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マギクラフト・マイスター  作者: 秋ぎつね
80 新たな仲間篇
3054/4351

80-40 まとめ開始

 ところで、ロロナだけは『仁ファミリー』ではないので、ここにマリッカがいるのを見て少し驚いていた。


「あらあ、マリッカさんもメンバーだったのね」

「はい、ロロナ様」

「やっぱり、そうだったのねえ」


 特に問題もなく、いよいよ話し合い……『まとめ』を行うことになった。

 仁が進行役を務める。


「ええと、ここでまとめた『歴史の真実』は、一部はおそらく当分秘することになるだろう」


 『始祖(オリジン)』についてを公表するまで、と仁は言った。


「始まりは、『負の人形(ネガドール)』からになるかな? それとも『始祖(オリジン)』からにしようか?」

「いや、『始祖(オリジン)』からはよしたほうがいいと思うな」

「私もそう思うわ」

「僕もだ」


 それを作った『始祖(オリジン)』から、という始め方もあるが、それではあまりに冗長になりすぎる、と皆は判断した。

 それで、『始祖(オリジン)』はサラッと流して、陰謀の主、『デキソコナイ』こと『負の人形(ネガドール)』から始めることにしたのである。


「では、われから語らせてもらおう」


 同じく『始祖(オリジン)』によって作り出された『長老』ターレス=700672号がまず口を開き、過去を語りだした……。


*   *   *


 アルス人類の祖は、惑星『ヘール』からやって来た『始祖(オリジン)』と呼ばれる民族である。

 『始祖(オリジン)』は進んだ魔法技術を持っており、下僕しもべとして『人造人間(ホムンクルス)』を作って使役していた。


 ほとんどの『人造人間(ホムンクルス)』はヘールで作られたものだったが、アルス上で作られた『人造人間(ホムンクルス)』もいた。その数、13体。

 しかし、どういうわけか望んだようなものにはならなかったのである。

 『始祖(オリジン)』はそれらを『デキソコナイ』と呼び、それらは全て廃棄されたのである。


 しかし。


 廃棄をまぬがれた『デキソコナイ』が2体いた。

 1体は自らを『負の人形(ネガドール)001』と呼び、『人間』に恨みをいだいていた。

 もう1体は自らを『13号』と呼んでおり、同じく『人間』に恨みをいだいている。

 そして2体は、復讐のためにいろいろ策を弄したのだ。


 その1つが『魔導大戦』であった。


 アルス人類は『始祖(オリジン)』の血を引く子孫。

 『デキソコナイ』の復讐の矛先はアルス人類全体に向けられた。

 だが、『デキソコナイ』だけで人類全体を相手にするのは事実上不可能。

 そこで、間接的な方法を模索する。


 その1つが、大陸暦3151年から始まり、3155年に終わった『魔導大戦』である。開戦から中期くらいまでは『対魔族戦争』と呼んでいた。


 『デキソコナイ』が、当時『魔族』と呼ばれ、自称してもいた現『北方民族』をそそのかし、ローレン大陸の国々に戦争を仕掛けさせたのである。

 そのために食糧危機や人種差別意識をあおり、『魔族』と『人類』(この呼称は間違いであるが、魔導大戦時はそう呼ばれていたので、ここでも以後それにならうことにする)を対立させたのであった。


 人口的には、『魔族』は『人類』の10分の1にも満たなかった。

 だが『魔族』は、数の不利を補って余りあるほどの魔導的優位性を持っていた。

 肉体強化魔法、転移魔法、隷属魔法、重力魔法などがそれである。

 このため、ローレン大陸の『人類』は、次第に劣勢に追い込まれていく。


 全て、『デキソコナイ』の望んだとおりであった。


*   *   *


「……どうかな? われの知るところからいくらかの推測も交えて再構成してみたのだが」


 『長老』が語り終えると、小さな拍手が起きた。


「とてもわかりやすかったですよ、ターレスさん」

「ええ。お疲れ様」

「ジン殿とマリッカ様にそう仰っていただけると嬉しいですな」


 『長老』ターレスはうっすらとほほ笑みを浮かべたのだった。


「では、今度は私が、知っていることをまとめてお話しいたしましょう」


 次に口を開いたのはエレナである。

 そしてアーノルトも立候補する。


「僕も、その頃のことはよく知っています。エレナさんと一緒にまとめてみましょう」


*   *   *


 当時のローレン大陸には、ディナール王国という超大国が君臨していた。

 首都は、今のセルロア王国の首都エサイアと同じ場所で、名前も同じエサイア。


 ただ、今現在のように、幾重にも城壁で囲まれるようになったのは『魔導大戦』後期である。

 『魔族』の侵攻を防ぐため、多重城壁、という特異な構造になったのである。


 北の大陸である『ゴンドア大陸』に、魔法にけた異民族が住んでいるということは知られていた。

 極稀ごくまれではあるが、ローレン大陸にやって来て『人類』と交わって暮らす者もいたからだ。


 その魔法は特殊で、『人類』には使えないものばかりだった。

 そこで、誰言うともなく『魔法にけた種族』ということで『魔族』と呼ばれることになったのである。

 決して『魔物』と同列の人間という意味で『魔族』と呼ばれたわけではない。


 が、そんな認識は『魔導大戦』が勃発ぼっぱつしてからは一新され、『悪魔のような種族』=『魔族』、あるいは『知性のある魔物』が『魔族』であるということになったのである。


 彼ら『魔族』の目的は2つ。

 『食糧』と『豊穣な土地』である。

 北の大陸はその気候から言って豊穣な土地とは到底いえず、従って食糧生産にも向かない。

 『魔族』が南を目指すのもむべなるかな、である。


 彼ら『魔族』の侵攻ルートも2つ。


 『パズデクスト大地峡』を通って南下してきた彼らは二手に分かれる。

 1つは今でいう『旧レナード王国』側を回り込んで南下するルート。

 もう1つは今でいうフランツ王国西部を南下するルートだ。

 もちろん、他の場所でも小競り合いはあったが、本隊と思われる大部隊が南下してきたのは前記の2箇所だけである。


 そして最も激しい戦いが行われたのは、現代でいうセルロア王国西部である。


 西を国境の山々に遮られた広大な平野。

 今でいう『ボロロン荒野』は『魔導大戦』中期の主戦場であった。


 ちなみに『黄金の破壊姫』エレナが戦場で敵味方の区別なしにゴーレムを切り裂いていたのはこの頃である。


 『まとめ』は順調に進んでいった。

 いつもお読みいただきありがとうございます。


 20210823 修正

(旧)

 ところで、ロロナだけは『仁ファミリー』ではないので、若返ったマリッカを見て驚いていた。


「あ、あなた、マリッカさんよね……?」

「はい、ロロナ様、ご無沙汰してます。……簡単に申し上げますと、この身体は作り物で、私の生前の記憶を全て記憶させてあるのです」

「まあまあ、そうだったの」


 この説明でロロナは完全に納得したようだ。さすがの適応力である。


 問題はなくなったということで、いよいよ話し合い……『まとめ』を行うことになった。

(新)

 ところで、ロロナだけは『仁ファミリー』ではないので、ここにマリッカがいるのを見て少し驚いていた。


「あらあ、マリッカさんもメンバーだったのね」

「はい、ロロナ様」

「やっぱり、そうだったのねえ」


 特に問題もなく、いよいよ話し合い……『まとめ』を行うことになった。


*マリッカ、77-19で若返って家にいますからね……orz


 20210827 修正

(旧)人口的には、『魔族』は『人類』の100分の1にも満たなかった。

(新)人口的には、『魔族』は『人類』の10分の1にも満たなかった。


 20220330 修正

(旧)だが、『デキソコナイ』1人で人類全体を相手にするのは事実上不可能。

(新)だが、『デキソコナイ』だけで人類全体を相手にするのは事実上不可能。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] > 廃棄を免まぬがれた『デキソコナイ』が2体いた。  (中略) > そして2体は、復讐のためにいろいろ策を弄したのだ。  (中略) > だが、『デキソコナイ』1人で人類全体を相手にする…
[一言] こうして振り返ってみると、この物語ってすでに大河物語レベルですよね 登場人物の生まれの年代みると、歴史小説名乗っても良いレベル ジ「これだけ長生きなキャラが出てくるのって少ないかもな」 礼…
[良い点] 80-40 まとめ開始 更新ありがとうございます。 [気になる点] 魔族の定義の変遷が面白いです。 [一言] 分かりやすくていいですね。 次回の更新も、楽しみにしております。
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