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ドラゴン娘になった俺、ダンジョン攻略の果てに神になる。  作者: 覇気草


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第7話 ドラゴン娘、ボスと戦う



 まさか加減してこれとは。ドラゴン娘が最初から強いからって、防具で強化されただけで強くなり過ぎだ。

 防具の効果……加算じゃなくて乗算だったりしない?

 とにかく、このままだと下手に人に触れられない。今から手加減の練習をしておかないと。


 ドロップアイテムは出ず、何も持たずに移動を再開。

 次に遭遇したのは棍棒を持ったホブゴブリン。


「よし、あっさり死んでくれるなよ」


 近づけばホブゴブリンが棍棒を振り下ろしてくる。それを手の甲で弾けば、足で蹴った時以上の威力となって吹っ飛び、壁にぶつかって壊れた。


 もっと加減しないとダメか。


 ビビりだしたホブゴブリンに一気に詰め寄り、脛《すね》に向かって足で軽く小突く。

 コンッ、と当たった瞬間にホブゴブリンは痛みに叫び、患部を手でかばいながら片足で跳ねまわった。


 マジか……トラックのブレーキ並みに繊細さが求められるな。


「あっ、逃げた」


 痛みが和らいだホブゴブリンは完全に戦意を失ったようで、背を向けて全力で逃げ出した。


「逃がさんよ」


 俺は背中を追って走り出す。


 射程に届いたところで大きく前に跳躍し、軽めの飛び蹴りを背中に当てる。ホブゴブリンは漫画のように豪快に吹っ飛んで曲がり角の壁に衝突。壁に少しめり込んでいて、破片と一緒に地面へと倒れた。


「……これは慣れるまで時間が掛かるな」


 ドロップアイテムはなく、通路を移動すれば新たな部屋に到着。

 部屋の片側にはどこに繋がっているのか謎な川が流れていて、魚が泳いでいるのが鱗の反射で分かる。流石にここからではどんな魚かは分からない。釣り道具も無く、川に入って獲る気もないので無視して進む。

 何度か同じ場所に来たり、ホブゴブリンやゴブリンシャーマンに遭遇して倒しながら進み、『3』の数字が傍の壁に記された下り階段を発見した。


 次の階はどんな場所か……。


 期待を胸に階段を降りれば、でかい両開きの扉が道を塞いでいた。


「……間違いなくボス部屋だ」


 というか、ダンジョンが短すぎでしょ。……いや違うな。星の数が三つだったから、三階ということか。


 これからボス戦ということもあって緊張してくる。それを和らげる為に一度大きく深呼吸。


「――ふぅ。よし、行こう!」


 扉に手を着いて押せば、ある程度動いたところで勝手にゆっくりと開き始めた。

 中に入れば扉が勝手に閉まる。

 ボス部屋は広くてなにも無い四角い空間だ。地面は土で壁は石材、天井はかなり高くて長い武器を振り回しても問題ない。

 そして奥には新手のゴブリンが五体いる。

 四体は『ゴブリンナイト』。顔の隠れた兜を被り全身鎧で武装した人間サイズの屈強なゴブリンで、手には大剣が握られている。残る一体を守るように前に並んでいる。

 守られているのは『ゴブリンジェネラル』。ホブゴブリン並みに大きく、ゴブリンナイトより意匠の凝った兜と鎧を装備し、牛刀みたいな形状で血のように紅い不気味な大剣を所持している。

 既に戦闘態勢を整えているようで、ジェネラルの一声でナイトが動き出した。一体は残り、一体は正面、二体は左右から近づいてくる。


 なるほど。ジェネラルだけあって指揮の下で動くか。

 なら――


 俺は背中にある翼をはためかせ、斜め前に大きく跳躍してすぐに滑空状態に移行した。


 よし! 思った通り飛べた!


 初飛行を成功させてナイトたちの上を通り過ぎ、ジェネラルの背後に着地。残っていた一体のナイトがすぐに前に出て大剣を構えた。


 邪魔。

 【テイルスイング】!


 オーラを纏った尻尾で横へ吹っ飛ばすが、吹っ飛んだ先でナイトは大剣を地面に刺してブレーキを掛け、すぐに体勢を立て直してみせた。


 へぇ、やるな。――おっと。


 正面にいるジェネラルが大剣を振るってきた。なにかしらのバッドステータスを与えてきそうな武器を受け止める気にはならないので、回避を選択。ジェネラルは間合いを詰めて積極的にブンブン振り回してくるのでバックステップで下がり続ける。そのうちにナイトたちが追いついて、四体が連携しながら大剣を振るってきた。


 流石に多いって……。


 バックステップを続けた結果、背中が壁に当たった。ジェネラルの口元がニヤリと笑ったのが見えた。


 しまった!? ――なんてね。


 壁の方に向いた俺は壁蹴りを敢行して登り、大剣が届かない高さに来たところで強く蹴ってジェネラルたちの後方の遠くへ着地した。

 それからドヤ顔を披露してやる。


 どやっ!


 馬鹿にされているのが分かったのか、ジェネラルの眉間に皺が寄って睨みつけてきた。そしてなにかギャアギャアと大声で言うと、ジェネラルの前の地面からぼこぼこぼこっと四体のゴブリンナイトが新たに生えた。手には大きなボウガンがある。


「お前仲間呼べるの!?」


 意味ないよ俺には。本気のおおおお……【ファイアブレス】!


 めいっぱい息を吸って一気に吐き出せば、普通の倍くらいの勢いと範囲の火炎が放射された。金属鎧を装備しているナイトたちは熱によって悲鳴を上げながらもがき苦しみ出した。


 ……まぁ、ナイトの上位種がジェネラルなら……来るよねぇ。


 ジェネラルが炎の中を突っ切って目の前に姿を現した。兜や鎧は脱ぎ捨てたらしく、インナーだけ。見えてる緑の肌は焼け爛《ただ》れ、焦げ付き、今にも死にそうな状態だ。それでも目には強い戦意と殺意があり、構えていた大剣が振るわれる。

 その剣を蹴って弾き飛ばした俺は、足払いしてジェネラルを転倒させてから飛び掛かり、全力の踵落としで頭部をぐしゃっと潰した。

 ゴブリンジェネラルを倒した。



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