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異世界転生したら、胸が透けて見える世界だった  作者: M


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隠し扉を開ける

隠し扉を開ける

リナが壁の痕跡を慎重に調べ、隠し扉の機構を見つけた。

「ここを押すと開くみたい。ちょっと重いけど……」

セラが盾を置き、一緒に扉を押し開ける。石の扉が低く軋む音を立て、奥の小さな部屋が現れた。

中はさらに暗く、床には古い魔法陣が完全な形で残っている。中央に、淡く光る小さな結晶が置かれていた。壁には、魔力の循環に関する古い記述が刻まれている。

エルが魔法陣に近づき、静かに観察した。

「これは、過去の研究施設の一部のようです。魔力の循環経路を記録したものですね。胸を介した伝達の仕組みが、簡略化されて描かれています」

リナが結晶を手に取り、光にかざす。

「まだ魔力が残ってる。持って帰っても大丈夫かな?」

セラが周囲を警戒しながら言う。

「危険な気配はありませんが、念のため勇者様に循環を確認してもらいましょう」

俺が三人の胸に順番に触れると、魔力の流れは安定していた。古い魔法陣の残滓は弱く、むしろ穏やかに感じられる。

エルが壁の記述を読みながら、小さく頷いた。

「この場所は、かつて魔力の循環を研究していた人々の遺したものです。私たちが今行っていることと、根本は同じですね」

隠し扉の奥は、過去の知識が静かに残る小さな部屋だった。

四人は結晶と記録を慎重に確認し、廃墟を後にすることにした。

(続く)

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