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マギクラフト・マイスター  作者: 秋ぎつね
75 後始末篇
2844/4357

75-24 やっぱり1泊することに

 結局、仁とマリッカは『オノゴロ島』に1泊することとなった。


「礼子、老君に連絡しておいてくれ」

「はい、お父さま」


*   *   *


「ジン様! 見てくれた!?」


 控室に行くと、ルビーナが駆け寄ってきた。


「ああ、途中からだったけどな。凄かったぞ。シュウもな」

「ありがとうございます」


 同じ控室にはシュウ・ニドーもおり、こちらは礼儀正しくお辞儀をした。


「今日は『アヴァロン』へ行ってきた帰りなんだ」

「あ、そうなんだ。エイラさんたちのところ?」

「そういうこと。ルビーナやグリーナ、フレディなんかのことを聞かれてな。それで帰りに立ち寄ったというわけさ」

「そうだったんだ。……あの人たちも何か開発しているの?」

「もちろん。……そういう話はここじゃなんだな……」


 仁がそう言うと、トライハルトが、


「そうですね。では、ご一緒に夕食を」


 と言ってくれたので、場所を移すことにした。


 仁、礼子、マリッカ、ルビーナ、シュウに加え、決勝戦には出られなかったが、準決勝まで進んだグリーナ・クズマ、シーリーン・エッシェンバッハも一緒だ。


「みんな、長足の進歩を遂げたみたいだな」


 仁は子孫たちの成長を嬉しく思ったのである。


*   *   *


 まずは風呂で汗を流してから夕食ということになった。

 トライハルトが気を使ってくれて、仁は1人ゆっくりと湯に浸かることができている。

 大浴場で和気あいあいと入浴するのもいいが、今日は色々あって疲れたので、1人のんびり湯を楽しみたかったので、この配慮は嬉しかった。

 礼子も、今回は脱衣所で待機してくれていた。


(……楽しそうだったなあ……俺もやってみたかった)


 とにかく、それが仁の正直な感想であった。


(次があったら誘ってもらおう)


 とも。


 一方、マリッカは大浴場でルビーナ、グリーナ、シーリーンらと寛いでいたのである。


*   *   *


 夕食は、こういうときのために整備した迎賓館で行われた。

 ただし献立は仁の希望で、派手ではないものとなる。


 今夜は寿司。

 寿司専門の自動人形(オートマタ)が握ってくれる。

 畳敷きの座敷で大きな漆塗りの座卓を囲んでの食事だ。


 仁が好きなのは『カッパ巻き』『玉子』『ヤリイカ』『ハリブー(ヒラメ)』、『マグロ赤身』それに『稲荷』。

 マリッカは『玉子』『トレバー(アジ)』『ヤリイカ』『ハリブー』『イクラ(メジカ=鮭の卵)』など。

 ルビーナは『玉子』『ブリ』『ホタテ』『フコ(スズキ)』『マグロ赤身』など。

 シュウは『トレバー』『ヤリイカ』『ハリブー』『ホタテ』『イクラ』。

 グリーナは『かんぴょう巻き』『玉子』『ハリブー』『トレバー』『フコ』。

 シーリーンは『カッパ巻き』『玉子』『ヤリイカ』『ホタテ』『イクラ』『中トロ』。

 トライハルトは『カッパ巻き』『ヤリイカ』『ホタテ』『フコ』『ハリブー』『大トロ』など。

 そしてスザンヌは『かんぴょう巻き』『玉子』『ホタテ』『イクラ』『稲荷』などである。


「寿司もなんだか久しぶりだ」

「たくさん召し上がってください」


 欲しいネタを頼むとすぐに握ってくれるという。

 未成年者がいるのでアルコール類はなし。

 それでも、雰囲気がいいので話が弾む。


「……というわけで、気嚢の中に物理障壁(ソリッドバリア)を形成して、中を真空にしても潰れないように工夫していたんだ」

「ふうん……すごい発想ね。ジン様、それってエイラさんのアイデア?」


 仁の説明に、ルビーナが関心を示す。


「そうだってさ。……それで彼らと話をしていた時にルビーナやグリーナ、フレディの話も出たんだよ」

「あー、そうだったのね。……グリーナ、残念だったわね」

「ん? 何でだ?」

「あ、ええとね……」


 グリーナをからかうようなルビーナのセリフに、仁が質問すると、フレディは今カイナ村に帰っているのだそうだ。


「年末年始でいろいろ忙しいようです。エリスさんはカイナ村の領主様ですし、フレディはその孫ですから」


 と教えてくれたのはグリーナだった。


「ああ、そうだよな。カイナ村か……昔の行事が残っているとすると、年末年始は忙しいだろうな……」


 400年前、仁が領主をしていた頃に始めた、煤払いやら餅つきやら除夜の鐘(鐘といっても、二堂城で鳴らす)やら年越しそばやら初日の出やら初詣はつもうでやら書き初めやら……要は日本風の行事の準備や指導があるというわけだ。


「その分、グリーナが頑張ったけどね」

「な、何言うのよ、ジン様とマリッカ様の前で!」


 ルビーナにからかわれて顔を赤くするグリーナが初々しかった。


「そう言えば、今回の……戦闘機? 競技は誰のアイデアなんだ?」


 これにはトライハルトが答えてくれた。


「ルビーナとシュウ、それにナタリアがアイデアを出してくれまして、皆でそれを昇華させました」

「そうだったか。なかなか……いや、凄く面白かったよ。ああ今回からかい?」

「あ、いえ、2回めです。前回はバトルロワイヤル方式にしたんですが、混沌としてしまって……」

「飛行機同士がぶつかって墜落したものね」

「……まあ、そうかもなあ」


 それで今回は1対1のトーナメントになったのだという。


「ただ、上空でバトルをされると、観客には見えにくいだろう?」

「そうなんですよね。模型ではなく実機ですので大きさはいいのですが、やはり距離が……」

「そこは、小型機に『魔導監視眼(マジックアイ)』を付けて飛ばし、撮影させたものを大型魔導投影窓(マジックスクリーン)に映すとかすればどうかな」

「あ、それいい! ジン様、作ってくれますか?」


 アイデアを出したらルビーナがおねだりをしてきた。


「うーん、材料さえあれば作ってもいいぞ」

「ほんと? ありがと、ジン様!」

「済みません、ジン様。お願い致します」


 トライハルトが済まなそうに頭を下げたが、仁としては作ること自体に文句はまったくない。


「それじゃあ、明日の朝にでも」

「よろしくおねがいします」


 そういうことになった。


 そして仁からも要望を出す。


「次回、同じような競技をすることになったら教えてくれ」


 と。


「スケジュールが合えば、俺もゲスト参加してみたいから」


「わあ、ジン様と競えるなんて光栄です!」

「本当ですね。また頑張らなくちゃ」

「やる気出るわ!」

「わかりました。手配しておきます」


 そんな風に、和やかな雰囲気で『オノゴロ島』の夜は更けていった。

 いつもお読みいただきありがとうございます。


  本日1月26日(火)は14:00に

  異世界でホムンクルスになっていたのでスローライフを目指す

  https://ncode.syosetu.com/n8402fn/

  を更新します。

  こちらも応援のほどよろしくお願いいたします。


 20210126 修正

※ハリブー(ヒラメ)/トレバー(アジ)/イクラ(メジカ=鮭の卵)/フコ(スズキ)

 の注釈を、最初の1つだけとしました。


(誤)ただし献立は仁の希望で、派手でではないものとなる。

(正)ただし献立は仁の希望で、派手ではないものとなる。

(誤)

 ルビーナは『玉子』『ブリ』『ホタテ』『フコ(スズキ)』『マグロ赤身』など。

(正)

 ルビーナは『玉子』『ブリ』『ホタテ』『フコ(スズキ)』『マグロ赤身』など。

 シュウは『トレバー』『ヤリイカ』『ハリブー』『ホタテ』『イクラ』。


 シュウが抜けてました……ごめんなさい。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] > 今夜は寿司。  寿司専門の自動人形オートマタが握ってくれる。  畳敷きの座敷で大きな漆塗りの座卓を囲んでの食事だ。 > 仁が好きなのは(以下略) いちいち全員分の好みの寿司並べ…
[良い点] >「あ、いえ、2回めです。前回はバトルロワイヤル方式にしたんですが、混沌としてしまって……」 >「飛行機同士がぶつかって墜落したものね」 そして、決勝戦再戦の結果。 うん、航空管制の重…
[一言] 見ごたえはあってもやはり大スクリーンに映して、の方が分かりやすいよね 後は解説者とかいれば…… しかし、確かに面白そうだなあw 一定条件で作成となると、仁でも上回られる可能性があるのがこうし…
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