること自体が許せないみたいなんです。自分じゃなくて智乃さんが独占してるって……。お姉ちゃん、欲しいものは手段を選ばず手に入れるタイプだから、気お付けてください」
青柳さんが秋人を好きっていうのは意味がわからないけど、一応念のため警戒はしておいた方がよさそうだわ。
「忠告ありがとう、栞さん。でも私は、今までの生活を続けるわ」
「……そうですか。でも、本当に気をつけてくださいね。お姉ちゃんの手段を選ばないは、多分、智乃さんの想像を超えてきますから」
栞さんは諦めたような表情をして身を引いた。
11時10分00秒、飲み物も飲み干し、喉も休まったのでカラオケが再開された。
「そういえば栞さん、95点取ったけど、誰に権利を使うんだ?」
と、秋人が不思議そうに聞く。確かに栞さんは95点以上を取っている。だが、まだ考えてないから後でと保留にしていた。
「決めました。秋人さん、私の権利、秋人さんに使ってもいいですか?」
「何でも言ってくれよ! 95点以上出せなかったし、負けたのは俺だしな!」
「秋人さん。今日の帰り道、智乃さんと2人きりにならないでください」
秋人は困惑した表情を見せる。
「え、えーっと……どういうこと?」
「言葉通りの意味ですよ。今日はみんなで一緒に帰りましょう! これが私の命令です!」
「わ、わかった。ルールだしな……。今日はみんなで帰ろう、てかもともとそうするつもりだったしな!? なんで2人で帰ると思ったんだよ!」
――秋人は知らない……青柳さんが秋人に一目惚れしていることを。
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