小川の近くの草原は
草原の描写(詳細)
小川の近くの草原は、柔らかな緑が広がる穏やかな場所だった。
草は膝の高さまで伸び、風が通るたびに波のように揺れる。足元は柔らかく、歩くと軽い弾力が感じられた。小川の水は透明で、底の小石が見え、時折小さな魚の影が動く。木の橋は古びているが頑丈で、手すりに苔が薄く生えていた。
午後の光が草原を明るく照らし、草の先端が金色に輝く。空気は涼しく、水と草の匂いが混ざっていた。遠くに低い丘の稜線が見え、空は高く澄んでいる。
フェアリーが草の上を低く舞い、光が草露に反射して小さく瞬いた。四人の胸の近くに戻ると、その光がより穏やかになる。
リナが草の上に座り、大きく息を吐く。
「こういう場所だと、魔力の流れも自然と整うね」
草原は、戦いの緊張を溶かすように優しく、静かだった。
フェアリーが何かを探知して
草原で休息していると、フェアリーの光が突然小さく揺れた。
エルがすぐに反応し、感知を集中させる。
「……フェアリーが、何かを探知しています。遠くの草むらに、弱い魔力の反応です。希少種の可能性が高いです」
フェアリーが草原の奥の方へふわりと飛び、光を点滅させるように強弱を変えた。攻撃的な反応ではなく、むしろ興味を引かれている様子だ。
リナが新しい刃を軽く確認しながら立ち上がる。
「見てみよう。戦闘じゃないといいけど」
セラが盾を背中から下ろし、慎重に構える。四人はフェアリーの誘導に従い、草原の奥へと歩き始めた。
フェアリーが探知した何かが、静かに四人を導いていた。
希少種の正体
フェアリーの誘導に従い、草原の奥の草むらに近づくと、小さな影が動いた。
それは、淡い緑の光を纏った小型のウサギ型の魔物だった。ウィンド・ラビット。体に風の魔力を薄く纏い、こちらに気づくと一瞬で草の中へ姿を消すように走り去る。攻撃性は全くなく、ただ警戒して逃げただけだった。
エルが静かに確認する。
「ウィンド・ラビットです。希少種の一種で、敏捷性に特化しています。目撃報告の対象ですね。戦闘の必要はありません」
フェアリーがラビットの逃げた方向を軽く舞い、残った魔力の乱れを穏やかに浄化していった。
リナが小さく笑う。
「可愛い子だったね。報告だけしとけばいいよ」
四人は希少種の正体を確認し、無理に追うことなく草原の休息に戻った。
ウィンド・ラビットとの遭遇は、静かで穏やかなものだった。
(続く)




