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マギクラフト・マイスター  作者: 秋ぎつね
93 アヴァロン改革篇
3680/4359

93-01 『アヴァロン』の現状報告

 予約投稿失敗したようです。

 ラッキーと思ってお読みください。

 なお5月26日(金)は外出予定ですのでレスできるのは夕方以降になりそうです。

 m(_ _)m

 10月10日夕刻、蓬莱島。

 マルシアとシオンの誕生会が終わった後、『仁ファミリー』の大半はそれぞれの居場所へと帰っていったが、仁をはじめ、アーノルトとチェル、リシア、エルザは残っていた。


「……なるほど、以前ちょっと連絡を受けたとおり、リシアさんをデウス・エクス・マキナ3世が派遣した『治癒師(ドクトル)』ということにして、『アカデミー』で医術の講義をしてもらえるわけですね」

「そう考えている」

「資料もできています」


 リシアはエルザとともに作った資料をアーノルトに見せた。


「これは立派な教本ですね、ジンさん」

「エルザとリシアが頑張ってくれた成果だ」


 大きさはA4サイズで、120ページもある。資料というより、もう立派な教本である。

 ところで、アーノルトは、公的な場では仁のことを『ジン殿』、プライベートな場では『ジンさん』と呼んでいる。たまに混乱することもあるようだが……。

 それはさておき。


「ジンさんが作ったプリンターで1000部印刷してあります。『アヴァロン』に伺う際に一緒に持っていきますよ」


 リシアが説明した。


「それはありがたいですね」

「新型プリンターもその時に持って行くよ」

「ジンさん、それはありがたいですけど……」

「けど?」

「以前いただいたというプリンターを元に、少し改良してみたんです」

「へえ」

「もちろん、ジンさんのものより構造は簡単なんですが」

「いや、それでも凄いよ」


 仁は現代日本で何種類かのプリンターを見ており、構造についても大体のところではあるが知っている。

 だがアーノルトたち『アカデミー』では、そういった予備知識なしにプリンターを改良したわけだ。

 だから仁は素直に称賛した。


 仁が寄贈したプリンターは、1枚1枚手動で刷っていく、いわば『ガリ版』に近いやり方だった。

 もっとも、ガリ版は『孔版』、仁のプリンターは『凸版』という違いはあるが。


 A4サイズの版部分は『魔導樹脂(マギレジン)』でできており、データどおりに『変形(フォーミング)』させて版を作る。

 そこにローラーでインクを付け、紙を載せたら圧着ローラーで紙を版に密着させることで印刷が行われる。

 印刷が終わった紙は手動で取り除き、次の紙を用意するのも手で行っていたが、ここをゴーレム技術を応用したマニピュレーター(マジックハンド)を使うことにしたのだという。


「手作業では印刷速度が遅いので、あまり大量印刷には向かないということで改良しました」

「版の耐久性はそのままか?」

「そちらは『魔導樹脂(マギレジン)』なので適宜修正できます」

「そうだったな」


 一度作ったらもう手を加えられない版画と違い、適宜てきぎ修正ができるという強みがあるわけだ。


「その方式なら多色刷りもできそうだけどな」

「多色刷りですか……色の三原色に分解するんでしたね」

「そうそう」

「なるほど……戻ったら検討してみます」


 アーノルトも、何やら思うところがあったようだ。


*   *   *


 ひととおりの打ち合わせを終え、エルザとリシアは退席した。


「あと、『アヴァロン』についていろいろと、アーノルトから聞きたいんだが」

「いいですよ」


 仁はまず『アヴァロン』の近況を聞くことにした。


「組織としての『アヴァロン』はどうなんだ?」

「『アヴァロン2』と接続してからのゴタゴタはほとんど落ち着きました」

「それはよかった」


 『アヴァロン1』と『アヴァロン2』の連結工事が行われてからもう20日以上が経っていた。

 『アヴァロン』(メガフロート全体、あるいは組織としての呼称)は新たな体制を構築しつつあるのだ。


「それじゃあ『データベース』は?」

「順調にデータを増やしていますよ」

「それなら安心だな。端末はどうしてる?」

「試しに5台を設置しています。試用期間なので使えるのは『アカデミー』幹部に限定しています」

「もうそこまでいったか。ここで問題点をじっくり洗い出してくれよ」

「ええ」

「データの入力は?」

「今のところ、『アヴァロン1』の管理魔導頭脳『アーサー』と『アヴァロン2』の管理魔導頭脳『ファースト』に任せています」

「それはいいな」


 管理魔導頭脳なら短期間で多くのデータを入力できるであろう。


「その『アヴァロン2』は?」

「工業と農業を行うエリア、ということで、『アヴァロン1』からほぼ機能を移転し終えています」

「順調だな」

「ええ。既に農場も工場も稼働しています。農場からは促成栽培の野菜類が。工場からは『重力魔法機関』搭載型の輸送機『ストーク』が4機、ロールアウトしています」

「そうか、どっちももう動き出しているんだな」

「3機はショウロ皇国に納品されました。この後はセルロア王国に2機、クライン王国に1機の予定です」


 その後、フランツ王国とエゲレア王国、エリアス王国、ミツホ……と順次納品される予定だという。


「民間企業の誘致は?」

「まあまあ順調です。ショウロ皇国の『ベルリッヒ工房』はもう動き出していますね」

「素早いな。やっぱり、カチェアがいるからかな?」

「そうかもしれませんね」


 ベルリッヒ工房の工房長、ベルリッヒ・ベッカーはカチェアと相思相愛の仲なのである。

 それもあって、工房の半数を率いて『アヴァロン』に所属するという決心をしたわけだ。


「最高管理官の負担は増えていないか?」


 有能だが生真面目なトマックス・バートマンの精神的な負担が増えているのでは、と仁は心配していた。


「最近ではあるのですが、メルツェさんが『総合管理局』勤務になりまして、その能力を遺憾いかんなく発揮してくれていますね」

「ほう」

「彼女がもうちょっと成長したら有能な補佐官になるでしょう」


 メルツェも今はまだ13歳である。

 どんなに有能でも、未成年を重要ポストに就けるわけにはいかないのだ。


「マノンとシモーヌ、管理魔導頭脳『アーサー』、それに『ファースト』がうまく連携しあって、彼の負担を減らしていますね」

「それはよかった」


 最高管理官の負担は大きい。もしもトマックス・バートマンが倒れでもしたら、『アヴァロン』の機能は半減してしまうだろう。


「……で、ゴウとルビーナは?」


 そして最後に仁は、一番気になっていたことを尋ねた……。

 いつもお読みいただきありがとうございます。


 20230525 修正

(誤)「今ひとつ印刷億度が遅いため、あまり大量印刷には向かないんですよね」

(正)「今ひとつ印刷速度が遅いため、あまり大量印刷には向かないんですよね」


 2230526 修正

(誤)マルシアとシオンの誕生日が終わった後

(正)マルシアとシオンの誕生会が終わった後



(旧)「新型プリンターもその時に持って行くよ」

(新)「プリンターもその時に持って行くよ」

(旧)「うちでもプリンターを作ってみたんですよ」

(新)「以前いただいたというプリンターを元に、少し改良してみたんです」

(旧)そういった予備知識なしにプリンターを開発したわけだ。

(新)そういった予備知識なしにプリンターを改良したわけだ。

(旧)

 アーノルトの説明によると、いわゆる『凸版方式』のようだ。

 そこまでは仁のものと似通っているが、版部分がローラー状ではなく平板であった。

 要するに半自動式の版画もしくはガリ版と考えればいい。

(新)

 仁が寄贈したプリンターは、1枚1枚手動で刷っていく、いわば『ガリ版』に近いやり方だった。

 もっとも、ガリ版は『孔版』、仁のプリンターは『凸版』という違いはあるが。


(旧)原稿どおりに『変形(フォーミング)』させて版を作る。

(新)データどおりに『変形(フォーミング)』させて版を作る。

(旧)

 そこにローラーでインクを付け、紙を載せたら圧着ローラーで紙を版に密着させることで印刷が行われる。

(新)

 そこにローラーでインクを付け、紙を載せたら圧着ローラーで紙を版に密着させることで印刷が行われる。

 そこまでは同じ。


(旧)

 印刷が終わった紙は手動もしくはゴーレム技術を応用したマニピュレーター(マジックハンド)で取り除く。

(新)

 印刷が終わった紙は手動で取り除き、次の紙を用意するのも手で行っていたが、ここをゴーレム技術を応用したマニピュレーター(マジックハンド)を使うことにしたのだという。

(旧)「今ひとつ印刷速度が遅いため、あまり大量印刷には向かないんですよね」

(新)「手作業では印刷速度が遅いので、あまり大量印刷には向かないということで改良しました」

(旧)「版の耐久性は?」

(新)「版の耐久性はそのままか?」

(旧)「そちらは『魔導樹脂(マギレジン)』なので適宜修正します」

(新)「そちらは『魔導樹脂(マギレジン)』なので適宜修正できます」

(旧)「その手もあるな」

(新)「そうだったな」


 54-22 で仁はプリンターを寄贈していました……。それを踏まえ、矛盾しないよう修正しました。


 20250910 修正

(誤)

 A4サイズの版部分は『魔導樹脂(マギレジン)』でできており、データどおりに『変形(フォーミング)』させて版を作る。 A4サイズの版部分は『魔導樹脂(マギレジン)』でできており、原稿どおりに『変形(フォーミング)』させて版を作る。

(正) A4サイズの版部分は『魔導樹脂(マギレジン)』でできており、データどおりに『変形(フォーミング)』させて版を作る。

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― 新着の感想 ―
> A4サイズの版部分は『魔導樹脂』でできており、~~させて版を作る。 ここ2回繰り返されてますね
[良い点] >「民間企業の誘致は?」 >「まあまあ順調です。ショウロ皇国の『ベルリッヒ工房』はもう動き出していますね」 >「素早いな」 『アヴァロン』は人手不足、これはおそらく業務の抱え込み過ぎであ…
[一言] 「片岡 正喜」さんが指摘している54-22話で登場した手書き原稿を元に版下を作成する魔道機は、例えば印刷速度が遅くて現場サイドから改良要請が出た事でアーノルト達が独自の新型プリンターを作った…
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