表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マギクラフト・マイスター  作者: 秋ぎつね
91 新たな技術篇
3595/4342

91-43 少しだけ仁も参加

 『改良型重力魔法機関開発プロジェクト』へは、アーノルトと共に仁も顔を出した。


「あ、ジン殿、ようこそ!」

「ジン、久しぶり!」

「お邪魔するよ。興味深い研究をしているようだな」

「見ていってくれ。意見ももらえると嬉しいかな」


 仁はグローマ、エイラらと挨拶を交わす。

 アーノルトはできあがった『補助魔導頭脳』の設計書をテーブルに広げた。


「主任、できあがったんですか?」

「ああ、できたよ。まあ見てくれ。さっきジン殿にもチェックしてもらったんだ」


 そこで全員がテーブルの周りに集まり、設計書を覗き込んだ。


「ははあ……」

「ここをこうするのか……勉強になるなあ」

「こうなっているのか、知らなかった」


 ここで仁が説明に参加する。


「このルーチンは、こっちとリンクしているんだ。で、ここの裏付けを必要とするから、センサからの値を入力することになる」

「あ、そうか。……ははあ、それで判断基準と比較するのですね」

「そういうことだ」


 と、このようなやり取りを繰り返し、プロジェクトメンバーたちはアーノルトが作った『補助魔導頭脳』の構成を理解していったのである。


*   *   *


 『アヴァロン』では就業時間はきっちりと決められている。

 多少の融通はきくが、休むべき時には休む、というのが原則だ。

 その日も午後5時半には業務を終了し、休憩そして夕食の時間となる。


「ああ、今日も充実した1日だった」

「同感だ」


 エイラとグローマは満足そうに背伸びをした。

 他の面々も、疲れた顔だが満足そうな笑みを浮かべている。


 ゴウとルビーナは仁の下へ行った。


「ゴウ、ひとっ風呂浴びてから夕食にするか?」

「はい!」

「ルビーナはエルザとな」

「はい! ……そのエルザ様は?」

「メルツェのところへ行ってる」

「じゃあ、メルちゃんも一緒に来るわね」

「多分な」


 そういうわけで仁たちは先に大浴場へ行って待っていることにした。


*   *   *


 大浴場前の休憩室で3分ほど待っていると、メルツェを連れたエルザがやって来た。


「おまたせ」

「ゴウさん、ルビちゃん、遅くなってごめんね」

「いや、たいして待っていないから」

「ほんとほんと」

「ありがと」


 そして男女に別れ、入浴である。


*   *   *


「ああ、いいお湯ですね」

「今日は疲れたろう?」

「いえ……はい。やっぱり疲れました」

「そうだろうな」


 だからこそ、休める時にはきっちり休んで疲れを取る必要があるんだ、と仁。


「まあ、俺が言っても説得力ないんだけどな」


 仁自身、興が乗ると徹夜も辞さないようなのめり込み方をするからだ。


「そのせいでちょくちょくエルザに怒られてるからな……ゴウたちならメルツェがその役割か」

「そうかもしれません」

「そうした友人、仲間は大事にしろよ」

「はい」


 そのメルツェはエルザ、ルビーナと入浴中。


「メルちゃん、お仕事、どう?」

「うん……毎日、新しい発見が多いわ」

「今日は?」

「昨日とは違って、今日から総務課だから、慣れるのに大変」


  一般に言って総務課は、『組織を運営していく上で欠かせない業務なのに、それ専門の担当部署を作るほどではない業務』の全てが総務課に回ってくる。

 例えば資料のファイリングや、筆記用具・照明・トイレ用品などの備品の管理。

 また、会議や内部でイベントを行う際の企画運営や、来客・来賓への対応など、目的や意義がわかりにくい部署である。

 要は『組織全体へのサポート』をする部署だ。

 ちなみに経理、法務、人事、広報などは総務から派生した部署といえよう。


「うーん、よくわからないわ」

「まあルビちゃんには向いていなさそうね」

「そうなの?」

「そうよ」


 などと話をするルビーナとメルツェを、エルザは微笑みながら黙って見守っていたのである。


*   *   *


 入浴後は夕食である。

 風呂から上がって合流し、食堂へ。

 時刻は午後6時半、食堂が少し空き始めた頃だ。


「まだ少し混んでいるかな?」

「でもちらほら空きテーブルが見えますよ」

「そうだな。……あそこに座ろう」


 6人掛けのテーブルが空いていたのでそこへ向かう仁たち。

 仁とエルザが並んで座り、その対面にはゴウ、ルビーナ、メルツェの順に座る。

 仁の正面にはゴウが、エルザの正面にはメルツェが座った。


 仁とゴウ、メルツェは和風定食セット、エルザとルビーナはおすすめ定食セットA。


 和風定食セットの内容は白いご飯、ワカメと豆腐の味噌汁、野菜コロッケと刻んだガンラン(キャベツ)、甘さ控えめの玉子焼き、小魚の甘露煮、お新香。

 おすすめ定食セットAは白いご飯、グラスボア(豚)のジャンジー(ショウガ)焼き(要はポークジンジャー)、コカリスク(鶏)の唐揚げ、トポポサラダ、それにアプルル4分の1が付く。


「いずれ、こうした食材も『アヴァロン』で栽培できるようになるだろうな」


 ご飯を口に運びながら仁が呟いた。


「ジン様、どういうことですか?」


 メルツェからの質問である。


「ええとな、もうすぐ完成する『アヴァロン2』にはそうした食料の生産エリアを多く取ろうと思っているからさ」

「あ、聞いています。以前見に行った、掘り出した『球形基地』を中央に据え付けたメガフロートですよね?」

「そう、ゴウの言うとおりだ。17、8日頃に細部以外は完成する予定だ」

「楽しみです」

「それをまともに運用するなら、もっと人員を増やさないとな」

「ああ、そうですね」

「将来的には、この『アヴァロン』とドッキングさせるつもりだ」

「それで業務を分けていくんですね」

「そういうことになるな」


 そうなると総務の仕事がまた増えるな、と苦笑する仁であった。

 いつもお読みいただきありがとうございます。


  本日3月2日(木)は14:00に

  異世界でホムンクルスになっていたのでスローライフを目指す

  https://ncode.syosetu.com/n8402fn/

  を更新します。

  こちらも応援のほどよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] "コカリスク絶対食べないウーマン"のエルザさんがおすすめ定食セットAを注文するとは!! いつの間に克服したんだろう?
[一言] >多少の融通はきくが、休むべき時には休む、というのが原則だ。 アヴァロン所属の自動人形やゴーレム達が定期的に見回り。 >「でもちらほら空きテーブルが見えますよ」 老君の指示で空調を弄っ…
[一言] >>意見ももらえると嬉しい 仁「じゃあ、あーたらこーたらどーたら・・・・」 ハ「あ~あ・・・」 エ「時間を見て行くしかないかな(耳を引っ張ってでも)」 >>設計書をテーブルに広げた ハ「そ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ