表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
6/33

証明書をもらう。


久能詩子と別れたあと。


朝霧は大変にもたついたものの、推定九大家と忖度した周りの人々に助けられながら、なんとか性転化を診察できる医師の所へたどり着くことが出来た。


医師の名は名護といい、草井医師とは腐れ縁とのこと。名護はどうやら草井から事前に連絡をもらっていたらしく、彼に出会えてからは非常にスムーズに事が運んだ。


ボロアパートから以前の自分の毛髪を持ってきていたのでそれを提出。以前の髪はごっそり生え変わっているらしく、大量にあったので採集は簡単だった。ちなみに以前は天パだったのだが、今はサラサラな直毛なので、違いはわかりやすい。


そして。

血液検査等、各種検査を終え、今は検査結果を待っているところだ。

とはいえ、朝霧は彼女の祖母とそっくりなので、血の繋がりは明らかだ。

ただ、家族の誰にも似ていないのでやはり証明は必要である。

ちなみに朝霧の母、朝月は祖父似の凛々しい美人で、姉は母似、弟は父似である。


「…ふぁ」


待合室のベンチであくびをする朝霧は、そのままウトウトして寝落ちしてしまうのであった。


ーーーー


「はい、九醸朝霧さん。あなたの本人証明書です」


「ありがとうございます」


あれから朝霧はなんと三時間寝ていた。

気がついた時はベットの上で丸まって寝ていたのだ。

ベンチでヨダレを垂らしながら寝ている朝霧を周りの人が見かねてベットに移したのだ。看護婦さんが一人でも運べる程軽い朝霧は移動も楽勝である。

その間に検査も終わったらしい。

この大学病院には遺伝子検査機関もあり、スムーズに検査が出来たのだ。九大家なので優先されたというのもある。


そして検査により、九醸朝霧本人であると証明された。

この検査には朝霧の父、八切も密かに関わっているのだが、それは別の話とする。


「この証明書を持って、三御坂区の区役所に行ってください。あそこなら性転化にも対応してくれます。連絡もしておきますからね」


「ありがとうございます」


色々な検査結果が書いてある書類を受け取り封筒にいれる。書類には難しい事がいっぱい書いてあり、朝霧にはサッパリだったので速やかにしまった。


「さて、いくつかお話ししておく事があります」


「はい」


名護は性転化について、今後の事を説明する。

月に一回は定期受診をすること、初潮が始まったら念のため直ぐにくること、不調があったら我慢せず相談にくること、など…


色々な事を説明されたが、物覚えの悪い朝霧は半分も覚えられなかった。

だが、とりあえず「困ったらここにくる」という事は覚えた。


「あと、もう一つ、性格の変化について」


「はい」


そして最後に、名護は性格の変化について触れる。


曰く。

この「未起動遺伝子の覚醒による性格や性質の変質」は決して良い面だけでは無いとのこと。

遺伝子の覚醒による突発的な能力や性質の開花は、生来持っていた性質と違い体に馴染んでいない。

意識や思考が、新規の性質や能力に対して自覚的ではないため、持て余したり不具合を生じたりするのだ。

そう言った、感覚の違いを念頭に置いて生活するように、とのアドバイスであった。


「なるほど、わかりました」


朝霧は全然ピンときていなかったが、「とりあえず、なんかおかしいんだな」と部分的に理解した。


「あと、困ったら遠慮なく草井を頼りなさい。あいつはここで長いこと救急をやっていたから、大概のことには対応してくれるよ」


「わかりました。そうします」


草井医師は頼りにしていいと覚えた朝霧は、ようやく検査を終えて病院を出るのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
これでとりあえずは一安心ですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ