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歌声に花咲かせ  作者: 宮島485


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5/8

ここならー

「それじゃ、お願いしま〜す」


朝倉先輩の合図で、ホールの照明が落ち、ステージだけが明るく照らされた


そして、音楽が流れ始める


(…!)



軽やかなイントロと弾むようなリズム



聞いているだけで、自然と背筋が伸びるような曲だった



(……明るい)



派手な演出はない



でも、3人はとても楽しそうにステージを使っていた


「にへっ⭐︎」


星野先輩は、くるっと一回転して、大げさに手を振る。まるで「大丈夫だよ」と言っているみたいだった


朝倉先輩は全体を見渡しながら、丁寧にステップを踏んでいる


無理のない動きなのに、私は目が離せなかった


そしてー

エルナ先輩が、歌い出す


透き通った声


それでいて、どこかあたたかくて


上手い、とか、すごい、とか


そんな言葉より先に


胸の奥がきゅっとした


(……なんで)


歌詞は、これからのことを歌っていた


これから始まる毎日


うまくいかない日もあるけど「それでも前を向こう」というような


3人の声が、まっすぐホール全体に響きわたる


その歌声に、胸がざわざわと揺れ始めた


ツンツン


(……あ)


気づいたときには、指先が動いていた


小さく、小さく、リズムを刻んでいる


止めようとしても、止まらない


足先が、床を叩き、心臓の音が音楽と重なる


――私も、知ってる


この感覚。この、高揚感


気づけば、視線は3人の背中を追っていた


(……混ざりたい)


(あれ、今、私…)


そんな気持ちがふと浮かんで、自分でも驚いてしまった


音楽が終わる


最後のポーズを決めて、3人が笑った


ホールに、静寂が落ちる



―そして



パチパチパチパチパチパチ



私は、気づいたら拍手をしていた


驚くほど自然に


その瞬間、ふとあの言葉が頭をよぎる




『とても素敵なスクールアイドルがいる高校があるんだ』



勝ち負けじゃなくて


上手いとか、完璧とかじゃなくて


ーー見ている人が、笑顔になる


胸の奥で、何かが少しだけほどけた気がした


ひょっとしたら、ここならー

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