第31話 イベント前の準備って楽しいよね
デコレーションを作ったりした翌週、つまり今週の金土に文化祭だが、本日は月曜日也。他のクラスより一足先に看板制作に入る。な?俺のいう通り先に始めてよかったろ?
「歩夢、グルーガン貸してー。」
「ごめん、少し時間かかるかも!文字貼るのに手間取っちゃって。初めて使うからさ、ごめんね!」
「いいって事よ。貸してみ?手本見せてやっから。」
歩夢からグルーガンを受け取り、波の形のようにつけて段ボールに貼り付ける。慣れてないとめんどくせえよなこれ。
「ありがとう!ほんと亮介君器用だよね、なんでもできるの羨ましいよ。」
「頭が悪い分、こういうのは得意なんだよね俺ちゃん。けど歩夢もデコレーション綺麗にできてるじゃん。お前も器用だぜ?」
「小さい頃から好きだからね。女の子みたいって揶揄われたことあるけど。」
えへへっと俺に笑顔を向けてくる。男なのに惚れそうじゃない。まじ可愛いまじ天使。女の子なんて1発で落ちるぞそれ、女子のハートも陥陣営だよその笑顔。ほら、一ノ瀬が見てるじゃないの。凝視してるじゃないの。
「おう一ノ瀬、お前どした?」
「な、なんでもないわ。久川君、こっちもいいかしら。看板をつけたいの。」
「おう、任せとけ。」
一ノ瀬が支えて俺が取り付ける。なんか現場で働いてるみたいだな。妙に懐かしさを感じるし、なんかポスターの張り替えしてるみてえ。ほら、季節が変わった時にやるあれ。
教室中、クラスメイトたちが楽しく作業し、話し合いながら作り、デコレーションを貼り付け、パソコン室から印刷してきた画像を段ボールにつける。いやー懐かしいな。高校生の時やったわ。今もまた高校生やってるけど。
この調子なら今日1日で終わるな。いやー仕事やってる気分。
「平賀ー、すまん、俺のやっといてくれないか?手が開かねえ。」
「いいぜー。島村、手を貸してくれないか?」
「いいよー!」
平賀が俺が担当していたやつをやる。いやー本当に助かるわ。しかしあの2人、ずっと2人でやってるな。付き合っちまえよ本当。リア充爆発しろ。
デコレーションの貼り付けも終わり、看板の製作も終わる。うーん完璧だ。
「あらかた完成だな。あとは前日にテーブルと椅子を並べればいい。」
「本当にやる事なくなったわね、明日から自由じゃない。」
一ノ瀬の発言に全員が頷く。明日から自由!遊び放題!最高だ!
「おー、本当やる事なくなったなー。んじゃいいか、明日から自由でいいぞー。授業ないしな。」
「「「「「やったぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」
よし!明日ゲーム持ってこよう!楽しむぞオラァ!自由じゃ自由!フリーダム!
「あら、七里さん、明日から何やろうかしら?」
「うーん、歌の練習でもする?音楽室借りてやる?」
「あ、アイドルの練習!?生で見れるの!?」
七里と仲本の会話にクラスが盛り上がる。アイドルの練習を生で見れるからな。そんな機会はそうそうないからそりゃ興奮するだろう。
「見物料1人200円ね、このバケツの中に」
俺がすかさずバケツを持ち見物料を徴収しようとする。いやそりゃアイドルよ?無料なんてダメでしょ。商売繁盛家内安全!
「バカかお前は!?」
「バカかてめえは!」
平賀と平川のダブルイケメンにハリセンで引っ叩かれる。痛えなこの野郎!いいじゃねえか冗談なんだから!
「おのれ!俺の金儲けを!」
「いやダメだからね!?」
「ちぇー。んじゃ俺は明日暇つぶしに溶接しよ。」
「溶接!?」
「暇つぶしで溶接するの!?」
仲本と七里が目を丸くするが気にしない。適当にオブジェ作るかな。いや、あれ作るか。
「おう。適当に板切ってなんか作る。圧力容器でも作るわ。水圧試験の。図面描くか。」
「は、はい!?あなた何を言ってるの!?」
「高校生ですよね!?同級生ですよね!?普通科の生徒がなんで図面かけるの!?」
「本当に作れるのか!?」
「アイドルとイケメンよ、俺は作れるぞ。形だけならな。」
自信満々に答えますよそりゃ。溶接経験者舐めんな。おっと、顧問に連絡しなければ。
顧問にメールを送る。
「却下されたわ。畜生」
「早え!?」
「ダメなんかい!」
「端材を使って練習はいいけど水圧容器はダメだってよ。」
「それはそうでしょ!!」
ひでえよ母ちゃん。あーしかし何すっかな。暇だぞこれ。
あ、園芸部に行こ。




