↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
36/81

第29話 8日目、魔剣のテスト


 翌朝――


 俺たちはマオから譲り受けた魔剣を試すため、湖の東側――大草原との境界まで戻ってきていた。


 広く開けたこの場所なら、魔剣の威力を思う存分試せる。


 その前に今の能力値を確認しておこうと、良太が【ネットショッピング】の『鑑定』機能を起動した。


「まず、これが現在の先輩の能力値です――」


 ―――――――――――――――


 吉原 拓海 Lv.63 (Next209,906 / 500,000)

 HP:4800 (100+3100+1600)

 MP:4800 (100+3100+1600)

 STR:648 (10+62+144+432)

 DEX:648 (10+62+144+432)

 VIT:1098 (10+50+62+244+732)

 AGI:648 (10+62+144+432)

 INT:648 (10+62+144+432)

 MND:648 (10+62+144+432)

 LUK:648 (10+62+144+432)


 ※括弧内の数値は、基本値と、魔剣やレベルアップ、称号などによる各種ボーナスの内訳を表す。


 ―――――――――――――――


「またずいぶんと成長したな。HPとMPは、もう五千近くか……VITが千を超えているぞ」


「先輩はVIT、僕はMNDだけ千を超えていますね。先輩の【テラブレイカー】は土属性だからVIT、僕の【タイダルロッド】は水属性だからMNDの基本値が、それぞれ50上がっています」


「魔剣を持っているだけで、基本ステータスまで上がるのか」


「僕らは称号の効果で基本ステータスがさらに乗算されたりもするので、この50はかなり大きいですよ」


「たしかにな」


「続いて魔剣の説明ですが、まず僕の【タイダルロッド】から読むと――」


 ───────────────


【タイダルロッド】


 Sランク魔剣。


 タキタロウのSランク魔核とアダマンタイト製強化シャフトを融合させた、水属性の魔剣。


 所有者の魂と紐づけられており、念じるだけで自由に召喚・収納できる。


 魂に紐づけている間、所有者のMNDの基本値に+50。


 固有魔法【タイダルバースト】


 極限まで圧縮した高圧水流を放ち、強固な対象すら切り裂く。


 威力は所有者のINT(魔力)に比例して上昇する。


 発動にはMP(魔力総量)を消費する。


 完全不壊。


 ───────────────




「――とあります。それで、先輩の【テラブレイカー】は――」


 ───────────────


【テラブレイカー】


 Sランク魔剣。


 ベヒーモスのSランク魔核とアダマンタイト製強化シャフトを融合させた、土属性の魔剣。


 所有者の魂と紐づけられており、念じるだけで自由に召喚・収納できる。


 魂に紐づけている間、所有者のVITの基本値に+50。


 固有魔法【グランドブレイク】


 大地を砕き、岩槍と衝撃波を発生させる土属性魔法。


 威力は所有者のINT(魔力)に比例して上昇する。


 発動にはMP(魔力総量)を消費する。


 完全不壊。


 ───────────────


「――とあります」


 良太はタブレットから顔を上げると、真面目な表情で続けた。


「今まで上げてきたMPとINTが、ここで活きてくるわけですが……その前に、固有魔法の性能を把握しておく必要があります」


「性能?」


「はい。たとえば――」


 良太は指を一本立てた。


「対象一体だけを狙う単体魔法なのか」


 二本目の指を立てる。


「前方へ広がる範囲魔法なのか」


 三本目。


「それとも、大精霊トールみたいに周囲三百六十度を吹き飛ばすタイプなのか……そこを確認しておかないと危険です」


 言われてみれば、その確認は必要だ。


「なるほど」


「単体だと思って使ったら、後ろまでまとめて吹き飛ばした……なんてことになったら、笑い話じゃ済みませんから。さすがに使用者まで巻き込むことはないと思いますけど……」


 良太は苦笑しながら、自分の右手へ視線を落とす。


「そこは、マオちゃんを信じるしかありませんね」





 ◇ ◇ ◇





「じゃあ、まずは安全第一だな」


 俺は周囲を見渡した。


 どこまでも草原が広がり、レーダーにも赤い反応は映っていない。


 それでも念のため、二台のランクルを百メートルほど離して停車させた。


「良太、お前は二号車で待機してくれ」


『了解です。何かあったらすぐ連絡します』


 良太を見送ると、俺は一号車から離れ、大草原の中へ歩き出した。


 車から十分に距離を取ったところで足を止める。


 ここなら、万が一魔法が予想以上の威力だったとしても、被害は最小限で済むだろう。


 ――【テラブレイカー】。


 次の瞬間、目の前の空間が淡くゆらぎ、黒褐色の金属で作られた重厚な戦杖が姿を現す。


 その柄が、吸い寄せられるように俺の右手へ収まる。


 手にした瞬間、大地そのものを握ったような、重く力強い魔力が腕へ伝わってくる。


「……これが、【テラブレイカー】か」


 軽く振ってみる。


 見た目ほど重くはない。それどころか驚くほど手になじみ、初めて手にした武器とは思えないほど自然に扱える。


 いったん一号車へ戻ると、無線から良太の声が聞こえてきた。


『先輩、準備できましたか?』


「ああ」


『それじゃあ、まずは射程と攻撃範囲がどうなるか確認しましょう』


「了解」


 再び車を離れ、大草原へ立つ。


 前方へ目を向け、狙う方向をしっかりと確認する。


 一度息を整えてから、戦杖を両手で握った。


 その石突きを正面の大地へ勢いよく突き立てる。


「――【グランドブレイク】」


 魔法名を口にした瞬間、黒褐色の戦杖が淡い黄金色の光を帯びる。


 同時に、体の奥底から何かが一気に吸い上げられるような感覚が走った。


 ……これがMPを消費する感覚か!


 直後――


 ズゥゥゥン……。


 足元から腹の底まで揺さぶるような重低音が、草原一帯へ響き渡る。


 石突きを打ち込んだ地点から、一本の巨大な地割れが前方へ向かって走り出した。


 一直線。


 ただまっすぐに。


 草原をえぐりながらすさまじい速度で前方へ突き進み、裂け目は見る間に百メートル以上先まで伸びていく。


「なっ……!」


 あまりの速さに、目で追うのがやっとだった。


 そして――


 ドゴォォォォォォンッ!!


 地割れの先端で大地が爆発した。


 大量の土砂が噴き上がり、その中心から何本もの巨大な岩槍が一斉に天へ突き出す。


 一本ではない。


 二本でもない。


 十数本もの岩槍が広範囲に乱立し、周囲の草原を根こそぎ吹き飛ばした。


 土煙は何十メートルもの高さまで立ち昇り、爆風が遅れてこちらまで押し寄せてくる。


「……っ!」


 思わず腕で顔をかばう。


 数秒後、ようやく土煙が薄れ始める。


 その向こうには巨大なクレーターと、岩山のようにそびえ立つ岩槍群だけが残されていた。


 俺はいったん一号車へ戻り、運転席へ滑り込む。


 すると、無線から良太の慌てた声が飛んできた。


『先輩っ!? 大丈夫ですか!?』


「あ、ああ……それより、前を見ろ」


『見てます……』


 しばらく沈黙が流れたあと、良太が小さくつぶやく。


『……これ、想像の十倍はヤバいです』


 俺も同じ感想だ。


 百メートル以上離れた場所が、たった一発であの有様になった。


 もし魔物ではなく、人や街へ向けて放っていたら――


 そう考えただけで背筋が寒くなった。


「良太」


『はい』


「最初に検証しておいて正解だったな」


『ええ。これはもう、気軽に使っていい魔法じゃありません』


 俺は黒褐色の戦杖――【テラブレイカー】を見下ろす。


 あれだけ強力な魔法を放ったというのに、戦杖そのものには何の変化もない。


「……とんでもないものをもらったな」





 ◇ ◇ ◇





 しばらくすると、百メートルほど離れた場所に停めてあった白いトゥループキャリアが、こちらへゆっくりと走ってきた。


 地割れの手前で停車し、良太が運転席から降りてくる。


「近くで見ると、とんでもないですね……」


「ああ。これがSランク魔剣の固有魔法か」


 良太は巨大な地割れと、その先に乱立する岩槍を見比べながら、タブレットに検証結果を書き込んでいく。


「ドラレコの映像をあとで見返せば、射程や岩槍が発生した位置も詳しく確認できますね」


「そうだな」


 一通り書き終えた良太がタブレットの画面を消す。


「じゃあ、次は僕が試してきます」


「ああ。ただし、今度は違う方向へ撃ってくれ。同じ場所だと結果がわかりづらい」


「了解です」


 良太は再びトゥループキャリアへ乗り込み、地割れから大きく離れる方向へ走っていった。


 俺も一号車へ戻る。


 レーダーを確認してみるが、周囲に赤い反応はない。


 これだけ何もない大草原なら、多少とんでもない魔法をぶっ放しても問題はないだろう。


 ……さっきの【グランドブレイク】を見る限り、多少で済むかは怪しいけどな。


 やがて二号車が十分に離れた場所で停車する。


『先輩、聞こえますか?』


 無線から良太の声が届いた。


「ああ。聞こえてる」


『こっちも周囲に反応なしです。それじゃあ、撃ってみます』


「了解。気をつけろよ」


『はい』


 それから良太が運転席から降り、改めて周囲を目で確かめたあと、何もない草原へ向かって歩いていく。


 俺は運転席から降りると、離れた場所に立つ良太の姿に目を凝らした。


 さすがに細かな表情まではわからない。


 だが、良太が右手を前へ出した次の瞬間、その手に長い杖が現れる。


 あれが――【タイダルロッド】。


 朝日を受けた深い蒼色の杖身が、遠目にも淡く輝いて見える。


 良太が長杖を正面へ構え、何かを叫ぶように口を開く。


 声までは聞こえないが、唱えた魔法は一つしかない。


 ――【タイダルバースト】。


 杖の先端がまばゆい蒼白色の光を放ったその瞬間――


 キィィィィィンッ!!


「うおっ……!」


 甲高い音が大草原へ響き渡る。


 杖の先から放たれたのは、一本の蒼白い奔流だった。


 いや――


 離れた場所から見ている俺には、水というより一筋の光にしか見えない。


 極限まで圧縮された高圧水流が、ほとんど広がることなく草原を一直線に駆け抜けていく。


 ズバァァァァァァッ!!


 その進路に生えていた草が、一瞬で左右へ弾け飛ぶ。


 地面にも細い溝が一直線に刻まれ、その軌跡がすさまじい速度で遠くへ伸びていく。


「……マジかよ」


 思わず声が漏れる。


 その進路上には、偶然にも高さ二メートルはありそうな大岩があった。


 蒼白い奔流が、真正面から大岩へ直撃する。


 ――次の瞬間。


 岩の上半分が、ゆっくりと横へずれた。


「は?」


 一瞬、何が起きたのかわからなかった。


 やがて岩の半分が地面へ滑り落ち、ズシンッと重い音を響かせる。


 ……切れたのか?


 あの大岩が?


 しかも、高圧水流はそこで止まらない。


 大岩を真っ二つに切断してなお勢いは衰えず、そのままさらに先の草原を切り裂いていく。


 やがて蒼白い光が消えると、あとには草原を一直線に貫く長い軌跡だけが残されていた。


「…………」


 俺はしばらく何も言えず、その光景を眺める。


 俺の【グランドブレイク】とは、まるで性質が違う。


 詳しく確認するなら、近くまで行ったほうがよさそうだ。


 俺は一号車へ乗り込み、エンジンをかける。


「……とりあえず、良太のところへ行くか」


 一号車を二号車の横まで走らせて停車し、車外へ出た。


 良太はタイダルロッドを収納し、何とも言えない表情で自分が撃った先を眺めている。


「先輩……これ、ちょっと予想外ですね」


「ああ……」


 俺も良太の隣に並び、改めて草原を見渡す。


 一直線に刈り飛ばされた草。


 鋭利な刃物で削ったようにえぐれた地面。


 そして、その先には真っ二つになった大岩。


「……お前のも十分おかしいな」


 思わず苦笑が漏れる。


「ですね……」


 良太も困ったように笑った。


「先輩の土属性が『大地を砕く』なら、僕の水属性は――」


 良太は一直線に残された跡に目を向けた。


「『切り裂く』みたいです」


「ああ」


 俺もその軌跡を改めて見た。


「しかも、岩まで真っ二つか……」


「近くで確認してみましょう」


「そうだな」





 ◇ ◇ ◇





 俺と良太は、タイダルバーストが通過した跡をたどっていく。


「……これは」


 俺たちの足元には、一直線に刻まれた溝が続いていた。


 草はきれいに刈り払われ、地面も鋭利な刃物で削られたようにえぐれている。


 その溝をたどってさらに進み、先ほど切断された大岩の前までやってきた。


「これか」


 高さ二メートルほどの岩は、中央から真っ二つに切り裂かれていた。


 砕けた様子はまったくなく、切断面は驚くほど滑らかだ。


「……すごい切れ味ですね」


「ああ」


 俺は岩に手を添える。


「水で切ったなんて言われても、信じられんな」


 岩の周囲には大量の水が残り、あちこちに小さな水たまりができていた。


 草も地面もびしょ濡れだ。


「見た目は光みたいでしたけど、ちゃんと水だったんですね」


 良太はしゃがみ込み、水たまりに指を入れる。


「冷たい……少なくとも、見た感じは普通の水ですね」


「大岩を真っ二つにしても、まだ勢いが残っていたってことか」


「みたいですね」


 良太は立ち上がると、改めて一直線に続く斬撃の跡を見渡した。


「先輩の【グランドブレイク】は大地そのものを変形させる魔法でしたけど、こっちは『切る』ことに特化している感じですね」


「ああ。それも、かなり狭い範囲へ威力を集中させるタイプだな」


 俺と良太は顔を見合わせ、小さくうなずいた。


「これは、あとでドラレコも見返して細かく確認してみよう」


「そうですね。射程や消費MPも含めて、一つずつ検証していきましょう」





 ◇ ◇ ◇





 魔剣の検証をひとまず終えた俺たちは、二号車も一号車の近くまで戻し、揃って一号車へ乗り込んだ。


 俺は缶コーヒーのプルタブを開ける。


 ――プシュッ。


 一口飲むと、コーヒーのほろ苦い香りが鼻へ抜ける。


「ふう……」


「僕も一本もらいますね」


 良太もブラックコーヒーを取り出し、助手席へ腰を下ろす。


 後部座席では、バハが運転席と助手席の間からひょこっと顔をのぞかせている。


「きゅー?」


「ちょっと今から、さっきの映像を見返すからな」


「きゅっ」


 バハは意味がわかっているのかいないのか、小さく返事をして、おとなしく後部座席にちょこんと座る。


 良太はタブレットを操作し、クロノアの宿るドライブレコーダーの映像を呼び出す。


「まずは先輩の【グランドブレイク】から見てみます」


 映像が再生される。


 上空から俯瞰《ふかん》した映像では、一本の地割れが驚くほどまっすぐ草原を走り、その終点から岩槍が一斉に突き出している。


「……上から見るとわかりやすいな」


「ですね。地割れそのものにも攻撃力はありそうですけど、岩槍が発生するのは終点だけみたいです」


 俺と良太は映像を止めたり、角度を変えたりしながら細かく確認していく。


「次は僕の【タイダルバースト】です」


 映像を切り替える。


 上空から見ると、高圧水流はほとんど左右へブレることなく一直線に飛び、大岩を切断したあとも、しばらく勢いを保ったまま進んでいた。


「上から見ると、ほとんど広がってないですね」


「ああ。高圧の水を、あの細さに絞って撃ち出しているわけか」


「きゅー?」


 バハはタブレットをのぞき込むと、映像よりも俺たちの顔を交互に見つめ、小さく首をかしげる。


「きゅ?」


「大丈夫だよ、バハちゃん」


 良太は笑いながら頭をなでた。


「すごくいい武器だったって確認してるだけだから」


「きゅー♪」


 なでられて満足したのか、バハは目を細め、後部座席の上でくるりと体を丸めた。





 ◇ ◇ ◇





 その後も俺たちは、二本の魔剣でさまざまな検証を繰り返した。


 ドラレコの映像を見返しながら、消費MPや射程、召喚・収納速度、魔法の軌道などを一つずつ確認していく。


 その結果、固有魔法は一度発動すると、途中で軌道を変えられないことがわかった。


 一方で、発動前なら照準はかなり細かく調整できる。


 慣れれば、五十メートルほど先の狙った位置に、正確に魔法を撃ち込むこともできそうだ。


 また、魔剣そのものもただ魔法を放つだけではなかった。


 元になったアダマンタイト製強化シャフトと同様、魔法を使わず、そのまま近接武器として振るうこともできる。


 しかも完全不壊。魔法を使わなくても、十分すぎるほど強力な武器だ。


 結局、俺たちはMPが半分近くになるまで検証を続け、細かな癖や使い勝手もある程度つかめた。


「今日はこのくらいにしておきましょうか」


「ああ。少なくとも、実戦でいきなり使うよりはずっとマシだな」


 魔剣は間違いなく強力だ。


 だからこそ、その力に振り回されないよう、これからも少しずつ扱いに慣れていく必要がある。





 ◇ ◇ ◇





 ――さて。


 検証は終わったが、このまま立ち去るわけにもいかない。


 俺は運転席から、すっかり荒れ果てた草原を眺めた。


 【グランドブレイク】が刻んだ巨大な地割れ。その先にはクレーターと岩槍が残り、少し離れた場所には【タイダルバースト】がえぐった長い溝まで続いている。


「……ずいぶん派手にやっちまったな」


「ですね。さすがに元通りにはできませんけど、少しくらい何とかしてから帰りましょうか」


「ああ。【癒やしモード】を使ってみるか」


 俺は一号車のエンジンをかけ、ハンドルに追加された排気音切り替えボタンを押す。


 ――【癒やしモード(ヒーリング・シンフォニー)】。


 マフラーから響く排気音が、柔らかく澄んだ音色へと変わった。


 その穏やかな響きが風に乗り、傷ついた草原にゆっくりと広がっていく。


「おっ……」


 変化はすぐに現れた。


 吹き飛ばされ、押し潰されていた草がゆっくりと起き上がり、残っていた根からは新しい芽が伸び始める。


 えぐられた地面の縁でも、かろうじて残っていた草がみるみる元気を取り戻し、むき出しになった土の周囲へ緑が戻っていく。


「やっぱり植物にはよく効きますね」


「ああ。地形まではどうにもならんみたいだけどな」


 当然ながら、巨大な地割れやクレーターまで元通りになるわけではない。岩槍もそのままだ。


 それでも、土がむき出しになっていた場所へ緑が戻っただけで、さっきまでの荒れ果てた印象はずいぶん薄くなった。


「まあ、何もしないよりはマシか」


「ですね。あとは時間が経てば、少しずつ自然に戻っていくんじゃないですか」


 しばらく【癒やしモード】の音色を草原へ響かせてから、俺はスイッチを切った。


 地割れも、クレーターも、岩槍も残っている。


 それでも、その周囲には再び青々とした草が風にゆれていた。


「よし。帰るか」


「はい」


「きゅー♪」


 完全に元通りとはいかなかったが、少しだけ緑を取り戻した草原をあとにして、俺たちは再びラズライト湖へ向かった。






 あとがき


 拓海たちは魔剣によってステータスが底上げされています。


【魔剣】

 魂に紐づけた魔剣は、その属性に応じて所有者の基本値を上昇させる。魔剣を【収納】していても効果は継続し、複数の魔剣を魂に紐づけている場合は、その効果が加算される。


 Cランク魔剣:対応ステータス+5

 Bランク魔剣:+10

 Aランク魔剣:+20

 Sランク魔剣:+50

 ※HP、MPへの上昇値は4倍


 火 STR 火力・力

 氷 INT 魔力・魔法演算

 風 AGI 速度・身軽さ

 土 VIT 頑強・耐久

 雷 DEX 器用・精密操作・遠隔命中

 水 MND 精神・魔法防御・回復

 光 HP 生命力

 闇 MP 魔力総量


 魔剣は、魔核と素材を【魔剣創造】で掛け合わせて創る。

 同じ組み合わせでも、元になる素材の品質で個体差がうまれる(ステータスの補正値は変わらない)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。