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35話 黒幕
「……できないっ!」
ただの兄の友達。けれど、一緒に旅をしてきて、彼女とは不思議なくらい馬があったのだ。
もう、ラトソルはリリエッタの"大切な人"と化していた。
「できないよ……⬛︎⬛︎様……!」
その名を呼んだ須臾、かつてない感覚がリリエッタを襲った。"予感"の時の不思議な感覚を数百倍したかのような、気持ち悪さを覚えるような感覚。気づけば、リリエッタは一人、白い世界に立っていた。
白。眩暈を覚えるような白の中に、ソレはいた。
「こうして直接話すのは初めてだね。——リリエッタ」
今まで声を通して"予感"を与えていた存在が、その姿を表した。




