7話 情報共有
今回は、男3人の会話です!
「さて…っと…で?」
オペラの気配が2階に消えてから口を開く。
「何か?」
「白々しいな。俺に聞きたい事でもあったんだろう?」
まぁ、さっきの話の続きだろうなぁ…なんかさっきから重いんだよ空気が。はぁーあ。だりぃ
「まぁね。僕達も一応、情報は掴んでいるよ。ただ、王都程情報は無くてね?」
うわぁ。隠さねぇのな。ニコニコ笑顔消えてんじゃん。ほんと、アニスとオペラには甘いのに俺にって…いや、貴族全般には厳しいよなぁ。
「はぁー。」
「あ、紅茶無くなったね。おかわりは?」
「あー。貰う。」
言わないって選択肢もあるけど…、コイツと腹の探り合いってめんどくさいんだよな。それに、伝えておいた方が、後々楽だし。まぁ、親父もお袋も分かってるだろうし…いいか。
「そーだなぁ。ここ最近。王都付近で、“誘拐未遂”が多発している。」
「ははは…誘拐、凄いね。王族のお膝元だろうに。」
つっても、未遂だからな。だから、まだそれほど広まってない。舐められてるのかなぁ~っと馬鹿にしながら、紅茶を入れて俺に渡すコールド。いい香りだな。本当に、紅茶には五月蠅いからなアニスが…だからなのか、コールドの奴が王室のメイドに弟子入りして入れ方習ってたもんなぁ。あれは、引いたなぁ。好きな奴の為にそこまでするか? いや、今なら、俺もする…今度習っとくか。
「教会の動きは?」
シルバーも受け取った紅茶を飲みながら聞く。
「あー…。聞く?」
「……いや、いい。大体わかった。ここ最近、こちらでは“誘拐”が頻発しているらしい。」
「へぇ。“未遂”じゃなくて、“誘拐”か。」
「そうだ。」
気を付けてはいるんだけどね。言うシルバーは複雑な顔をしていた。多分、ギルトの受付嬢の子に聞いたんだろうし、自分でも言ったんだろう。相変わらずだな。
「一応、誘拐された子は見つかったんだ。」
王都はまだ、人の目があるが、こっちは小さな町や村が多い。王都や隣国みたいに、騎士団が居るわけでもない。ここは、デカい町だから小規模だがギルトや教会はあるが、少人数だからなぁ。
「そうか。」
「まぁ、結構衰弱していたんだけど、この前会いに行って、話を聞けたんだ。」
怖がらせない様に、庭に咲いた。花を持っていたんだ。喜んでくれたよ。そう言うシルバーに苦笑いするしか出来ない俺。
「…そう。良かったな。」
流石だ。きっと、それでその子の初恋を奪ったんだろうなぁ。さっき、花束持って現れた時思ったよ。お前これからプロポーズでもするのか?? って。隣に居たオペラも苦笑いしてたぞ。
「その子が言うには、目が覚めたら不思議な空間に居たらしいんだ。」
「不思議な空間?」
なんでも、光の中にいる様な感覚だったらしい。その光の中で、綺麗で美しい“少女”に会ったと言っていた。とても綺麗な女の子。まるで、おとぎ話に出てくるお姫様の様だと良いっていたよ。それか、教会で見た事のある聖女様の様だと…。
「聖女様ねぇ。」
「ああ。最後は興奮気味になって来てね。異常だったよ。私と話していた時も目線が合わなくてね。いや~あれは怖いね。ははは。」
笑い事じゃなって。相変わらず緩くて、雑いんだよな。に
「洗脳でもされたのか?」
「だと良いんだけどね。 なんて言うか、崇拝に近かったよ。」
「崇拝…ね。」
崇拝かぁ…洗脳よりめんどくさい。洗脳は最悪解けばいいけど、崇拝は、正常で異常になるからなぁ。元々イカれた奴を通常にするなんて無理だしなぁ。はぁーマジかぁ。
「はっはは、嫌そうな顔だな。流石、未だに“崇拝”されてる奴は違うなぁ。」
「何楽しそうにしてんだよ。お前も似たようなもんだろう。コールド」
あざ笑う様に言われて、お前も同じだろーが。同じ狢同士仲良くしようぜ?
「いやいや、僕なんて全然だよ。それにヤバい奴はきっちり“掃除”したからね。」
怖ぇな。アニスに危害を加えそうな奴らにきっちり調教してたもんな。その内何人かは人格から変えてたから、お前裏で人格更生者って敬われてたな。ガチで怖かったわ。内容聞いたけど…。まぁ、お陰で諜報員増えたんだよな…。表では信者が増えたねって言われてたな。
「…はぁ。俺もするかな。」
把握はしてたんだけど、今まで怠くて…気にはして無かったんだけど…俺もやるか。選別。オペラに何かあったら嫌だし。
「後、噂を聞いたんだよ。」
言う声は少し硬かった。
「噂?」
「聖少女教団って言う教団を知ってるかい?」
そう俺に問いかけるシルバーの顔はどう考えても知ってるだろ? と言う目線を向けてくる。
「…ここでその名が出るって事は、聞いたのか?」
「噂だと言っただろう? まぁ、でもギルドマスターから聞いたんだよ。」
「えぇ…マジかぁ。」
おかしいなぁ。一部の奴しか知らねぇはずなんだけど、相変わらず一体どこから情報得てんのか気になるな。敵にしたくねぇんだよなぁ。
「実態はどこまで知っているんだ? 君の事だ、大体の所までは掴んでいるんだろう?」
「一応は…な。」
「言え。」
「お、お前…嘘だろ。本当に、アニスとオペラ居ないと口悪いよな。」
「はっ? なんで、お前等しかいねぇーのに?」
鼻で嗤われた。おい、高圧的な“昔”の口調戻ってんぞ? お前、ほんと、そー言う所だけど! お前が聖騎士の時もさぁ! アニスの前ではめちゃくちゃ猫かぶりってたよな!? いない時の差が激しくて風邪引くと思ったな。裏で、魔王って言われてたの知ってんだぞ?
「…はぁ。なんで、こんな奴が…」
「んだよ。」
「はいはい。所で、“聖女教団”ね。知ってるよ…っつても、大まかにしか知らねぇーけど。そーだなぁ…。あー。問題! 何を信仰しているでしょうーか!」
「聖女だろ。」
「正解!」
パチンっと指を鳴らすと舌打された。おいおい。
「んで? その教団の教祖は“聖女”か?」
「いいや。違う。」
首を振り否定する。そのまま紅茶を飲む。はぁ。雰囲気重くなった。オペラ! アニス! 早く戻って来てほしい。俺1人じゃ耐えられない! 何でこんな攻撃的なんだよ! 俺が教えてるのに…。
「おや? そうなのか。」
「最初に言っておくと、その教団には生きてる聖女はいない。」
「…は? いない? それはどう言う事だい?」
驚くシルバーとコールドに更に言葉を重ねる。
「あの教団に“聖女”は存在しない。言ったろ? “生きてる”のは、あるのは死体だ。」
「…あ゛?」
「怖ぇよ。その顔で2人の前に出んなよ?」
「…どう言う意味だい?」
問いかける、シルバーの声が驚きを隠せない。
「死体っても…聖女のな。なら…死んでも神気を纏ってる。いわば聖遺物だ。それを信仰している。」
聖女とは“神”の力をその身に宿し使う事が出来る少女の事だ。少女は、ある日神様に選ばれるか教会からの試験を受ける事で授かる事が出来るらしい。最近は、後者が多い。それでも、聖女になる為の試験は困難を極める。何より、試験を受けるにも条件がある。
「…まさか、本物なのか!?」
言われて頷く。
「…何人だ?」
「正確にはわかなねぇーけど、でも確実に5人。」
“最初の聖女”と呼ばれる少女が9人存在する。その少女達は紛れもない“本物”だった。
「その“聖遺物”が本物の聖女様の死体と言う事か?」
「ああ。確実な事は言えねぇーが…。1度視た事がある。」
“聖女”とは、ある日神の声が聞こえ神によって、選ばれる存在だ。
人ならざる力…神の一部を頂くことで力を行使できる。体の一部に現れる模様が体の一部に宿る。そうして生まれるのが“聖女”だ。ここ最近現れたという話は聞かない。
「本物ねぇ…今更だろ。それに、教会に居るのだって、聖女だろうに。」
ただ、聖女も1人の人間だ。その為、教会が聖女の為の手足として“聖女候補”を選んだ。決して裏切らない様に、安全で安心して聖女が役目が出来る様に…。
ただ、ある時期から聖女が生まれなくなった。その苦肉の策として、教会から選ばれた少女を“聖女”とした。表では祝福されるが、裏では、“偽物”と言われ陰で“贋作聖女”と言われている。
「…密偵に探らせてるが、不思議な空間ってのは、1年前にオペラがぶっ壊した施設に間違いねぇーだろ。あの時、“堕ちてた”時にオペラを見た。その時一瞬だが、“少女”が見えた。おそらく“アグネス・シルビィー”。だろう。」
硝子で出来た綺麗な水晶の中に四肢が切り離された状態で目は瞑ってたな。綺麗な保存状態だったのは驚いたよ。
「…成程。で? 何すんだ? 子供を誘拐して本物様に合わせて“信仰”でもさせてその力を集めて、“生き返らせる”のか?」
馬鹿らしい…そう言いながら吐き捨てるが、強ち間違っては無いと思うんだよなぁ。信仰力ってのも集まれば力になる。
「なぁ、誘拐されてる女の子ってそれぐらいの年齢の子だと思う?」
カップの中の紅茶を飲み干して問いかける。まぁ、調査してんだからきっと分かってるだろうが、情報の共有は必要だしな…。
「確か、誘拐された子は、5~6歳の子が多かったね。」
「ああ。」
「成程…“神の子”か。」
「せいかーい!」
パチパチパチっと拍手をしたら凄い顔された。ひでぇな。
「7歳までは子供は神様になりうる。で、ここからが問題なんだけど。」
子供は7歳までは神の子としている。そして、この村に居る子供も6~7歳の子供が多い。
「問題?」
「そいつらは、“光”と“聖”魔法を使える少女を狙ってる。てか、こっちが本命だと思う。王都の誘拐未遂で狙われた子の多くがそうだった。……それと、コレはオフレコで頼むな? 1人だけ教団に攫われて連れた子がいたんだ。その子は“聖女候補”だ。」
「おい。」
「隠蔽したんだよ。国民の恐怖を無駄に煽りたくないから…とか最もらしい言葉言って。何より、その攫われた子は孤児だった。だから…な?」
まぁ、孤児だからって言っても聖女候補だったから捜索は隠れてやったよ。それで、その子は心を閉ざした。話す事も動くことも出来るけど…誰も信じられなくなったと…。まぁ、そうだよな。約半年だ。助け出されるまで…教団に捕らえられている時を恐怖だっただろう。
「相変わらず腐ってんだなぁ。ははは」
コールドの言い分は分かるが、お前、今神父だからな?
「んで、見つかった時は、変な魔法陣の上に居たらしいんだ。」
広い空間の中、鈍く光ってる魔法陣が書かれた中に両手両足を繋がれた状態で、目を明けたまま上にあった硝子の水晶を見つめていたらしい。周りには何も無かったらしいけど。中にあったのは…手だ。
「……ふむ。生きてる事にまずは感謝だね。」
そう言いながらも何とも言えない表情をしているシルバーに頷いた。
「そうだな。んで、おそらく。オペラも狙われる。」
「…わかった。」
「頼むな。特に、7歳の時に魔法分かるだろ? 用心しておけ」
「そうだね。」
「ああ。後、十中八九、オペラの魔法は“光”と“聖”魔法の2種類は確実だからな。」
言うが、怪訝な顔をされた。まぁ、だろうな。何故知ってる? って聞かれても、アイツが主人公だし、そう聞いたから…なんて言えねぇんだよな。それに、“見た”からな。
「何故わかる?」
「光魔法なのは分かるよな?」
「…ああ。それは6歳の時に分かったからね。でも“聖”魔法なのは分からないだろ?」
「秘密」
ニコっと嗤って言うと、一瞬で2人から凄い量の殺気が俺に向けられる。おかげで、コップにひびが入った。コレ、お客様用じゃねーの? 大丈夫か? そう思いながら2人を見る。
「……」
「言えない。でも情報は本当。」
「………はぁ。わかった。いいよ。コールド」
「…っち。わかった。他にもわかった事は後でいい。喋れよ。」
そう言った瞬間扉が開いて、可愛いオペラが顔を出した。
ちょっと不穏な会話をしてます。
コールドはアニスとオペラが居ない時は、ものすっごい口が悪いのにめっちゃ信者がいる。本人も何故か分かってない。
シルバーは普通ですが近所の奥様方と小さな子にモテて陰で初恋泥棒だと言われてます。
ヴィオラは、見た目が綺麗で美しいと言われて信者がいる。本人は引いてる。




