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鴇さん!  作者: NNED
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 鴇の突拍子もない提案はなんやかんやあって採用された。


 日和は学校から帰ってきたら店でアルバイトをすることとなり、日和が働くようになってからは学校の柄の悪い生徒たちも店にくるようになった。日和が居るところに日和の仲間たちは集まる。


「まじ渋い!かっけー!俺もこういう喫茶店でマスターやりてー!ぱねー!」

「お前には無理っしょ」

「いやいや日和さんにお願いしたら雇ってもらえんじゃね?」

「まじで!?日和!俺も!俺も雇って!」

「うっせーよ!他のお客さんにメーワクかけちゃいけねーんだぞ!」

「お前がうっせーよ」

「日和〜ここババくさくね?もうちょっとスタバ的な何かだと思ってたし。」

「てめ、言っていいことと悪いことあんだぞ!まじ日和さんさーせんこいつビブラート包めねーんです」

「それを言うならオブラートじゃね?」

「つかさ、話変わるけどさ、オブラートって美味くね?あの駄菓子の包んでるやつまじ好きなんだけど」

「アレ味しなくね?セロハンテープみてえじゃん。」

「お前セロハン食ったことあんの?」


 会話がアホ丸出しすぎて痛々しい。

 日和は自分もこの馬鹿たちのお仲間なんだなとシミジミと考える。少年たちの会話は鴇の笑いのツボにドンピシャで、毎回楽し気にそれを聞いているが、麻子としては少々頭の痛いところである。

 鷹高生の一団のおかげで一部の客足が遠のいてしまったのが痛い。自分たちが慕う日和が働いているためか、それとも麻子の恐ろしさを知っているのか、生徒たちは比較的おとなしくしているのはいい。無論比較的というのは彼らの主観が入ったところである。暴れない・馬鹿騒ぎしないなど当たり前な公共のマナー以外は守られているとは言い難いところも多い。しかし、所詮たかが高校生。客単価が低い。コーラ一杯で二時間くらい平気で粘る。物好きしか来なかった少し前を思えば、十分客として迎えるに値する金を落としているかもしれないが、柄が悪すぎて店の雰囲気をぶち壊しにしているように思える。元々信吾の趣味で始めたような店なのだが、たまには少し高めの軽食か何か頼んでくれないものか。





 そんなこんなで毎日が過ぎる。

 そしてある日の夕方。喫茶マコの前で男女2人組が何か言い争いをしていた。


「なんで鴇さんに接客されるってだけでそんなに緊張してんの!?バッカじゃねーの!

 鴇さんに会ったら『お仕事おつかれさまです』って言って、コーヒーとサンドイッチ頼むってさっき言ってたじゃんよ!さっさと入れこのヘタレ野郎!」


「だって、こんな雰囲気の喫茶店とか入ろうと思ったこともねーし…!

 それに鴇さんが仕事してるのに俺は座ってコーヒーとか…!だめだろ!」


 鷹高の制服を着た男女が道の真ん中で派手に言い争いをしているため、かなり目立っているが2人には自覚がない。

 何事かと喫茶店の中から客にも見られているが、それにも気付かずなんとも馬鹿馬鹿しい言い合いを続ける。



 放課後から閉店までシフトが入っていたので出勤してきた日和は、呆れて脱力しながら2人に声をかけた。

 店先で自分と同じ学校の制服を着た人間が喧嘩をしているのが遠目で見えて焦り、仲裁しようと駆け寄ると、最近あまり会わなくなった暦と紅緒ではないか。

 なぜここに居るのかとか、なぜこんなところに来てまで喧嘩しているのかとか、どうして鴇のことを知っているのかとか、色々聞きたいことはあるが、



 大きくため息をつき、一言。

「営業妨害だアホ。さっさと入るなら入れ。」





 日和に連れられてガチガチになりながら暦は店内に入った。中では鴇が鼻歌を歌いながらカウンター席の机を拭いているところだった。



「よぉ!ひよ、り…んん?

 日和の後ろに立ってんのは暦と紅ちゃんか?」



「おはようございます!」

「何言ってんのマジで。『おつかれさまです』でしょ。ほんとなんでバイト先にお邪魔するだけでそんなに緊張してんだよ。


 鴇さんお疲れさまです。」



「おー!いらっしゃいませ、どうしたんでェ、2人とも。」



「え、ええと、」

「ちょっと職場見学させてもらいに!

 ところで鴇さん、なんでコイツいるんですか?」


 暦がしどろもどろになっているうちに、紅緒がサラサラと会話を続ける。これに暦が不機嫌に眉をひそめるが知ったことではない。「コイツ」と指差された先には日和が立っていた。


「俺はここの店主の息子だバカヤロー」


 紅緒は唖然とした。

 似合わない。似合わなすぎる。てっきり日和は極道の跡取りとかそっち方面の人間だと思っていた。その上偶然なのかなんなのか鴇のバイト先の店主の息子とは。どんな確率なのだろう。


「まじで言ってんの!?」

「大真面目だこっちは。

 で、そっちは?鴇と知り合いみてーだけどどんな関係だよ。」


「!鴇さんを呼び捨てに…!?」

 暦がおののく。

 これに紅緒が反応し暦の後頭部をはたいた。

「あんたが話に入ってくると話進まないのよ。黙ってて。」


 以前よりマシにはなったが、相変わらず紅緒は口より先に手が出る。


「暦は遼太郎と一緒にヤクザにボコボコにされてたところを鴇さんに助けられて、あたしは暦がコソコソなにやってるのか見にいったときに鴇さんと知り合ったの。

 まさか鴇さんの勤め先が日和の家だとは思ってなかったっての。」


 パチクリと鴇は目を瞬かせた。


「同じ学校だってェのは知ってたが、友だちだったのかぃおめぇら。

 そ~かそ~か~!友だちか~!こりゃ凄い縁だなぁ!すべては巡り合わせ、ご縁ってわけだ!っはー!」

 一人感心し、興奮する。

「おまえら、縁は大切にしねェといけねぇからな。」


「はい!!」

 暦だけが元気に返事をした。



ちょっとテンポ早すぎるかなと思ったりしましたが、とりあえず、鴇と暦と日和と紅緒、揃いました。

あとは遼太郎だけだね!!!!

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