8話 プレゼントは、気持ちが大事だよねって話。
なんでだろ…。私が居ない間に一体何があった!? ってぐらい変な空気が流れてるんだけど…。折角、下まで降りて来たのに…行きたくない! 扉から異様な雰囲気が流れてる…近づきたくない。
「嫌だなぁ…。」
まだ、廊下なのに少し先にある扉の先…リビングルームの扉から、凄いやべぇ感じがと言うか重い雰囲気がこれでもか! って感じで出てるんだよなぁ。何でだよ! どう考えても家族の団らんスペースから漏れ出もいい雰囲気じゃなないんだけど!? ねぇ! 絶対、でもなぁ…何となく、何となくだけど、イオが呼んでる気がするんだよなぁ…。でも、今入るタイミングじゃないよね? あーどうしようかなぁ…。少しだけ近づいて、扉の前で考えているとシスターの声がした。
「あら、オペ…、え!? すっごい可愛い! オペラ! 可愛い! 可愛いわ! 何々?? まるでお人形見たい…いいえ、妖精ね! 似合ってる……アイツ本当にそー言うセンス“だけ”はあるわね。」
ど、どうしたの…シスター! 褒め方がなんか、うん。人形は、ギリ分かる! 可愛いもんね?? 私、主人公だし? いや、でも、妖精は違うと思うんだ! それは、言い過ぎって言うか…うーん。でも、可愛いって言われたのでお礼は言った。可愛いも似合ってるも嬉しいし!
「ぁ、ありがとう!」
「とっても似合ってるわ! …それにしても、」
でも、はーあ。溜息吐きながらも、服を触る手はまらない。触り心地いいもんね。私もさっきまでめっちゃ触ってたから。うんうんっと頷いていると、シスターにそろそろ料理出来るから持って行くわね。っと言われ、颯爽と戻って行った。
「ぁーこれ、私が声掛けに行くのかぁ…。うう。ヤダなぁ…。」
そうして戻ってきたリビングルームの扉の前…うー嫌だ…果てしなく嫌だなぁ…。あの中に入る勇気はないんだけど。
「でも、ここで悩んでても意味ないし…」
ええい! 女は度胸だ! それに、もう少しで、ご飯!! 私の誕生日のお祝いのご飯が! 来るんだから! よし! 行くぞ! そう覚悟を決めて、扉を開け…服は良いか。シスターも可愛いって言わたし! 可愛いよね! だって私! 主人公だもん! よし 行くぜ!
「みんな~! シスターがご飯出来たって!」
意気揚々と扉を開けると何故かシーッとしていた。そして、3人が見つめるのは私…と言うか服に身を纏った私? な、何故!? っは! 私があんまりにも可愛いから!? 主人公だし当然と言えば当然! どんな洋服でも着こなしてみせるぜ! 今なら何でも着れる! ふふん! 腰に手を当ててドヤる私。
「「「………」」」
それから、たっぷり5秒…。
なんで、誰1人として話てくれないんだ…。え、やっぱり、私が…私が可愛いから!? いや、…まさか、全員…私があんまりにも可愛すぎて、固まってるって事!? でもでも、神父様の本命はシスターなのに…! くっ! 私が可愛すぎて…3人をメロメロにしてしまった…って事!?
「…えーっと。」
更に10秒…
ごめんなさい。何で誰も声かけないの?? ねぇ! 話して欲しいんだけ度…シーンってする事ある?? 部屋の中で全然音がしないって事ある?? ねぇ!?
「オペラ」
「は、はい!」
困惑していた私を今まで、静かに見つめてイオの口が開き、名前を呼ばれてみると、綺麗な顔で私を見ていた。え、何?? めっちゃいい顔してんだけど…!? そのままイオに近づくと手を握られた。え? 何!? 何!?
「うん。可愛い。あーでも、靴がありゃ完璧だったな。今度作ってくるな。」
私…困惑…なんて? 靴を…作るの!? え、必要かな?
「え、い、いる??」
「いる。」
なんて、力強く頷くんだ…。そ、そっかぁ…。取り敢えず、買うかな。
「今度、持ってくるからそこまでは着るなよ。」
「わ、わかった。」
私の心の中を読まないで欲しい…。
「よし。」
凄い笑顔だった事だけ覚えておこう…。それから、シスターが料理を持ってきてくれた。両手には大皿に入っているサラダと肉料理をテーブルに置いて行く。私も何かしないと!
「私もお手伝いする!」
「あら、オペラはお誕生日の主役よ? 手伝いなら、そこの暇そうな男にさせるわ!」
笑って、イオを見るシスターの目は笑っていなかった。
「…へいへい。 オペラこっちへ、おいで。」
そう言って私の手を取る姿はなんだか慣れてる。くっ! 絵になるな。…こー言うのが、えぇーっと、あ! “スチル”とか言う写真…? になるのかなぁ。でも、分かる! チラッとイオを見ると、笑顔で私を椅子の近くまで歩いてくれる。それだけでも! それだけでも、めっちゃ格好いいもん! そりゃ人気にもなるよなぁ…。そんな事を考えていると、いつの間にか椅子を引かれた。な、なんてスマートなんだ…。
「どうぞ。お姫様。」
その上、こんな言葉今まで言われた事無いんだけど!? 綺麗に笑って、促されたので…座ってしまった。
「…っ。あ、ありがとう。」
「いいえ。…んじゃ、手伝ってくるよ。」
そう言って、さわやかにシスターの手伝いに行った。その後、一瞬で静かになったリビングルームで私の驚きの声が響く。
「な、なんか、え? えぇ~?」
なんか…え?? 何々!? すっごい王子様みたいな感じなんだけど!? 普通なの!? あれ…え?? 戸惑って頭にハテナマークが沢山出ている私に神父様が声を掛ける。
「オペラ…貴族はあのぐらい普通だよ。」
「そーなんですか!? 」
なんてこったい…前世同様、あんな王子様ムーブされた事無いからわからないんだけど…。ホテルで椅子を引いてもらった事ぐらいしかない! 乏しい経験値では、あのぐらいですら驚きなんだけど!? やばい??
「そうだねぇ。うーん。穏やかな所だからって、過信してたからねぇ。…うーん。ゴールド。」
「…はぁ。そ…うですね。穏やか過ぎて忘れていました。教会があるのです。隠れて貴族がやって来る…事も考え無ければいけませんね。オペラも後、1年で7歳ですし、魔法の先生も呼んだ方がいいでしょう。見つかるまで私が見ても…」
なんか、田舎を穏やかな場所ってオブラートに包みながら私の教育について話してません??
「あ、イオが教えてくれるって言ってました。」
「いいかも…は?」
「おや、あの悪…。あの子が言ったのかい?」
悪魔って言いかけた? そして、ごめんイオ。私が、思い出した言葉を口にしたらから…神父様とおじさんの顔の表情が一瞬で固まってしまった。その上、更に空気が重くなった気がする…。
「は、はい。そうです。」
…思ったんだけど、こー言うのって、あれか? 後々ばれたら、田舎娘の分際で武を弁えろ! って事、いちゃもんつけられないのか心配になるんだけど…。私…大丈夫かな。はははは…。
「ほぉ。そうか…うんうん。あ、ゴールド。納屋に昔使ってた剣があるよ。勿論! 切れ味もいいよ。」
「そうですか。ありがとうございます。いや〜。久しぶりに体を動かしたくなりましたね。あ、シルバー。君が使ってた大斧だけどね。加護が切れていたら掛け直して置きましたよ。」
「おや、ありがとう。」
はははは…。あはははは。そう笑う2人の顔が一切笑っていなくて何をするのか聞けないまま、私の誕生日会が始まった。
戻ってきたイオは2人の異様な雰囲気に何かを察したのか笑ってた。私は目を合わせられなくて…。内心謝った。ごめん…。
ご飯も勿論の事、ケーキも美味しくて泣きそうになった。その上更に、3人からそれぞれプレゼントも貰って泣いてしまった。
庭師のおじさんからは、小さいナイフ。果物や小枝などに役に立つよ。って言われた。実際に果物を切ったら切った感触ないのに切れてて、切れ味がめちゃくちゃ良くて逆に怖かった。…なんとか石を使たんだって言ってた。イオがちょっと引いて、小声で豪邸買える値段の石をナイフに加工したのかって、言ったのが聞こえたけど、聞かなかった事にして貰った。
神父様からは、魔石のネックレスだ。神父様の守り加護がかけられている。一度だけ身代わりになってくれるらしい。凄過ぎてビビる。私は誰かに襲われる可能性を秘めていてそのお守りかな? 取り敢えず肌身離さず持つことにした…。なんか、王都の高級宿屋1泊分の値段って隣から聞こえたけど…無視した。
シスターからは、花柄のレースのあしらわれた可愛い白いローブだった。未だに、肌寒くてちょっと良いと思ったら、纏った人間の温度によって変化する魔法のローブだった。私が寒かったら暖かくなるし、暑かったら涼しくなる…らしい。なんでも、裏地の内側に魔法陣を魔法の糸だか、魔力の糸で作り上げていると仰っていました。王族御用達の服屋の服と同じ手法って聞こえた…けど、聞かなかった事にした。
だって、こー言うのは”気持ち”の問題だもの! そう! 全ては、気持ち! 金額なんて関係ない! ぶっちゃけ身に着けてたらバレないし! そう思わないと! 今更ながら、私の家族は只者では無いとビビっていたら、まさかのイオから追加でプレゼントもらった。え、なんで??
中身は、透明のマニキュアだった。なんでも、特別なマニキュアらしい。使ってる相手の場所が分かるらしい。心の中で、これって、前世で言う、はっしん…。いやいや…例え魔法があったとしても…うん。考えるのはやめよう。 後、これ絶対高いじゃん! そう思ったけど、もう…何も言うまい。
オペラが貰ったプレゼントは、金額というか材料費が高いので、加工とかした普通です。
ただし、見る人が見たら馬鹿みたいに高額だし、金額に換算したら、この世界だと一生働かずに遊べる感じです。
ただ、4人共金額とか一切考えて無くて、喜んで欲しい気持ちと危険な事から守りたいって気持ちの方が大きいのでその辺は考えてないでよ。たぶんね!




