北の丘陵地帯の魔物 ― ゴブリンとオオカミ
北の丘陵地帯の魔物 ― ゴブリンとオオカミ
丘陵に差しかかる頃、エルが周囲を見渡しながら静かに説明を始めた。
「北の丘陵に出る魔物は、主にゴブリンとオオカミです。どちらも小規模で、昨日の西の森よりは少し警戒が必要ですが、大規模な群れにはなりにくい場所です」
ゴブリン
リナが軽い足取りで歩きながら補足する。
「ゴブリンは三人から五人くらいの小集団で動くことが多いよ。武器は棍棒や錆びた剣程度。知能は低いけど、数で押してくることがある。丘陵だと岩陰から突然出てくることもあるから、注意が必要」
セラが盾を軽く構えながら言う。
「一体一体は弱めです。私が前で受け止めれば、勇者様がすぐに処理できます。魔力の消耗も少ないはずです」
オオカミ
エルが続ける。
「オオカミは二匹から三匹で行動します。森狼より少し大きく、俊敏です。丘陵の開けた場所で待ち伏せしてくることがあります。単独で強いわけではありませんが、連携して襲ってくるので、側面を取られないようにする必要があります」
リナがにやりと笑う。
「オオカミは動きが速いから、私の敏捷魔力があると楽だね。勇者様に胸触ってもらって加速すれば、十分対応できる」
対処の目安
「どちらも、昨日の森狼と同じくらいの脅威度です。深く追わず、必要最低限の戦闘で離脱するか、短時間で仕留めるのが良いでしょう。魔力の循環は戦闘の合間に行えば十分足ります」
セラが小さく頷いた。
「採取がメインですから、魔物とはなるべく最低限の接触に抑えたいですね」
北の丘陵の風が、四人の間を吹き抜けていく。
ゴブリンとオオカミは、このクエストにおける主な障害だったが、パーティの連携と魔力循環があれば、十分に対応できる相手だった。
(続く)




