第二章、訪れるは孤独な地底世界 ⑧
【第八話、交渉】
ドアを開けて中に入る。
中にはこいしはいなくやはり僕も
見えなくなってしまったらしい。
「…すまないな、邪魔して」
「…いや、大丈夫よ。それで、貴方は?」
「あぁ、そのことなんだが髪が赤く黒い服を
着た女の子から何か聞いていないか?」
「あぁ、貴方が私に話があるっていう…」
どうやらあの子はちゃんと言ってくれたようだ。
「じゃあ、そこの椅子にでも座って。
今、お茶をいれるから」
「あぁ、ありがとう」
さとり妖怪がお茶をいれてくれている。
僕が話すのは鬼の移住許可とヤマメとの約束。
それからこのさとり妖怪を救うことだ。
「…そういえば名前を言ってなかったな。
鬼怒だ。 よろしく」
「【古明地さとり】よ。 お茶、どうぞ。
…それで話ってなにかしら」
「あぁ、単刀直入に言うが、さとり。
妖怪の山の鬼は知ってるか?」
「ええ、もちろん。
忘れることはないわ」
「その鬼達は今、幻想郷という土地をいるだけで壊してしまう。
だから、この地底に移住させたいんだ。
その許可をこの地底の管理者のさとりにお願いしたい」
「…鬼をこの地底に?」
「あぁ、そうだ。 頼む」
頭を下げる。 こいしたちは間違いなく被害者だろう。
里を鬼に壊されて、その鬼を住ませてくれと人間にお願いされてる。
でも、それしか方法はなかった。
「……ふざけるな…」
「頼む、さとり」
「ふざけるなよ!!!」
「鬼を地底に住まわしてほしい?
なんで私たちが地底で生きてきたと思ってるんだ!
こいしのサードアイが潰れたのは何故だ!
お前たち、人間なんだよ!!
お前たち人間が私たちをこの地底に閉じ込めたんだ、
そんな人間が鬼を住まわしてほしいだと!?」
…さとりの言うことはもっともだ。
僕たち人間がこんなお願いをするのは間違ってるのだろう。
もう…さとりは正気じゃない。
邪悪な形容しがたい力が溢れている。
おそらくこれが人間の怒り、恨み、恐怖の力なんだろう。
さて、今回は本当に【死ぬ】かもな、はは。
「さとり。
僕たち人間は確かにひどいことをした。
そんな僕たち人間がお願いをするなんて怒るのも分かる。
だけど……本当にひどいのはさとりじゃないか?」
「…どういう意味?」
「こいしが一人で今まで生きてたのは誰のせいだ?
ヤマメとパルスィの仲を裂いたのは誰だ?
今までこの地底を維持するためにどれだけ殺してきた?
……さとり、本当にひどいのはどっちなんだ?」
…もう、これしかない。
さとりはもう話し合いができる状態じゃない、
だから……戦うしかないんだ。
「お前が…人間が分かった口をきくな!!!」




