22/27
不安をかき消したくて
その日の夜、私は全く眠れなかった
世界全体が寝静まった頃、私はこっそり寝室から抜け出し
(1、2、3、4…)
こっそり庭で自主練習をしていた。ひたすら、ステップを繰り返す
怖いのは、不安なのは練習が足りないから
だから私がこうすればきっと、胸の奥に引っかかってるものは取れる。そう思った
「何してるの?」
足元に向けていた視線を上げると、そこにはパジャマの上にジャージを羽織った朝倉先輩がいた
「…朝倉先輩」
「言ったよね、無理はしないでって」
「…」
私は視線を逸らした
「眠れないのかな?」
その優しい言葉に、思わず涙を流しそうになった
「私、怖いんです。今のままで、本当に満足いくパフォーマンスができるのか…すごく」
私はゆっくり胸の内を明かした
「そっか」
「…はい」
「私もね、同じように怖くなったことがあるよ」
その言葉に、思わず耳を疑った
「私が昔、花奏ちゃんみたいにスクールアイドルの強豪校にいたって話したことあったっけ」
「いえ、全く」
そういえば、朝倉先輩の話は聞いたことがなかった
「じゃあ、教えてあげるよ」
先輩は星の輝く夜空を見上げ、昔話を語り始めた




