第2話 名前を微調整すればバレないと思ってる女神
「——私は、神である。
全知全能にして、世界の理をその手で——」
……はい、カット!
このキャラ、マジでコスパ悪いわ。
威厳とか保ってると、喉が乾燥してポテチの味が分かんなくなるし。
よっ! 今日も今日とて全知全能、ゼウス様だよ!
今日も天界のVIPルームで、下界の『異世界転生リアリティ・ショー』を実況していくよ。
今日の味は「関西だししょうゆ」。この出汁の香りが神。
「ゼウス様! また油っこいものを。
見てください、次の『救済対象』が異世界に到着しましたよ」
真面目な顔してモニター(魔鏡の鏡)を指差すのは、部下のアテナ。
今日も隙のないホワイトスーツ。天界一の仕事人間(自称)。
「へー、今度の生贄……あ、救済対象の名前は?」
「三上・武、39歳。
中堅ゼネコンに勤めて15年。
毎日、満員電車に揺られ、上司の理不尽な怒鳴り声にも耐え抜いてきた……。
まさに『日本の宝(社畜)』とも言える立派なサラリーマンですよ!」
……。
「ねぇアテナちゃん。
君、さては設定考えるの面倒くさくなって、有名作品をちょっとだけ改変したね?」
「なっ、何のことでしょうか!?」
「名字は『三上』だし、年齢も絶妙に近いし!
『ナイスガイな37歳』を『苦労人の39歳』に変えればバレないとでも思った?
で、この三上・武くんはどうやって死んだのよ」
「後輩をかばったのです!
資材置き場で暴走したフォークリフトの前に飛び出し、
『……いいか、俺のPCのデータだけは、完全に消去しておけよ……』
という感動的な最期の言葉を残して、英雄として散りました!」
「フォークリフトに跳ねられてそんなカッコいいこと言えるかよ!
刺殺じゃなくてフォークリフトにすればパロディにならないと思った?
っていうか、見てよモニター。
武くん、案の定『青いぷよぷよ』になってるじゃん!」
「これは『種族:スライム』です。
最新のトレンドを反映しつつ、名前と死因はオリジナル(笑)ですよ!」
「オリジナルって言ったそばから笑うなよ!
あ、ちょっと待って。画面の中見て。
そのスライムの前に、汚い顔した……ゴブリン? が並んでるけど」
画面の中では、青いぷよぷよがゴブリンたちに名前を付けていた。
「お前はゴブ五郎!」「お前はゴブ美!」みたいな適当なノリで。
すると、どうだ。
眩い光に包まれた直後——。
「……は?」
画面に映っていた汚いゴブリンたちが、
シュッとしたモデル体型のイケメンと美女に激変していた。
「ちょっと待ってアテナ!!
今の何!? 魔法? それとも最新の美容整形!?」
「これは『名付けによる進化』です。
名前をもらうことで魂が定義され、高位の種族へランクアップしたのです」
「ランクアップの幅が広すぎだろ!
ビフォーアフターの差が『劇的ビフォーアフター』のレベルを超えてるよ!
さっきまで鼻水垂らしてたゴブリンが、
なんで韓流スターみたいな顔になってんの?
これ、天界の予算で凄腕の執刀医でも雇ったろ。正直に言えよ」
「……違います。これが世界のルール(テンプレ)なんです」
「いやー、納得いかねぇ。
じゃあ何? 俺が今からこの『ポテチ』に名前をつけたら、
最高級のA5ランク松阪牛ステーキに進化したりするわけ?」
「……それは流石に……」
「やってやるよ!
おい、ポテチ! お前の今日からの名前は……『ポテチ・ザ・ゴールデン・デラックス』だ!」
(シーン……)
「……何も起きないね、ゼウス様」
「……。
……だよね。わかってたよ。
あのスライム、魔力使いすぎなんだよ!
あんなに一気に名付けたら、普通は魔力枯渇で消滅するでしょ!
なんで翌朝にはピンピンして『おはよう!』とか言ってんの?
寝れば治るとか、その世界の魔力はビタミン剤か何かなの?」
「それが彼の『異常な魔力量』というチート設定ですから……」
アテナが呆れ顔でポテチを一枚奪っていく。
これ、絶対あのスライム、
この後もどんどん名付けして『美男美女の軍団』作るよね。
完全に顔採用じゃん。
異世界まで行って『ルッキズム』全開かよ。
マジで性格悪いわー。最高(笑)。
「(サクッ)……ゼウス様、次はもっと『真面目な苦労人』を用意しました。
コンビニ帰りに急に召喚されて、何度も死ぬ目に遭う不憫な少年です」
「あー、例のジャージ男ね。
よしアテナ、次はポテチを箱で持ってこい。
死に戻り実況は、夜通し盛り上がるぞ!」
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