24話 偉い人の子供も大変なんだなぁ…。
多分、あと3話ほど続く予定です!
「起きたか?」
優しい声がして、瞼を開くと一番に、イオの笑った顔が目に入る。
「うん。めっちゃ寝れた!」
ぐっと伸びをしてゆっくり立って体を左右に動かす。んー。やっぱり昨日はちゃんと寝れて無かったんだなぁ。疲れてたのは間違いないけど…睡眠と言うより気絶に近かったのかな? 今日は、ちゃんと寝よう。昼寝しちゃったけど…。
「うんうん。成長期なんだから、ちゃんと寝るんだよ。」
「…っぁ。」
声のした方をみると、ニッコリと微笑んでいらっやる聖王様。え、見られ!?
「っ!? っは…ぁ、あ、あの! す、みません!」
思わず、反射で謝り頭を下げる私。あーやっちゃたぁぁぁ! いくら眠いとは言え、教会の偉い人の前で寝るなんて…これは、え? や、やばいかな!? 変な汗かいてきた。下げたまま、ギギギっと固まる首を何とか動かし、隣のイオを見るが笑って大丈夫だと頭を撫でられる。何故そんな笑える…んだ!?
「気にすんな。大人には厳しいけど、子供には激甘だから。」
「むっ! 心外だな。大人にもとーっても優しいよぉ?」
ニコリと笑顔で言う顔には、なんだか含みを帯びていた気がする…ぇ、怖い。
「…そうだなぁ。自分の2人の息子の長男の成人してからアホ程厳しくなったもんな。」
そう遠い目で言うイオに、きっと何かに巻き込まれたんだろうと容易に想像がついた。可哀想に…。そう言えば、この世界の成人って何歳なんだろう? 前世と同じ年かな?
「そうなんだ…因みに、成人って何歳なの?」
「ああ、15歳だ。丁度、学園の卒業する年齢だな。」
そう言って、こっそり教えてくれた。この世界では、成人って15歳なんだ…早いなぁ。あ、でも、お酒は20歳以上だった…。
「長男さんは15歳って事?」
「あーいや、確か20歳だよな。」
大人だった…いい方的に15歳、16歳ぐらいだと思ってた。二十歳か…。修羅場めっちゃくぐってそうだな。
「そうだね。もう直ぐ、帰って来ると思うよ。」
ああ、今は居ないって事か。ちょっと見たかった。
「うわぁ。お前、また飛ばしたのか?」
「失礼だな。君は! 修行だよ! 修行! 儂そんな人でなしじゃないんだけど!?」
「なら、お前は覚えてんのか? アイツがどこ行ったか。」
「え? あーああ、確か、獣人族の国…だよね?」
え、うる覚えで大丈夫なのか? ご自分のお子さんですよね? てか、
「獣人…族…。」
何それ、気になる! この世界の獣人族…別の種族の国!! 気になる!! 凄く気になる!! けど、もっと気になる話題がイオの口から出る。
「へぇー。ファン増やすんだな。んで、まーた、自称婚約者がでで来るんだなぁ。」
はっはは〜と目が死んだ顔で言う。ああ…それも巻き込まれたのか。かっこいいもんね! イオ。頑張ったんだろうなぁ。イオの手を軽く握ると握り返される。心なしか手が冷たい気がする。
「いやーほんと勘弁してほしいよねぇ。」
「なら、何とかしろよ。手ぐらい打てよ。だるいんだよ! 俺が!」
うんうん頷くマグダラさん。またって、ああ、やっぱりイオ、巻き込まれたんだなぁ…。でも、そうだなよね? だって、《《この世界は乙女ゲームの世界》》だもんね!? ビジュアルは、絶対に! いいはずだよね? え、待って? つまり、攻略対象…? チラッとイオを見ると目が合い頷かれた。…そっかぁ。年上の攻略対象さんかぁ。
「いっやぁ〜そーなんだけどねぇ〜。だってさぁ、相手が、獣人族の3番目のお姫様なんだってぇ。いや~困ったねぇ。断ってるんだけど。諦めなくてね。」
3番目って言ってもお姫様だしぃ~。愛人でも側室でもいいからと帰る日までほぼ毎日部屋まで来ていたらしい。礼拝の時間を邪魔された時は笑顔でキレたらしく、それ以降は礼拝の時間以外を狙ってくるらしい。凄いガッツがあるな。獣人族のお姫様。それにしてもよく我慢したよね。招かれてるからってのもあるのかな。すっごい精神力だなぁ。後、さっきから、聖王様言葉の端々に棘があるなぁ。それだけ迷惑だったのか。
「…あー。つか、アイツもよく我慢したよな。」
「そうだね。いや~でも、手紙にはとても口に出来ない程の事が書かれてたけど…。」
「うわぁ~。そう言えば、向こうは一夫多妻制なんだっけ?」
「そうだね。”子孫繫栄”を第一にっと、考える国だしね。」
「あー。戻った食事に誘うか、稽古のどっちが良いか聞いておいてくれ。」
あんまりにも不憫だと思ったのかイオが苦笑しながら提案してた。凄いな。一夫多妻なんだ。聖職者ってその手の事も言い寄られたりするんだぁ。まぁ、顔のビジュが良いのは大変だなぁ。ん? でも、そう考えると、イオの顔も良いよね?? これは、私もうかうかしてられない! 自分磨きを頑張らないと! そう私は、勝手に決意を新たにした。隣が私が笑われた日には、イオに顔向け出来ない!!
「あ、そうしてくれる? 有難う。頼むよ。」
「ああ。って事で帰るわ。邪魔したな。」
「いいよ。次こそ”食事”一緒にしよう。気を付けてね。オペラさん。ヴィオラ。」
「お前もな。マグダラ。」
「お邪魔しました。」
ニコっと笑う顔は優しそうな顔だった。なんか孫とおじいちゃん見ないな関係だな。頭を下げで部屋を後にした。そのまま、教会の外に出ると日はすっかり真上にある。お昼は過ぎてる。
「めっちゃ濃い内容だった…」
私が寝てる時が一番濃かったんだろな話の内容。はぁ。面倒くさい事にならないと良いなぁ。取り敢えず、攻略対象が教会の聖王様の息子さんってのが分かっただけでも良かった。うん。名前聞き忘れたけど、いっか。必要になったらイオが教えてくれるか。
「まだまだ、序の口。」
「…だよね。」
イオの言葉を聞きながら、頷く私に、更に言葉を重ねる。
「てか、これストーリーのメインは進んでねぇーからな?」
「…あー。うん。何となく分かる。」
分かってるよ! だって、私、7歳だもん! ゲームのストーリーが進むのって私が学園に入ってからでしょう?? 私もそこは知ってるんだよ! ん? てか、メイン? って言った? って事は、つまり?
「サイドストーリー…?」
「いや、悪役令嬢救済処置って覚えてるか?」
「え? う、うん。主人公を苦しめようぜ! って言う呪われた装置でしょう?」
現在進行形で、この世界のストーリー…私からしたら有難迷惑な装置の名前…。めちゃくちゃ嫌な話だ。
「そんな、意味じゃ…いや、合ってるか?」
「それがどうしたの?」
「俺は聞いただけだから、どうなるかわらかねぇーが、ここからストーリーが、本格的に入り込んでくるらしい。」
「え? ま、じ?」
私《主人公》が死ぬ程苦しむって事?? メインストーリーすら分からない私に??
「ああ。オペラの”魔法”が、分かってから進む…らしいんだけど。」
「へぇ~。」
それしか、言えない! イオが一応は進んでるって言ってるけど、私には、これからの事の方が嫌なんだけど! てか、メインストーリーは進まないのに、悪役令嬢救済処置の方のストーリーは動くの!?
「ま、取り敢えず、備えるだけはしようぜ?」
「妹様は何が起こるか知らないって事だよね?」
「ああ。滅茶苦茶ストーリーが進むのがめちゃくちゃ遅いし、メインストーリーと絡んでる時もあるって事だなぁ。それに、2週目の途中でアイツ事故って死んじまったらしいんだよねぇ。」
亀の歩みぐれぇーってキレれてた。苦笑いしてた。なんだよ。ゲームのストーリーの進み具合が亀の歩みって! めちゃくちゃ遅いじゃないか? ゲームならクレーム来るレベルだからね!? てか、妹様事故で死んじゃったんだ…それを勝手に話すのは駄目なのでは? いいのか?
「まぁ、いいか。あ、昼飯何食う? 王都に負けず劣らず…てか、”食”に関したら王都より上って言われてる。」
確かにお腹空いたけど、”まぁいいや”って終わらせないで欲しい内容だったんだけど…。いや、歩きながら話す内容でもなかったけど!
「え、そうなの!?」
何それめっちゃ期待値上げるじゃん! 前世から”食事”に関してだけ、凄い五月蠅かったからね!
「そういえば、何で聖王様は、ここにいるの? 王都じゃないの? 普通は。」
「普通はなぁ。」
どちらかと言うと、ここは都会に近い田舎って感じなんだよね。まぁ、”聖女”様を祀ってるから、田舎ではないよね? 内心、聖女様を売りにした特産品とかあると思ってたけど。うん。ごめんて…売り上げにつながるのかな? って思ったよ! あ、でも…。
「この、”聖王様饅頭”っておいしいね。ケーキの生地を薄くして、中にクリーム…入ってて。」
手に持っているのは、先程、教会から出て見つけた露店が何件か立ち並んでいる。その中の1つから、甘い匂いがした。近づくと、”聖王様饅頭”と書いてある看板に、聖王様の姿をかたどった焼き菓子。お、おお。驚く私に露店主のおじさんが、旨いよっと笑って言われた。
「おっさん。1つくれ。」
「おいおい。兄ちゃん! 2人居るんだから2つ買ってくれよ! デートだろ?」
「デートはデートだけど、残念ながら、これから昼飯だ。」
「ちぇー。それは仕方ねぇーな。なら、1つだな。はいよ。可愛い嬢ちゃん。イケメンの兄ちゃんに旨いもん。奢って貰いなよ! はい。1つね。熱いからな」
そう言って、聖王様の形の饅頭は薄くて、白い紙に巻かれた。せ、せい、聖王様…。
「オペラ。」
「え、あー。うん。」
名前を呼ばれ、振り向くと手を出される。饅頭を渡せと言う事らしい。そのまま、渡した次の瞬間、聖王様饅頭は、腹から2つに引き裂いた。
「はい。」
「お、え…容赦ないね?」
「あ、腹の所が多いし、ちょっと熱いから気を付けろよ?」
「…う、ん。ありがとう。」
違う。そーじゃないんだよ! 私の言葉すっごい無視してるね!? 興味無いの!?
いや、うん興味無いんだね? 3つ口で食べ終えたもんね…。考えるのは、やめて、私も食べよ。
「っ…熱ぃけど、うん。美味しい。丁度いい甘さ!」
「美味いよなぁ。小腹とか空いた時とかに良いし。」
「うん! 美味しい。中に入ってる”クリーム”が外の生地と一緒に食べたら丁度いい甘さ!」
でも、私このクリームって言うか…その、多分だけど、コレ、カスタードクリームだよね? ぶっちゃけ、前世の”たい焼き”じゃんって思った私は悪くないよね? これで、あんこ入ってたら、完全に作った奴は私と同郷の人だと思っ…ごめん半分ぐらい、コレ作った人は同郷の人って思ってる。
「本当は、”聖女様”にするか迷ったんだけど、どう考えても、特産品か土産になって売り上げ貢献になるだろ?」
「う、うん。」
「教会的には、黙認出来ないって話になって中止になった。」
「ほう? え?」
でも、いい案なんじゃ? そう考えているとイオも頷きながら言葉を続ける。
「だから、マグダラの”趣味”って事で、売り上げの半分は教会の支援金にして教会の維持費にしてるんだよ。」
「教会にとって、”神聖な存在”…だから?」
「ああ。」
って事は、身体張ってるなぁ。聖王様…。だから、こんなに栄えてる…いや、一端はありそうだけど。
「ふーん。でも、なんか、”有名”に成ったら王族様がちょっかい入れてきそうだけど。」
特産品みたいなの出したら色々文句言われそうなのに、大丈夫なんだなぁ…とか思ってたら違った見たい。
「あー。それなぁ。現国王とマグダラが喧嘩したんだ。」
「喧嘩?」
「ああ。内容までは知らねぇーんだけどなぁ。」
「へー。」
あの時も大変だったなぁ。っと遠い目をし始めたので、無いも聞かない事にした。きっと、それも巻き込まれたんだろなぁ。美人で、強かったら色々大変なんだなぁ。
「あ、そう言えば、いつ戻るの? 子供の姿」
「こっちが本体。あっちは魔法で子供の姿になってた。」
「へ?」
笑って、抱き上げられた。ぐっと距離が縮む。綺麗なご尊顔がドアップで私の目に間にある。
「で? どう思う?」
「…どうって、大丈夫? ロリコンって思われない?」
「嘘だろ? 今の俺の姿の感想聞いたのに、逆に、心配されたんだけど。」
泣いていい? そう言いながら片手で抱きかかえながら、空いてる手で私の頬を指で突く。
「いや、恰好いいのは恰好良いよ。綺麗なだと見惚れるよ?? でもね? 客観的に見て、大丈夫かな…って!」
だって、構図的に小さい女の子…私を抱き上げてるんだよ? しかも、自分で言うのもなんだけど! 可愛い女の子なんだよ?
「ヘーキヘーキ。オペラ可愛いから…な?」
何が、”な?”なのは分からないけど、そこは空気を読んで頷いた私は偉いと思った。少しして、イオが足を止めたのは、”青空とパイ”っと書かれたお店だった。
「ここの”パイ”が美味いってマグダラが褒めてな。」
「ふーん? それは楽しみ!」
聖王様のお墨付きならすっごい期待が持てる! そう言ってイオは私を抱えたまま中に入った。内心、降ろして欲しかったけど、イオが嬉しそうだったので黙っておいた。
拝啓、何かと見てくださる皆様…。パソコン壊れて、携帯で書けないので…あー終わりだとか絶望しておりましたが、何とか新しいパソコンをゲット出来て楽しく書けてます! よかったぁ~。
因みに、このデートの回終わったら…主人公がいろいろ大変な事になったり…ならなかったりするので!
※四肢の欠損、暴力、戦闘等はがっつり入りますので…まぁ、楽しみにしていてくださいね! 私も楽しみです!




