さらに街道を進み、新しい魔族の反応が
さらに街道を進み、新しい魔族の反応
魔物を処理したあと、四人はさらに東の街道を進んだ。
道は次第に丘陵の裾へと近づき、風の中に微かな違和感が混ざり始める。エルが足を止め、静かに感知を集中させた。
「……新しい反応があります。これまでと少し違います」
リナが半透明の胸当てを押さえながら警戒する。
「どんな感じ?」
「小型ですが、魔力の質がやや特殊です。通常のゴブリンや狼とは違う、わずかに『整った』波動を感じます。距離はまだ遠いですが、街道の先にいるようです」
セラが盾を構え、少し緊張を高めた。
「危険度はわかりますか?」
「現時点では低いです。ただし、以前の紫がかったゴブリンと似た性質を持っている可能性があります。慎重に接近しましょう」
俺が三人の胸に軽く触れて循環を安定させると、エルの感知がよりクリアになる。
「……はい。反応は弱々しいですが、確かに新しいものです。巡回の報告に値します」
四人は警戒を緩めず、街道の先へと慎重に歩き始めた。
新しい魔族の反応が、静かに四人を導いていた。
新しい魔族の正体
街道の先を慎重に進むと、草むらの中に小さな影が見えた。
それは、以前ギルドで保護した紫がかった小型ゴブリンに似た個体だった。ただし、今回は体色が淡い青みがかっていて、目が大きく、周囲の魔力を敏感に感じ取っている様子。武器は持たず、こちらに気づくと怯えたように後ずさりする。
エルが静かに感知を深めた。
「……正体は、希少種のゴブリンの亜種です。以前の紫色の個体と同じ系統ですが、魔力の質がさらに安定しています。攻撃性は極めて低く、むしろ隠れようとしています」
リナが興味深そうに覗き込む。
「また珍しい子だね。殲滅しなくてよさそう」
セラが盾を下ろし、少し安堵した表情になる。
「危険はないようですね。ギルドに報告しましょう」
エルが小さく頷いた。
「はい。この個体は、魔力の循環に敏感に反応する性質を持っています。捕獲して調査する価値があります」
四人は距離を保ったまま、新しい魔族――希少な青みがかったゴブリン亜種――の存在を確認した。
正体は、脅威ではなく、静かな希少種だった。
(続く)




