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31話 星の輝きⅦ
デルタとヴァルドが倒れ、戦場には星輝の残光と深淵の残滓だけが漂っていた。
だが、終末時計オークル・マーサはまだ健在だった。
「……二人を倒したか。ならば、私も本気を出そう」
マーサが掲げる巨大な砂時計が、低く唸りを上げる。
砂が逆流し、時間が歪む。
ラトソルの星輝がそれを押し返すように輝いた。
「レオン、ここは私がやる。下がって」
「でも——」
「大丈夫。もう十分戦った」
レオンは悔しげに唇を噛んだが、ラトソルの背中を信じて一歩退いた。
次の瞬間、時間と星光が激突した。
砂時計の針が狂ったように回転し、周囲の時間が伸び縮みする。
ラトソルの動きが遅く見えたかと思えば、一瞬で加速し、星光がマーサの肩を焼いた。
「……やるな、星輝の支配者」
「あなたの時間操作……厄介だね」
互いに一撃ごとに命を削るような攻防が続く。
星光が砂を焼き、砂が星光を削る。
どちらも一歩も引かない。
やがて、マーサの砂時計に亀裂が走った。
「……限界か」
「私も……そろそろ限界だよ」
ラトソルの星輝も、輝きが不安定に揺らいでいた。
それでも、彼女は最後の力を振り絞る。
「星の行進——終章」
「終末時計——最終刻」




