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歌声に花咲かせ  作者: 宮島485


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先輩の決意

練習はこれまで以上にやった。唯一の三年生として、期待に応えなきゃと思ったし、手を抜くなんてできなかった


大会は成功だった。歓声も、結果も、ついてきた。センターで踊る景色は眩しかった


けれど、ステージの上でふと、隣が空いている気がした


本当は、そこにいたはずの誰かを、私は思い出していた


大会が終わって、私は唯一の最上級生になった。名門校から推薦の話も来た


誇らしかったし、嬉しかった



でも



私はもう、あのやり方でスクールアイドルを続けたくなかった


努力は間違っていない。選ばれたことも、悪いことじゃない


それでも、私は守りたかった約束を守れなかった


「みんなで」


そう言いながら、最後はひとりで立っていた


その事実が、ずっと胸に残っていて


だから推薦は断った。スクールアイドルは、もうやらないつもりだった



この高校に入学して、普通の学生生活を送るつもりでいた。


そんなとき、純粋に歌うことが好きなこと出会った


あの子は、ただ歌うのが楽しいという顔をしていた。順位も評価も関係なく、好きだから歌っているという顔だった


それを見たとき、思い出した


私も最初はそうだった


誰かに勝ちたかったわけじゃない。ただ、歌うのが楽しくて、みんなと踊る時間が好きだった


私は、その気持ちをどこかに置いてきてしまっていた


だから同好会を作った


今度は、誰かを置いていく場所にはしたくなかった


上手い人だけが立つ場所じゃなくて、みんなと一緒に立つことを大事にできる場所にしたかった


努力を否定するつもりはない


本気になることは、きっと間違いじゃない


でも、本気だからこそ、ひとりで背負わなくていい


私は、あのときひとりで立とうとしてしまったから


もしあの頃の私に声をかけられるなら、きっと


大丈夫。隣を見ていいよ、って

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