第29話 8日目、魔剣のテスト
翌朝――
俺たちはマオから譲り受けた魔剣を試すため、湖の東側――大草原との境界まで戻ってきていた。
広く開けたこの場所なら、魔剣の威力を思う存分試せる。
その前に今の能力値を確認しておこうと、良太が【ネットショッピング】の『鑑定』機能を起動した。
「まず、これが現在の先輩の能力値です――」
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吉原 拓海 Lv.63 (Next209,906 / 500,000)
HP:4800 (100+3100+1600)
MP:4800 (100+3100+1600)
STR:648 (10+62+144+432)
DEX:648 (10+62+144+432)
VIT:1098 (10+50+62+244+732)
AGI:648 (10+62+144+432)
INT:648 (10+62+144+432)
MND:648 (10+62+144+432)
LUK:648 (10+62+144+432)
※括弧内の数値は、基本値と、魔剣やレベルアップ、称号などによる各種ボーナスの内訳を表す。
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「またずいぶんと成長したな。HPとMPは、もう五千近くか……VITが千を超えているぞ」
「先輩はVIT、僕はMNDだけ千を超えていますね。先輩の【テラブレイカー】は土属性だからVIT、僕の【タイダルロッド】は水属性だからMNDの基本値が、それぞれ50上がっています」
「魔剣を持っているだけで、基本ステータスまで上がるのか」
「僕らは称号の効果で基本ステータスがさらに乗算されたりもするので、この50はかなり大きいですよ」
「たしかにな」
「続いて魔剣の説明ですが、まず僕の【タイダルロッド】から読むと――」
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【タイダルロッド】
Sランク魔剣。
タキタロウのSランク魔核とアダマンタイト製強化シャフトを融合させた、水属性の魔剣。
所有者の魂と紐づけられており、念じるだけで自由に召喚・収納できる。
魂に紐づけている間、所有者のMNDの基本値に+50。
固有魔法【タイダルバースト】
極限まで圧縮した高圧水流を放ち、強固な対象すら切り裂く。
威力は所有者のINT(魔力)に比例して上昇する。
発動にはMP(魔力総量)を消費する。
完全不壊。
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「――とあります。それで、先輩の【テラブレイカー】は――」
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【テラブレイカー】
Sランク魔剣。
ベヒーモスのSランク魔核とアダマンタイト製強化シャフトを融合させた、土属性の魔剣。
所有者の魂と紐づけられており、念じるだけで自由に召喚・収納できる。
魂に紐づけている間、所有者のVITの基本値に+50。
固有魔法【グランドブレイク】
大地を砕き、岩槍と衝撃波を発生させる土属性魔法。
威力は所有者のINT(魔力)に比例して上昇する。
発動にはMP(魔力総量)を消費する。
完全不壊。
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「――とあります」
良太はタブレットから顔を上げると、真面目な表情で続けた。
「今まで上げてきたMPとINTが、ここで活きてくるわけですが……その前に、固有魔法の性能を把握しておく必要があります」
「性能?」
「はい。たとえば――」
良太は指を一本立てた。
「対象一体だけを狙う単体魔法なのか」
二本目の指を立てる。
「前方へ広がる範囲魔法なのか」
三本目。
「それとも、大精霊トールみたいに周囲三百六十度を吹き飛ばすタイプなのか……そこを確認しておかないと危険です」
言われてみれば、その確認は必要だ。
「なるほど」
「単体だと思って使ったら、後ろまでまとめて吹き飛ばした……なんてことになったら、笑い話じゃ済みませんから。さすがに使用者まで巻き込むことはないと思いますけど……」
良太は苦笑しながら、自分の右手へ視線を落とす。
「そこは、マオちゃんを信じるしかありませんね」
◇ ◇ ◇
「じゃあ、まずは安全第一だな」
俺は周囲を見渡した。
どこまでも草原が広がり、レーダーにも赤い反応は映っていない。
それでも念のため、二台のランクルを百メートルほど離して停車させた。
「良太、お前は二号車で待機してくれ」
『了解です。何かあったらすぐ連絡します』
良太を見送ると、俺は一号車から離れ、大草原の中へ歩き出した。
車から十分に距離を取ったところで足を止める。
ここなら、万が一魔法が予想以上の威力だったとしても、被害は最小限で済むだろう。
――【テラブレイカー】。
次の瞬間、目の前の空間が淡くゆらぎ、黒褐色の金属で作られた重厚な戦杖が姿を現す。
その柄が、吸い寄せられるように俺の右手へ収まる。
手にした瞬間、大地そのものを握ったような、重く力強い魔力が腕へ伝わってくる。
「……これが、【テラブレイカー】か」
軽く振ってみる。
見た目ほど重くはない。それどころか驚くほど手になじみ、初めて手にした武器とは思えないほど自然に扱える。
いったん一号車へ戻ると、無線から良太の声が聞こえてきた。
『先輩、準備できましたか?』
「ああ」
『それじゃあ、まずは射程と攻撃範囲がどうなるか確認しましょう』
「了解」
再び車を離れ、大草原へ立つ。
前方へ目を向け、狙う方向をしっかりと確認する。
一度息を整えてから、戦杖を両手で握った。
その石突きを正面の大地へ勢いよく突き立てる。
「――【グランドブレイク】」
魔法名を口にした瞬間、黒褐色の戦杖が淡い黄金色の光を帯びる。
同時に、体の奥底から何かが一気に吸い上げられるような感覚が走った。
……これがMPを消費する感覚か!
直後――
ズゥゥゥン……。
足元から腹の底まで揺さぶるような重低音が、草原一帯へ響き渡る。
石突きを打ち込んだ地点から、一本の巨大な地割れが前方へ向かって走り出した。
一直線。
ただまっすぐに。
草原をえぐりながらすさまじい速度で前方へ突き進み、裂け目は見る間に百メートル以上先まで伸びていく。
「なっ……!」
あまりの速さに、目で追うのがやっとだった。
そして――
ドゴォォォォォォンッ!!
地割れの先端で大地が爆発した。
大量の土砂が噴き上がり、その中心から何本もの巨大な岩槍が一斉に天へ突き出す。
一本ではない。
二本でもない。
十数本もの岩槍が広範囲に乱立し、周囲の草原を根こそぎ吹き飛ばした。
土煙は何十メートルもの高さまで立ち昇り、爆風が遅れてこちらまで押し寄せてくる。
「……っ!」
思わず腕で顔をかばう。
数秒後、ようやく土煙が薄れ始める。
その向こうには巨大なクレーターと、岩山のようにそびえ立つ岩槍群だけが残されていた。
俺はいったん一号車へ戻り、運転席へ滑り込む。
すると、無線から良太の慌てた声が飛んできた。
『先輩っ!? 大丈夫ですか!?』
「あ、ああ……それより、前を見ろ」
『見てます……』
しばらく沈黙が流れたあと、良太が小さくつぶやく。
『……これ、想像の十倍はヤバいです』
俺も同じ感想だ。
百メートル以上離れた場所が、たった一発であの有様になった。
もし魔物ではなく、人や街へ向けて放っていたら――
そう考えただけで背筋が寒くなった。
「良太」
『はい』
「最初に検証しておいて正解だったな」
『ええ。これはもう、気軽に使っていい魔法じゃありません』
俺は黒褐色の戦杖――【テラブレイカー】を見下ろす。
あれだけ強力な魔法を放ったというのに、戦杖そのものには何の変化もない。
「……とんでもないものをもらったな」
◇ ◇ ◇
しばらくすると、百メートルほど離れた場所に停めてあった白いトゥループキャリアが、こちらへゆっくりと走ってきた。
地割れの手前で停車し、良太が運転席から降りてくる。
「近くで見ると、とんでもないですね……」
「ああ。これがSランク魔剣の固有魔法か」
良太は巨大な地割れと、その先に乱立する岩槍を見比べながら、タブレットに検証結果を書き込んでいく。
「ドラレコの映像をあとで見返せば、射程や岩槍が発生した位置も詳しく確認できますね」
「そうだな」
一通り書き終えた良太がタブレットの画面を消す。
「じゃあ、次は僕が試してきます」
「ああ。ただし、今度は違う方向へ撃ってくれ。同じ場所だと結果がわかりづらい」
「了解です」
良太は再びトゥループキャリアへ乗り込み、地割れから大きく離れる方向へ走っていった。
俺も一号車へ戻る。
レーダーを確認してみるが、周囲に赤い反応はない。
これだけ何もない大草原なら、多少とんでもない魔法をぶっ放しても問題はないだろう。
……さっきの【グランドブレイク】を見る限り、多少で済むかは怪しいけどな。
やがて二号車が十分に離れた場所で停車する。
『先輩、聞こえますか?』
無線から良太の声が届いた。
「ああ。聞こえてる」
『こっちも周囲に反応なしです。それじゃあ、撃ってみます』
「了解。気をつけろよ」
『はい』
それから良太が運転席から降り、改めて周囲を目で確かめたあと、何もない草原へ向かって歩いていく。
俺は運転席から降りると、離れた場所に立つ良太の姿に目を凝らした。
さすがに細かな表情まではわからない。
だが、良太が右手を前へ出した次の瞬間、その手に長い杖が現れる。
あれが――【タイダルロッド】。
朝日を受けた深い蒼色の杖身が、遠目にも淡く輝いて見える。
良太が長杖を正面へ構え、何かを叫ぶように口を開く。
声までは聞こえないが、唱えた魔法は一つしかない。
――【タイダルバースト】。
杖の先端がまばゆい蒼白色の光を放ったその瞬間――
キィィィィィンッ!!
「うおっ……!」
甲高い音が大草原へ響き渡る。
杖の先から放たれたのは、一本の蒼白い奔流だった。
いや――
離れた場所から見ている俺には、水というより一筋の光にしか見えない。
極限まで圧縮された高圧水流が、ほとんど広がることなく草原を一直線に駆け抜けていく。
ズバァァァァァァッ!!
その進路に生えていた草が、一瞬で左右へ弾け飛ぶ。
地面にも細い溝が一直線に刻まれ、その軌跡がすさまじい速度で遠くへ伸びていく。
「……マジかよ」
思わず声が漏れる。
その進路上には、偶然にも高さ二メートルはありそうな大岩があった。
蒼白い奔流が、真正面から大岩へ直撃する。
――次の瞬間。
岩の上半分が、ゆっくりと横へずれた。
「は?」
一瞬、何が起きたのかわからなかった。
やがて岩の半分が地面へ滑り落ち、ズシンッと重い音を響かせる。
……切れたのか?
あの大岩が?
しかも、高圧水流はそこで止まらない。
大岩を真っ二つに切断してなお勢いは衰えず、そのままさらに先の草原を切り裂いていく。
やがて蒼白い光が消えると、あとには草原を一直線に貫く長い軌跡だけが残されていた。
「…………」
俺はしばらく何も言えず、その光景を眺める。
俺の【グランドブレイク】とは、まるで性質が違う。
詳しく確認するなら、近くまで行ったほうがよさそうだ。
俺は一号車へ乗り込み、エンジンをかける。
「……とりあえず、良太のところへ行くか」
一号車を二号車の横まで走らせて停車し、車外へ出た。
良太はタイダルロッドを収納し、何とも言えない表情で自分が撃った先を眺めている。
「先輩……これ、ちょっと予想外ですね」
「ああ……」
俺も良太の隣に並び、改めて草原を見渡す。
一直線に刈り飛ばされた草。
鋭利な刃物で削ったようにえぐれた地面。
そして、その先には真っ二つになった大岩。
「……お前のも十分おかしいな」
思わず苦笑が漏れる。
「ですね……」
良太も困ったように笑った。
「先輩の土属性が『大地を砕く』なら、僕の水属性は――」
良太は一直線に残された跡に目を向けた。
「『切り裂く』みたいです」
「ああ」
俺もその軌跡を改めて見た。
「しかも、岩まで真っ二つか……」
「近くで確認してみましょう」
「そうだな」
◇ ◇ ◇
俺と良太は、タイダルバーストが通過した跡をたどっていく。
「……これは」
俺たちの足元には、一直線に刻まれた溝が続いていた。
草はきれいに刈り払われ、地面も鋭利な刃物で削られたようにえぐれている。
その溝をたどってさらに進み、先ほど切断された大岩の前までやってきた。
「これか」
高さ二メートルほどの岩は、中央から真っ二つに切り裂かれていた。
砕けた様子はまったくなく、切断面は驚くほど滑らかだ。
「……すごい切れ味ですね」
「ああ」
俺は岩に手を添える。
「水で切ったなんて言われても、信じられんな」
岩の周囲には大量の水が残り、あちこちに小さな水たまりができていた。
草も地面もびしょ濡れだ。
「見た目は光みたいでしたけど、ちゃんと水だったんですね」
良太はしゃがみ込み、水たまりに指を入れる。
「冷たい……少なくとも、見た感じは普通の水ですね」
「大岩を真っ二つにしても、まだ勢いが残っていたってことか」
「みたいですね」
良太は立ち上がると、改めて一直線に続く斬撃の跡を見渡した。
「先輩の【グランドブレイク】は大地そのものを変形させる魔法でしたけど、こっちは『切る』ことに特化している感じですね」
「ああ。それも、かなり狭い範囲へ威力を集中させるタイプだな」
俺と良太は顔を見合わせ、小さくうなずいた。
「これは、あとでドラレコも見返して細かく確認してみよう」
「そうですね。射程や消費MPも含めて、一つずつ検証していきましょう」
◇ ◇ ◇
魔剣の検証をひとまず終えた俺たちは、二号車も一号車の近くまで戻し、揃って一号車へ乗り込んだ。
俺は缶コーヒーのプルタブを開ける。
――プシュッ。
一口飲むと、コーヒーのほろ苦い香りが鼻へ抜ける。
「ふう……」
「僕も一本もらいますね」
良太もブラックコーヒーを取り出し、助手席へ腰を下ろす。
後部座席では、バハが運転席と助手席の間からひょこっと顔をのぞかせている。
「きゅー?」
「ちょっと今から、さっきの映像を見返すからな」
「きゅっ」
バハは意味がわかっているのかいないのか、小さく返事をして、おとなしく後部座席にちょこんと座る。
良太はタブレットを操作し、クロノアの宿るドライブレコーダーの映像を呼び出す。
「まずは先輩の【グランドブレイク】から見てみます」
映像が再生される。
上空から俯瞰した映像では、一本の地割れが驚くほどまっすぐ草原を走り、その終点から岩槍が一斉に突き出している。
「……上から見るとわかりやすいな」
「ですね。地割れそのものにも攻撃力はありそうですけど、岩槍が発生するのは終点だけみたいです」
俺と良太は映像を止めたり、角度を変えたりしながら細かく確認していく。
「次は僕の【タイダルバースト】です」
映像を切り替える。
上空から見ると、高圧水流はほとんど左右へブレることなく一直線に飛び、大岩を切断したあとも、しばらく勢いを保ったまま進んでいた。
「上から見ると、ほとんど広がってないですね」
「ああ。高圧の水を、あの細さに絞って撃ち出しているわけか」
「きゅー?」
バハはタブレットをのぞき込むと、映像よりも俺たちの顔を交互に見つめ、小さく首をかしげる。
「きゅ?」
「大丈夫だよ、バハちゃん」
良太は笑いながら頭をなでた。
「すごくいい武器だったって確認してるだけだから」
「きゅー♪」
なでられて満足したのか、バハは目を細め、後部座席の上でくるりと体を丸めた。
◇ ◇ ◇
その後も俺たちは、二本の魔剣でさまざまな検証を繰り返した。
ドラレコの映像を見返しながら、消費MPや射程、召喚・収納速度、魔法の軌道などを一つずつ確認していく。
その結果、固有魔法は一度発動すると、途中で軌道を変えられないことがわかった。
一方で、発動前なら照準はかなり細かく調整できる。
慣れれば、五十メートルほど先の狙った位置に、正確に魔法を撃ち込むこともできそうだ。
また、魔剣そのものもただ魔法を放つだけではなかった。
元になったアダマンタイト製強化シャフトと同様、魔法を使わず、そのまま近接武器として振るうこともできる。
しかも完全不壊。魔法を使わなくても、十分すぎるほど強力な武器だ。
結局、俺たちはMPが半分近くになるまで検証を続け、細かな癖や使い勝手もある程度つかめた。
「今日はこのくらいにしておきましょうか」
「ああ。少なくとも、実戦でいきなり使うよりはずっとマシだな」
魔剣は間違いなく強力だ。
だからこそ、その力に振り回されないよう、これからも少しずつ扱いに慣れていく必要がある。
◇ ◇ ◇
――さて。
検証は終わったが、このまま立ち去るわけにもいかない。
俺は運転席から、すっかり荒れ果てた草原を眺めた。
【グランドブレイク】が刻んだ巨大な地割れ。その先にはクレーターと岩槍が残り、少し離れた場所には【タイダルバースト】がえぐった長い溝まで続いている。
「……ずいぶん派手にやっちまったな」
「ですね。さすがに元通りにはできませんけど、少しくらい何とかしてから帰りましょうか」
「ああ。【癒やしモード】を使ってみるか」
俺は一号車のエンジンをかけ、ハンドルに追加された排気音切り替えボタンを押す。
――【癒やしモード(ヒーリング・シンフォニー)】。
マフラーから響く排気音が、柔らかく澄んだ音色へと変わった。
その穏やかな響きが風に乗り、傷ついた草原にゆっくりと広がっていく。
「おっ……」
変化はすぐに現れた。
吹き飛ばされ、押し潰されていた草がゆっくりと起き上がり、残っていた根からは新しい芽が伸び始める。
えぐられた地面の縁でも、かろうじて残っていた草がみるみる元気を取り戻し、むき出しになった土の周囲へ緑が戻っていく。
「やっぱり植物にはよく効きますね」
「ああ。地形まではどうにもならんみたいだけどな」
当然ながら、巨大な地割れやクレーターまで元通りになるわけではない。岩槍もそのままだ。
それでも、土がむき出しになっていた場所へ緑が戻っただけで、さっきまでの荒れ果てた印象はずいぶん薄くなった。
「まあ、何もしないよりはマシか」
「ですね。あとは時間が経てば、少しずつ自然に戻っていくんじゃないですか」
しばらく【癒やしモード】の音色を草原へ響かせてから、俺はスイッチを切った。
地割れも、クレーターも、岩槍も残っている。
それでも、その周囲には再び青々とした草が風にゆれていた。
「よし。帰るか」
「はい」
「きゅー♪」
完全に元通りとはいかなかったが、少しだけ緑を取り戻した草原をあとにして、俺たちは再びラズライト湖へ向かった。
あとがき
拓海たちは魔剣によってステータスが底上げされています。
【魔剣】
魂に紐づけた魔剣は、その属性に応じて所有者の基本値を上昇させる。魔剣を【収納】していても効果は継続し、複数の魔剣を魂に紐づけている場合は、その効果が加算される。
Cランク魔剣:対応ステータス+5
Bランク魔剣:+10
Aランク魔剣:+20
Sランク魔剣:+50
※HP、MPへの上昇値は4倍
火 STR 火力・力
氷 INT 魔力・魔法演算
風 AGI 速度・身軽さ
土 VIT 頑強・耐久
雷 DEX 器用・精密操作・遠隔命中
水 MND 精神・魔法防御・回復
光 HP 生命力
闇 MP 魔力総量
魔剣は、魔核と素材を【魔剣創造】で掛け合わせて創る。
同じ組み合わせでも、元になる素材の品質で個体差がうまれる(ステータスの補正値は変わらない)




