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ドラゴン娘になった俺、ダンジョン攻略の果てに神になる。  作者: 覇気草


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第5話 ドラゴン娘、肉を食べる


 倒したゴブリンシャーマンからアイテムがドロップする。


 「えっ、なんで!?」


 ドロップしたのは、ほかほかと湯気が立っているこんがりと焼けた、漫画肉のようなドでかい骨付き肉だ。


『こんがり肉』……しっかりと焼けたお肉。ダンジョン内で生物を燃やして倒した場合、一定確率でドロップ。


 これ美味しいのかな……?


 じゅるり。

 ドラゴンとしての本能か、それとも俺自身の食欲か……唾液が沢山分泌されて食べたくなってくる。香ばしい肉の匂いがさらに食欲を刺激し、ぐぅ~っとお腹が鳴った。


「まぁ、毒とか無さそうだし、腹が減っては戦はできぬって言うし……」


 自分に言い聞かせつつ人の頭より大きいこんがり肉を拾い上げ、地面に接地していた部分を手で軽く払う。


「――いただきます」


 豪快にガブリと齧《かじ》りつく。


「ん!!」


 美味い……なぜだかすっごく美味い!!


 噛んだ瞬間に内側から脂がジュワッと出てきた。肉自体は程よい硬さと弾力で鶏肉っぽい。人間より強くなった顎と鋭くなった犬歯で噛み千切れば、しっかりと中まで焼けているのが分かる。よく噛んでからゴクリと呑み込めばお腹の中にストンと落ち、空腹が少し満たされる。

 ガツガツと夢中で食べ続け、ものの一分程でぺろりと平らげてしまった。でも全然物足りない。


 ……まずいな。この体、超大食いだ。

 あれだけの質量を食べたのにお腹が全く膨らんでいない。もっと敵を燃やして、こんがり肉を手に入れないと。


「と、その前に薬草食べよう」


 食欲のせいで忘れてたけど、さっきの火球で手や顔が少し焼けてちょっとだけヒリヒリしてる。

 ストレージから薬草を取り出し、もしゃもしゃ食べてみる。


「……苦い」


 味はヨモギだがとにかく苦い。けれど効果はちゃんとあるようで、瞬く間に顔のヒリヒリが治った。ついでに焦げた髪も治った。

 棍棒を担いで移動を再開。

 二階はダンジョンらしく十字路や丁字路が多く、同じ景色が続いて道を覚えられそうにない。だから気の向くままに歩き、遭遇したホブゴブリンやゴブリンシャーマンを【ファイアブレス】で丸焼きにしながら進む。残念ながらこんがり肉はドロップしなかったが、あとちょっとでレベルが上がるまでゲージが伸びた。

 部屋の一つに到着。

 通路と違って草木が幾つか生えている。そのうちの一本の木に、リンゴみたいな赤くて丸い果実が沢山生っていた。


『アカマルの実』……ダンジョン内でのみ生育する果実。生育速度がかなり早く、沢山実る。


 むぅ、毒の有無は分からないか。

 あっ、ゴブリン。


 単体で動くそいつは木の下で落ちている真っ直ぐな枝を拾うと、手に持っている石ナイフとツタを加工して石槍を作った。


 あーそういうこと。

 ゴブリンが武器を持ってたのはここで作ってたからか。


 納得したところで、倒すべく走って接近。流石に草木の生えてる場所で火を吐くことはしない。

 ゴブリンは俺に気付いて悲鳴を上げたが、逃げ切れないと悟ったのか作りたての槍を構えた。わざわざ間合いに入る必要はないので手前で止まり、棍棒をぶん投げる。

 ホブゴブリンの時のように棍棒が顔面にめり込み、ゴブリンは倒れ、棍棒は跳ねて遠くに落ちた。

 ゴブリンから薬草が出て、『Lv.3』に上がった。

 薬草をストレージに仕舞ってから棍棒を拾いに行く。


「わっ、まだ壊れてない」


 拾って確認すると、先端の隅がちょこっと欠けてるぐらいだった。


「さて……アカマルの実はどんな味かな?」


 木に近づいてひと蹴りすれば、振動が枝葉へ伝わってアカマルの実がボトボトと大量に落ちた。頭に一個落ちた。

 拾い上げて汚れがないかだけ確認し、豪快に齧る。シャクシャクとした噛み応えがあって、アメリカンチェリーみたいな味。


「美味いな」


 毒は無さそう。

 一つを食べきり、落ちたアカマルの実を拾ってストレージに入れていく。そこそこ時間が掛かったが数十個のおやつを確保できた。

 部屋を出てアカマルの実を一つずつゆっくり食べながら歩き、途中でホブゴブリンを【ファイアブレス】で倒す。こんがり肉が四個もドロップした。


「なるほど。でかい奴ほどこんがり肉が手に入る量も増えるのか」


 回収してまた少し歩けば、新手に遭遇。

 人間の大人と同等サイズの屈強なゴブリン……『ゴブリンファイター』だ。鍛えられた肉体は美しさすら感じるが、顔は相変わらず醜い。

 そいつは真っ直ぐ俺に向かって来た。格闘戦に付き合ってやる必要はないので【ファイアブレス】。

 横に避けられたが、ブレスを薙ぎ払うように横に動かして丸焼きにした。こんがり肉が二個ドロップ。

 次の部屋に到着。

 この部屋は岩と石だらけで、円形の池がど真ん中にある。透明度の高い水で、底からクツクツと湧き出ている。

 で、部屋の隅の岩陰から物音がするので近づいて覗き込めば、ゴブリン十数体がせっせと石を割っては石ナイフに加工していた。まだこっちに気付いていない。


【ファイアブレス】!


 遠慮なく一網打尽に丸焼きにすれば、こんがり肉が数個ドロップした。おまけで薬草と毒消し草も数個ドロップ。


「よし。丁度水もあるし、一旦休憩しよう」


 アイテムを拾ってから池の近くに座り、食事を始めた。


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