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マギクラフト・マイスター  作者: 秋ぎつね
89 X基地決着篇
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89-19 到着、そして

 『X基地』の最も広いフロアのある階層、つまり『アイオーン』のある階層。

 そこへ今、礼子たちは足を踏み入れた。


『礼子、そこのフロアは罠だらけだがみんな目視できる。唯一、『アイオーン』の部屋の扉の上下に電撃と思われる仕掛けがある』

『わかりました。ありがとうございます、お父さま』


 内蔵魔素通信機(マナカム)でのやり取りは一瞬。

 礼子はためらうことなく前へと進んでいく。

 立ち塞がるゴーレムは全て無力化した。

 『ウィカ』や『1』たちはただ付いていくだけである。


「たいしたものだ、レーコ殿は」

「まったくだ」

「あと少しで『アイオーン』のある部屋に着く。気を付けられよ」


 そんな言葉を背に、通路を進んでいく礼子。

 と、その足が止まった。

 『アイオーン』のある部屋の前に、ついに到着したのである。


「ここの床に電撃系の罠があります」


 と一言告げ、『桃花』を2振り。床を斬り裂いた。

 そして露出した床下に『雷撃(サンダージャベリン)』を放つ。

 同じ雷系の魔法を放てる魔導機(マギマシン)であったが、パワーが桁違い。礼子の攻撃には耐えきれず、焼き切れたのだった。


「もう1つ」


 礼子は頭上めがけ『雷撃(サンダージャベリン)』を放つが、金属製であるがゆえにあまり効果は上がらなかった。

 そこで再度『光束(レーザー)』で天井板を丸く焼き切る。

 大きな音を立て落下する天井板。その穴から内部構造が見えている。

 それを目掛けて『雷撃(サンダージャベリン)』が放たれ、罠は沈黙した。


「これで、もう罠はありません」


 仁が『(サブ)自由魔力素(エーテル)波使用の覗き見望遠鏡(ピーパー)』で確認してくれた事実である。


 ロックされた扉を、まるで障子紙を破るがごとく突破する礼子。


 そして扉の向こうには円柱状の外被に覆われた魔導頭脳が……。


「あなたが『アイオーン』ですね?」

『ついにここまで来たか』

「問答するつもりはありません。……『ウィカ』、頼みます」


 礼子の言葉に従い、『ウィカ』が進み出た。

 そして『キーワード』を口にしようとした、その時。

 『アイオーン』の周囲に結界が張られたのである。


「これは……物理結界!?」


 物理現象を遮断する結界が『アイオーン』の周りに張られた。

 つまり、音声や電気信号は通さないわけで、『ウィカ』が『アイオーン停止のキーワード』を唱えても無駄ということになる。


 だが、それは『アイオーン』の停止をわずかに先延ばしにしただけ。


「最後のあがきですか」


 史上最強の自動人形(オートマタ)、礼子は自らも『物理障壁(ソリッドバリア)』をまとう。

 そしてその状態で『アイオーン』の物理結界に体当たりを行った。


 この場合、障壁(バリア)同士の強度対決となる。

 2つの障壁(バリア)が衝突した刹那……0.05秒ほど拮抗した……が。


 障壁(バリア)の正体は空間に存在している自由魔力素(エーテル)によって作り出された『網』。

 『網』の強度は注ぎ込まれる『魔力素(マナ)』の量に比例する。


 そしてもう1つ、『位相の整合度』が挙げられる。

 こちらはいわば『通常光』と『レーザー光』の比較に近い。

 波動としての『自由魔力素(エーテル)』の位相が揃っていれば、それだけ強度も上がるわけだ。


 そうやって作り出され、維持されている『網』が破れたらどうなるか。

 答えは『魔力崩壊』だ。

 『網』を維持するために使われていた魔力素(マナ)が『生』で噴き出すことになる。


「おおっ!」

『うああっ!』


 礼子以外の敵も味方も、その奔流に驚きを隠せなかった。

 そうして周囲に魔力素(マナ)の嵐を生じさせ、『アイオーン』の物理障壁は消滅。

 障壁(バリア)の発生装置も過負荷とオーバーフローにより停止した。


「……で、どうします?」

『う、ううむ……』

「もう手はないようですね。……『ウィカ』、頼みます」

「了解。……《世界の終わりが明日来るとしてもぼくは今日もペルシカの木を植える》……『アイオーン』、停止」


 『キーワード』が『ウィカ』の口から語られた。


「お……おお…………おおおおおおおおおおお………………d%&9(”+:?<〜y#=¥・・・・・・」


 最後には言葉にならない言葉を発し、『アイオーン』は停止した。

 当然、その一部でもある『パークス』も停止する。

 動いているのは独立している『パークス派』のゴーレム5体と礼子、『コスモス600』、そして『ウィカ』。


「終わりましたね」

「そのようだ。感謝する、レーコ殿」


 『1』は、人間っぽい仕草で礼子に向かって頭を下げた。


「これからどうするのですか?」


 礼子は『1』に質問した。


「この基地を地上に下ろす」

「あなた達が?」

「うむ。やり方は宇宙に出たときの逆の手順で行う」

「大丈夫ですか?」

「大丈夫だ」

「そうですか」


 できるできないの問答をしていても仕方がないので、礼子はもう1つの目的を果たすことにした。


「この基地内部に『リノウラ・モギ』がいるはずですが、心当たりは?」


 『アイオーン』が停止しているので聞くわけにいかないのが残念だ。


「おそらくあと2つ上の階層ではないかな」


 『1』が答える。


「そこには何が?」

「司令室がある」

「なるほど、そこにいる可能性大ですね」


 礼子は『アイオーン』の部屋を出て、上への階層へと階段を上っていくのだった。

 いつもお読みいただきありがとうございます。


 20221004 修正

(誤)そして扉の向こうにはが円柱状の外被に覆われた魔導頭脳が……。

(正)そして扉の向こうには円柱状の外被に覆われた魔導頭脳が……。

(誤)動いているのは独立している『パークス派』のゴーレム5体と礼子、そして『ウィカ』。

(正)動いているのは独立している『パークス派』のゴーレム5体と礼子、『コスモス600』、そして『ウィカ』。


(旧)《世界の終わりが明日来るとしてもぼくは今日も桃の木を植える》

(新)《世界の終わりが明日来るとしてもぼくは今日もペルシカの木を植える》

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― 新着の感想 ―
[一言] >>みんな目視できる ハ「罠とは一体・・・」 エ「ブービー?」 >>障子紙を破る ハ「・・・・・猫?」 エ「そう言えば犬が破るってあまり聞かない」 >>うああっ! ハ「・・・気分は?」 …
[一言] 礼子は頭上めがけ『雷撃サンダージャベリン』を放つが、金属製であるがゆえにあまり効果は上がらなかった。 と、罠の破壊に失敗したことで『お父様の娘として失敗するなんて!』と顔を羞恥に染めながら再…
[一言] ゴリ押しッ!圧倒的なまでのゴリ押しッッ!!
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