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ドラゴン娘になった俺、ダンジョン攻略の果てに神になる。  作者: 覇気草


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第43話 ドラゴン娘、叛逆する



「飽きた」

「まぁそうなるよね」


 ワフを殴り続けた結果、だいぶスッキリしたせいか飽きてしまった。

 傍ではワフが大の字に倒れたままアリーナの天井を見つめている。


「で、どうするのシルドラ? いい加減、私の負けを認めてほしいんだけど」

「反省の色が見えないからダメ。ちょっと趣向を変えよう」


 殴るのを止め、アリーナの設定をちょっと弄ってから、一昔前に流行ったネットミームの奇怪な踊りをやってみた。BGMも神の力で付いている。


「うわっ、ナニソレ……」

「知らないのか? 反省を促すダンスだ」


 ドン引きされるが、それもそのはず。神でありドラゴン娘である今の俺は、一度も踊ったことのないダンスを曖昧な記憶からサルベージし、完璧にトレースしてキレッキレに踊っているのだから。


「~~~♪」


 興が乗ってきたのでついでに歌ってみる。自分の声なのに滅茶苦茶に綺麗で惚れ惚れする。しかもサビで流れる英語の歌唱がネイティブ並みにペラッペラだ。英語苦手だったのに。

 歌も終盤になったので神の力を使って分身し、派手にしてみた。ワフがさらにドン引きした。

 一通り踊りを終えたところで聞いてみる。


「どうだ、少しは反省したか?」

「……あー……引きはしたけど、歌と踊りは良かった」

「……」

「ちょちょちょっ、無言で踊りながら迫って来ないでっ! コワイ!」


 反省を促す為に分身して踊りながらジリジリと近づけば、ワフは慌てて後ずさった。そのまま至近距離まで迫って踊り続けてやる。


「どうだ、少しは反省したか?」

「さっきと同じセリフ!? これ私が反省するまで続けるつもりだよね? 分かった分かった分かりました。反省しましたから、止めてくださいお願いします!」


 …………まぁいいだろう。


 反省を促せたみたいなので良しとし、踊りを止めて分身も消す。


「さて、ぶっちゃけもう俺――私の目的は達成したから解放してもいいんだけど……」

「だけど?」

「……一巡させた世界で、私の居場所無くね?」

「んー……無いね。シルドラってダンジョンの天敵みたいな存在だから、ダンジョンの神としては出禁にするしかない」

「だろうな。猫社チエみたいに世界の外から他のモンスター娘に干渉して育成するっていうのもいいんだけど、まだちょっと闘争し足りない」

「そう? だったら、私と面白いことしない?」

「ふむ……聞くだけ聞こう」

「その前に一つ。この空間って外から覗き見とか盗聴とかされたりは?」

「しない。タイマン空間だからな、外からの干渉は空間の破壊以外に不可能だ」

「なら堂々と話せる。私と一緒に、チエとルシエールに叛逆しない?」

「詳しく」


 叛逆とは大きく出たな。闘争の予感がするし内容によっては共闘も吝かではない。


「世界を一巡させてダンジョンが最初から存在する世界になったはいいけど、これからやることは正直言って、ネット小説に溢れてるダンジョンものの物語でしかない。それだけじゃつまらないし、シルドラも闘争が足りないでしょ?」

「うむ」

「で、ここからが本題なんだけど……この世界そのものを完全にダンジョン化させて、他の世界に繋げて広げてみない?」

「お前、正気か!? それ世界を股に掛けた侵略だろ」

「だからいいじゃん。あの二人にとっても、別の世界にとっても、予想外で物語の刺激になる」

「確かに刺激にはなるが……」


 なんだろう、物凄くダメな予感しかしない。

 特に突拍子もなく動くワフだから、不安だ。


「ねぇいいでしょ? 一緒にやろうよ。シルドラは注意を引き付ける為に一巡した世界でダンジョンを荒らし回ってくれるだけでいいから。運が良ければチエかルシエールのどっちかが降臨して戦えるんじゃないかな」

「……上手くいくのか?」

「ダメだったら別の手を考えるだけさ。じゃっ、始めよっか♪ 神々の戦いを」


 まぁ、やってみるか。


 叛逆を決意し、俺はタイマン空間を解除した。

 既に世界は一巡を終えており、月の地表から大きな地球を眺める。


「よしよし。私の考えた通りの、最初からダンジョンが存在してる世界になってる。ついでにモンスター娘が種族として確立して人間と共存してる」

「文明レベルは?」

「前と変わらない。ただこの感じは……ダンジョンがスポーツ感覚の施設になってるかも」


 ダンジョンがスポーツ感覚?


「……それって、今を生きる人類が前よりかなり強いってことか?」

「そうみたい。人間とモンスター娘の混血が数千年も前から進んだ結果、人間は超人化して、モンスター娘はその数倍強い状態になってる」

「で、ダンジョンは?」

「私がいない間は変化が無かったら、現存してるダンジョンは完全攻略されちゃってる」

「ダメじゃねーか」


 絶対に神に近い英雄とか誕生してるだろうし……滾ってきたかも。


「あはは……じゃあ二人で降臨して、神の威光を知らしめよっか」

「ああ」


 一番強い奴を殴りつつ、ダンジョンを荒らしてやろう。

 ……これってよく考えたら、荒ぶる神では?




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