表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マギクラフト・マイスター  作者: 秋ぎつね
86 暗示事件篇
3277/4353

86-24 僅かな手掛かり

 ホープと老君の話し合いは3分ほど続いた。

 内蔵魔素通信機(マナカム)での通信は非常に密度が濃く、老君は瞬時にホープからの情報を受け取り、解析した。

 一方で『魔素通話器(マナフォン)』での通話は時間が掛かるため、見かけの通話時間は3分という数字となったのである。


「……以上です」

『わかった。同行するものは2名だな。相談し、追って連絡する』


 『魔素通話器(マナフォン)』での通話は、仁の口調に似せている老君であった。


「わかりました」


 ホープは『魔素通話器(マナフォン)』のスイッチを切り、これで通話は終了した。


「返事が来るまで、ここで待ちましょう」

「それで構わない」


 ホープも『スポークス』もゴーレムなので、ただじっと『待つ』ことは苦にならない。

 連絡が入るのを待つ2体であった……。


*   *   *


御主人様(マイロード)、お聞きのとおりです』

「うん、全員『分身人形(ドッペル)』で行けばいいわけだが、俺以外の2人は誰にしよう?」

『1人はアーノルトさんがよろしいのでは』

「ああ、そうだな」


 アーノルトは『魔導大戦』当時の技術者であるから、もしかすると『魔導頭脳ファースト』も知っている可能性がある。

 それが事態を動かすかもしれない。

 お供もチェルがいるので問題ない。


「もう1人はどうしようか。ロードトスやフィリシャスはやめておいたほうがよさそうだな」

『はい、御主人様(マイロード)


 『魔導頭脳ファースト』が彼らを敵とみなす可能性が大である。

 同様に、シオンやマリッカ、ロロナも対象外。


『変わった知識というなら、サキさんやグースさんがいいかもしれませんね』

「ハンナはどうだ?」

『よろしいかと』


 どのみち『分身人形(ドッペル)』で行くのだから、本人に危険が及ぶことはないわけだ。


 ハンナが『ファースト』とどんな話をするのか、ちょっと興味のある仁である。


『その場合、お付きはどうしますか?』

「そうだな……アンにしよう」

『よろしいかと』


 アンもまた『魔導大戦』時の自動人形(オートマタ)であるから、『ファースト』と何らかの関わりがある……かもしれないと仁は思っている。


 とにかくこれで、『魔導頭脳ファースト』に会いに行くメンバーが決まったのである。


御主人様(マイロード)、移動はどう致しますか?』

「そうだな、『ハリケーン』ではなく『タウベ改』で行くか」


 ホープが『タウベ(ダッシュ)』なので仁たちも同シリーズの『タウベ改』で行くことにする。

 どのみち、転送機で一気に目的地近くまで移動するので問題はない。


「あ、ハンナとアーノルトに声を掛けないとな」

『もう手配済みです』

「そうか。で、返事は?」

『はい。ハンナさんは大乗り気でした。アーノルトさんも、休暇を取って来るそうです』

「よし」


 そういうわけで、アーノルトとチェルは翌日蓬莱島に到着することとなる。

 ハンナもそれに合わせてヘールからやって来ることになった。


 そして移動に要する時間を考慮し、集まった半日後に現地へ到着するスケジュールで行動することとなったのである。


*   *   *


「はい、そうしますと明後日到着になりますね。お待ちしております」


 ホープにもその旨は連絡された。


「お聞きのとおりです」

「うむ、わかった。では、それまで待とう」


 ゴーレムは無為に待つことも苦にならない。

 ホープと『スポークス』はその場で待機を始めたのだった。


*   *   *


 22日から24日までの休暇届を出したアーノルトは無事受理された。


「それじゃあ今日の残り時間は『トモシデ・ヨダ』たちのゴーレムを再検査しよう」


 『新技研』室長として、メンバーに指示を出す。


 もちろん、接収した際にひととおりの検査はしており、何の異常も問題も発見されなかったのだが、『バックドア』については調べていなかったのである。


「今回は『バックドア』の有無だけだから時間は掛からないだろうが、きっちりと調査するように」

「わかりました」


 全員で手分けしての検査は1時間で終了。

 結局『バックドア』は発見されず、『アヴァロン』の安全は保証されたのであった。


*   *   *


 そして同じ頃、もう1つの懸案事項を手掛けていた老君は、ついに一歩前進していた。


『これですね。……セルロア王国リーバス地方、ウラウ行き』


 ミツホ製の染料の送り先の1つに、そんな記述があったのだ。

 ただ、購入者の名前までは記されていなかった。

 だがこれで、調査範囲が相当に絞られたことになる。


『ウラウの町で、ミツホ製の染料がどこかで使われているということでしょうから』


 僅かな可能性として、ウラウの町からまたどこかへ送られた可能性であるが、それは運送系商店の帳簿を調べればわかる。


 そういうわけで、老君は再び帳簿の調査に取り掛かったのである。


 そして、こちらは比較的楽に発見。


『むむ……マオリクスの販売代理店が購入……用途未記入、ですか』


 これでまた1つ、店長マオリクスに対する疑いが深まったことになる。


『ですが、マオリクスが誰かに操られている可能性もあるわけですよね』


 それに関しては『覗き見望遠鏡(ピーパー)』では無理なので、そばにいる『エリカ』に任せよう、と考えた老君であった。


*   *   *


 その販売代理店店長のマオリクスは、エーゲの町を発ったところである。

 ペギー・ゼノスは同行していない。

 今回の『罠』が意味をなさなかったことから、マオリクスと別行動することにしたのである。


(店長さんが一味でないという証拠はまだありませんからね)


 先入観なしに判断して出した結論である。

 経験は浅いが、判断力は確かである。


 その様子を見たゼーガ・ランバンは、この後輩の評価を上げた。


(うむ、正解だ。……俺はマオリクスの監視を強めよう)


 そしてゼーガ・ランバンはエーゲの町を後にする。


 ペギー・ゼノスはこの日1日、調査のためにエーゲの町に滞在する予定であった。


 『アヴァロン』と蓬莱島。

 真実にたどり着くのはどちらが先か……。

 いつもお読みいただきありがとうございます。


 20220411 修正

(誤)『ゴー研』室長として、メンバーに指示を出す。

(正)『新技研』室長として、メンバーに指示を出す。


(旧)『これですな。……セルロア王国リーバス地方、ウラウ行き』

(新)『これですね。……セルロア王国リーバス地方、ウラウ行き』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] >どのみち『分身人形』で行くのだから、本人に危険が及ぶことはないわけだ。 仁「何しろ、陰謀やら破壊やらの渦巻くセルロア建国記念式典に連れ出そうとして、マーサさんにしこたま   怒られたからな…
[一言] >>3分ほど ハ「某タイマーの通知で切り上げた?」 エ「三文字か四文字か・・・」 >>待つ2体 腐「その隙に・・・・」fns >>ハンナはどうだ? ハ「えっ!?」 エ「本体じゃ無いから大…
[一言] >「うん、全員『分身人形ドッペル』で行けばいいわけだが、俺以外の2人は誰にしよう?」 >『1人はアーノルトさんがよろしいのでは』 (中略) > お供も   自身がオートマタなのd o...一…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ