第5話 他校の生徒
翌日の火曜日、昼休み音楽室に進藤さんと明智さんは向かった。
途中明智さんから日曜に来ていた他校の生徒は
○○高校の剣道部だったと聞いた。
生徒会に行って確かめたらしい。
おかしい。
明智さんが事前に調べておくだなんて。
音楽室に着くと、明智さんは床に這いつくばり
虫眼鏡で観察を始めた。
時折頭を捻り、また観察。
しばらくすると頭をかきだしたかと思うと、
壁に向かって逆立ちをした。
「明智さん何してんですか?」
しかし、それには何も答えず、
また観察。
そしてようやく口を開いたと思ったら
「うちのかみさんがね~」と明智さんが言うので
「あなた高校生でしょ」と思わずツッコんでしまった。
「それで何かわかりました?」と進藤さんが聞くと
「何もない」と明智さん言った
進藤さんが、がっくりしてると
「何もないのがおかしい」と
「どういう意味ですか?」
「例えばバスドラムを運ぶとき、
台車を使ったとすれば痕跡が残る。
しかし、そういったものは一切ない。
複数人、もしくは別の手段だろう」
進藤さんはこの人本当に明智さんだろうかを疑った。
となると他校の生徒か工事の業者か。
大石さん・田中君・別の生徒かそれとも名倉君では
1人では目立つだろう。
考えてみれば台車は1階の体育館か、外の用具入れにしかない。
「明智さん」と言うと
皆まで言うなと手で制して、
他校の剣道部の様子を知るために、体育館に向かい
我が校の剣道部に話を聞くことなった。
剣道部の滝沢部長がいたので時間をもらった。
「少し話をいいですか?日曜○○高校と試合をいましたよね」
と明智さん
「そうだけど、それが?」
「それは何時ごろ?」
「午前中だよ。試合は10時前からかな」
「いつ終わりました?」
「昼前には練習試合は一通り終わったね」
「その後○○高校の人達はすぐに帰りました?」
「う~ん。水を飲みたいとか、
トイレに行きたいっって言ってたな。
だから試合終わってもなんだかんだで30分はいたんじゃないかな」
「その○○高校の人達は帰る時に大きい荷物は持っていましたか?」
「大きい荷物?剣道着とか持ってきてたから、
大きいバッグは持ってきてたよ。竹刀はうちで貸したから」
「剣道着以外は?」
「余計なものを持つ余裕は誰もないと思うよ」
明智さんが礼を言い話は終わった。
どうやら○○高校の人達が持ち帰ったというのは無さそうだ。
ただ、校舎には行っているので、
いたずらで隠すとかは出来そうだけど、
そんなことするかなと進藤さんは思った。
体育館を出る時にそのことを明智さんに言うと、
「まあ収穫はそんなところだな。
後は昼前から30分ぐらい自由にしてたってところか」
と明智さん
「時間に関しては古市さんの証言と一致しますね」
と言うと、明智さんは驚きメモを見始めた。
「!? そうだな……」
どうやら気づいていなかったらしい。
「工事業者の方はどうします?」と進藤さん
「職員室で先生方に聞くしかあるまい」
2人で職員室に向かった。




