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マギクラフト・マイスター  作者: 秋ぎつね
91 新たな技術篇
3562/4414

91-10 完成に向けて

 8時、ゴウはルビーナと一緒に『改良型重力魔法機関開発プロジェクト』の会議室へ。

 そこには既にほぼ全員が揃っており、リーダーで技術主任のアーノルトが代表してゴウを迎えた。


「やあ、ゴウ君、おかえり」

「はい、戻ってきました」

「これまでの流れは把握したかい?」

「はい。ルビーナからの説明を聞き、議事録を読みました」

「それならいい。……では、始めよう」


 そして、早速議論が開始された。


*   *   *


「まずは、最大3G、通常は2Gの出力、これはいいだろうね?」


 アーノルトからの問いかけに、全員が頷いた。

 『浮かす』ために必要な重力は、地表の引力1Gを相殺し、持ち上げられればいいのだから。


「そのために必要な『命令(コマンド)』、『魔導式(マギフォーミュラ)』、『魔法制御の流れ(マギシークエンス)』をまとめていこう」

「はい」


 滑り出しは順調である。


*   *   *


 昼休み。

 ゴウはルビーナ、メルツェと共に食堂にいた。


「……ゴウがいると、なんだか進みが早い気がするわ」

「そうかい? 僕はわからないけど」

「そりゃ、ゴウ自身がいない時のことはわからないでしょうよ」

「ふふ、ゴウさんとルビちゃんが揃うと、ジン様に匹敵すると言われてますからね」

「なにそれ」

「それは言いすぎだよ」

「だって以前ジン様が、お二人が揃えば『魔法工学師マギクラフト・マイスター』を目指せるというようなことを仰ってました」

「あくまでも『目指せる』であって、匹敵じゃないから!」

「でも、そういう意気込みで……」


 賑やかな昼食風景であった。


*   *   *


 ゴウたちの昼食が終わる頃、仁とエルザ、礼子がやって来た。


「挨拶やら何やらで遅くなってしまったな」

「ん」

「定食を注文してきます」

「ああ礼子、頼んだ」


「ジン様! エルザ様!」

「お、そこにいたのか」


 仁とエルザは手招きするルビーナに誘われ、彼らのテーブルに座った。

 すぐに礼子が2人の定食を持ってくる。


「お、今日は焼き魚定食だったか」

「美味しそう」

「はい、お父さま、エルザさま」


 テーブルに置かれた四角いトレイには、八分づき(精米)のごはん、豆腐とわかめの味噌汁、サンマの塩焼き、野菜の煮物、お新香が載っている。


「お茶はほうじ茶でよろしいですか?」

「うん、頼む」

「私も」

「かしこまりました」


 ゴウたちは仁夫妻が食べ終わるまでおとなしく……は無理なので、賑やかに喋りながら待っていた。


「……さて、まずはルビーナの話を聞こうか?」

「まってました! ……あのね、今日までいろいろあって……」


 ルビーナは、朝、ゴウに説明したように、これまでの流れを仁にも説明した。

 こころなしか、ゴウへの説明よりも丁寧でわかりやすくなっている。


「なるほど。苦労しているな」

「でも、今日の午前中、ゴウが参加してくれたので一気に進みました!」

「そうか。やっぱりゴウとルビーナは協力して進めると違うな」

「そ、そう?」

「ああ。その調子で頑張れ」

「はい!」


 次に仁はゴウに尋ねた。


「……で、ゴウはどうだ?」

「はい。今日は浮遊機関としての『重力魔法機関』に絞って、検討が行われました。なので必要な『命令(コマンド)』、『魔導式(マギフォーミュラ)』、『魔法制御の流れ(マギシークエンス)』をまとめることに……」

「なるほどな。おおよそはまとまったわけか」

「はい」

「うん、その調子で頑張ってくれよ、2人とも」

「はい!」

「はい!」


「メルツェはどうだった?」

「はい、正式に臨時雇い(アルバイト)として登録してきました」

「そうか。配属先は?」

「今日明日明後日は事務系の職場で研修を行いまして、その後で決定するそうです」

「なるほどな。ちゃんと考えられているな」


 3人が本格的に『アヴァロン』で働き始めたことを確認した仁は安心するとともに満足したのである。


*   *   *


 その日の午後、仁、エルザ、礼子は『アヴァロン』を離れた。

 ゴウたちのことはデウス・エクス・マキナ3世に託す。


 そして仁は仁Dを操縦し、ユニーで行われている『アヴァロン2』の様子を見に行った。


『ジャック、どんな調子だ?』

《はいジン様、一言で言えば順調です》

『そうか。そろそろ完成するな?』

《はい。今は最終点検中です》


 『アヴァロン2』は内装の整備も終え、ほぼ完成していた。


『それじゃあ、まもなく発進できるんだな?』

《はい、あと3時間ほどで》

『よくやってくれた』

《ありがたきお言葉》


 『アヴァロン2』は宇宙船仕様。

 ここユニーからアルスまで自力で飛んでいくのだ。

 そしてアルスに着水した後は、宇宙飛行用の機関は取り外して分解してしまう予定。

 ただし海を航行する機能と潜水する機能は残しておく。


『それじゃあ俺もチェックを手伝おう』

《ありがとうございます》


 仁Dも手伝ったので、3時間ほどと言っていたチェックは2時間で終了した。

 いよいよ発進である……。

 いつもお読みいただきありがとうございます。


 本日は 異世界シルクロード(Silk Lord) も更新しております。

     https://ncode.syosetu.com/n5250en/

     お楽しみいただけましたら幸いです。


 20230128 修正

*ジャックのセリフは 『 』 でなく 《 》 でくくるのでした。

 5箇所修正。

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― 新着の感想 ―
[良い点] >仁とエルザは手招きするルビーナに誘われ、 拷「……僕が居ない間に、随分と気安くなったなあ……」 仁「慣れた、って言ってあげな。そして、また増長しないためのカウンターがお前だから」 エ「……
[一言] >「やあ、ゴウ君、おかえり   本当に助かるよ、僕じゃ抑えg o...きかなくt...rz ル「なんて主任がいちいち言う訳ないじゃない#」 ←いあ誰もルビーナのことh ア「うんほんとおにそん…
[一言] >通常は2Gの出力 2Gだと空に向かって落ちるような。浮いてる状態を維持するのなら1G+αで微調整って感じになるんじゃなかろうか。 >宇宙飛行用の機関は取り外して分解してしまう予定。 …
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