東門の外にて
続き ― 東門の外にて
東門を出ると、すでに数人の冒険者が草原の一角に集まっていた。ギルドの職員が簡易的な縄を張り、周囲を警戒している。
ミリアの姿もあった。彼女は普段の受付服のまま、胸元の薄いブラウスを風に揺らしている。こちらに気づくと、にっこりと笑って近づいてきた。
「勇者様のパーティですね。朝早くからありがとうございます。目撃情報は、あの岩の陰あたりです。小型ですが、体色が通常のゴブリンと違い、魔力の反応が強いとのことです」
リナが周囲を見渡し、半透明の胸当てを軽く押さえる。
「まだ姿は見えないね。接近する前に、軽く循環しておく?」
セラが盾を構えながら頷く。
「お願いします。不意打ちされても対応できるように」
俺がセラの胸に手を置き、続いてリナの胸に触れると、二人の魔力が短時間で流れてきた。エルも自分の胸を軽く整え、感知の準備を整える。
ミリアが俺の方を見て、柔らかく言った。
「私の感知でも、あの方向に少しだけ異質な魔力を感じます。強くはありませんが、普通のゴブリンとは明らかに違います。慎重にどうぞ」
四人はミリアに軽く頷き、岩の陰へ向かって慎重に歩き始めた。
草原の風が吹き、遠くで小さな気配が動いた気がした。
珍しい魔物との遭遇が、もうすぐそこまで近づいていた。
(続く)




