峠で山賊が
峠で山賊が
交易所からの帰り道、街道の峠に差しかかったところで、前方の岩陰から人影が現れた。
山賊が五人。武器を構え、道を塞ぐように立ちはだかる。リーダー格の男がニヤリと笑った。
「荷物を置いていきな。女は特に歓迎だぜ」
商人の女性が小さく息を呑む。セラが即座に前へ出て盾を構えた。
「盗賊です。対応します」
俺はセラの胸に手を置き、防御魔力を補充。リナが加速魔力を受け取り、側面へ回り込む。エルがフェアリーの光を受けながら、警戒の魔法を展開した。
山賊の一人が剣を振り下ろす。セラの盾が受け止め、俺が魔力を込めた剣でその腕を斬りつける。リナがもう一人の足元を刈り、エルの魔法が残りの動きを鈍らせた。
フェアリーが商人の胸の近くを舞い、彼女の恐怖を和らげるように光を放つ。
山賊たちは連携が取れておらず、四人の循環された攻撃の前に次々と倒れていった。
峠の戦闘は、短時間で終わりを迎えようとしていた。
山賊のリーダーを倒す
残った山賊たちが怯む中、リーダー格の男が怒号を上げて前へ出てきた。
大振りの剣を構え、セラの盾めがけて叩きつけてくる。衝撃はオークほどではないが、鋭さがあった。
セラが盾で斜めに受け流す。俺は彼女の胸に手を残したまま防御魔力を維持し、空いた手でリナの胸に触れて加速を渡した。リナがリーダーの側面へ高速で回り込み、膝を斬りつける。
リーダーが体勢を崩した瞬間、俺が魔力を込めた剣を振り下ろした。刃が光を帯び、男の肩から胴へ深く入る。リーダーが苦痛の声を上げて膝をつき、武器を落とした。
残りの山賊たちが武器を捨てて逃げ出す。フェアリーが商人のそばで光を強め、戦いの乱れを浄化していった。
「リーダーを倒しました。脅威は排除です」
エルが静かに告げる。
商人は安堵の息を大きく吐き、四人に深く頭を下げた。
峠の山賊は、リーダーの敗北とともに終わりを迎えた。
(続く)




