廃墟の中を探索する
廃墟の中を探索する
郊外の道から外れた場所に、小さな石造りの廃墟があった。
屋根の一部が崩れ、壁には蔦が絡まっている。入り口は開いていて、中からひんやりとした空気が流れ出ていた。
「中、見てみる?」
リナが半透明の胸当てを軽く押さえながら、先頭に立とうとする。
セラが盾を構え、慎重に頷いた。
「魔物の気配は薄いですが、念のため前を警戒します」
四人は廃墟の中へ入る。内部は一部屋だけの簡素な構造で、壊れた木の机と、床に散らばった古い紙片が残っていた。壁には色褪せた魔法陣の痕跡がわずかに見える。
エルが魔法陣の跡に手をかざし、静かに言った。
「昔、魔力の研究をしていた場所のようです。もう機能はしていませんが、残滓の魔力が少し感じられます」
リナが机の引き出しを開け、中から小さな結晶を見つけた。
「これ、魔力の結晶? まだ少し光ってる」
セラが周囲を警戒しながら、俺の方を見る。
「……勇者様、念のため循環を確認してください。残滓の魔力で流れが乱れるかもしれません」
俺がセラの胸に手を置き、続いてリナとエルの胸に軽く触れると、魔力の状態は安定していた。廃墟の残滓は弱く、大きな影響はなさそうだ。
探索を続けると、奥の壁に小さな隠し扉のような痕跡を発見した。
「ここ、何かありそうだね」
リナが興味深そうに笑う。
廃墟の探索は、静かに、しかし小さな発見とともに続いていた。
(続く)




