23話 優しくて強いけど、変な人らしい…。
大好きなアニメのイベントがあったので、その準備が忙しく中々更新できませんでしたが、終わったので、また、ちょくちょく更新します。
部屋に入るとマグダラと名乗ったおじ様と機嫌が悪そうな白銀の髪の青年がいた。何故かめっちゃ睨まれている。何故だ…てか、せ、青年!? あ、もしかして、 イオか…いや、んん? 身長が…伸びてない? なんで? いや、まぁ実年齢知らないから、体って自由に成長出来るのか…何それずるい!! って、そうじゃない!
「は、初めまして! 」
「はは。初めまして。」
頭を下げると、ニコリと笑顔で答えてくれる。え、笑顔が眩しい…。後光差してるんだけど…。め、目がぁ。
「おい、何遊んでんだ。」
イオの声で慌てて頭を下げる。
「ぁー、っと。オペラ・グローリーと申します。」
「あはは…。別にいいじゃないか。堅苦しい事は。ここには、私と君しかいないんだ。」
「っつてもなぁ。威厳あるだろ。…はぁ。オペラ。」
その口の利き方はいいのか? とか思わないわけではない。きっと2人は旧知の仲なのだろ。それに、この人が言う様に私達しかいな。なーんて口が裂けても言わない。私偉い! そう心の中で思いながら返事をする。
「はぁーい。」
「何、変な顔してんだよ。」
隣に座るとやっぱり身長が違う! くぅぅ!! 頭一つ分以上違うぅぁああ。大丈夫私は成長期なんだからね! これで勝ったと思わないでよね!!
「イオのばーか。」
「おいおい。」
「はっははは。ヴィオラがそんな顔をするなんてな。そうだ。オペラさん。甘いのは好きかな? お茶を淹れよう。」
笑った後立ち上がると、イオが待ったをかける。
「あー。いい。お前、巡礼終わったばかりだろ? 俺が入れる。」
「年寄り扱いするか? 若いもんに負けてられるか! 儂はまだまだ現役なのだ。」
「へいへい。俺から言わせれば、お前は、赤子だよ。」
何故か私の方を見る。これは、そー言う!?
「あ、あの! マグダラ…様!」
「ん? なんだい?」
「えーっと、その、お伺いしたい事がありまして…」
「そんな、畏まらなくてもいいよ。何か聞きたいことがあるのかな? 何でも聞いていいよ。」
くっ、善意が痛い! なんか、なんかあるかぁ?? 頑張れ私! 絞り出せ!!
「巡礼とは、何をなされるのですか? 私はまだ、魔法に触れて、日も浅く。教会に住んでいながらどの様にされるのか分かっていません。出来ればお教え願えればと…」
す、凄いぞ! 私! やれば出来る子!! さっきもそうだけど! 口からスラスラ言葉が出るなんて! 凄くない!? そう思っているのに、何故かイオからめちゃくちゃ不機嫌オーラ出ましたが!? なんでよ!
「そうかなのか。彼からは…。」
「え、あー。まだ…ですね。ははは」
いや、魔法の魔すら知らなかったので、日々だだ、祈ってました。ははは…。視線を逸らすと、ため息をつき頷かれた。え、駄目なの!?
「そうか。なら、今回の巡礼について話そう。」
「はい。お願いします。」
あんまり、関わりたくないけど…。生きていく上では必要そうだから触りだけで聞いておいて損は無いよね? 嫌だけど!!
「まず。”巡礼”ですが、何故、巡礼を行うと思いますか?」
「何故?」
「はい。巡礼の目的は何だと思いますか?」
「目的…。」
巡礼って確か、各地にある信仰が深い場所を回るんだよね? それこそ、聖地やら同じ教会やらを…。そこでやっぱり、お祈りとか、その地域で困った事を調べたり…とか? え、なんかやるの?
「信仰力を高めてたり? 異常がないかとか調べる? とかでしょうか?」
「素晴らしい。そうです。付け足すなら、魔獣討伐の手助けや我らが神の御心の偉大さをお教えしたりいたします。また、その地に住んでいる方々の悩みなども聞きますね。」
「いつもならな。でも、ここ最近は聖王でもあるお前が出てる。…はい。熱いから気ぃ付けろ。」
言われて渡されたカップは優しい甘さが漂う。成程、地域密着型か。でも、魔獣討伐の手助けって何をするんだろう?
「ありがとう。いい匂い。…蜂蜜入ってる? 魔獣討伐の手助けと言うのは?」
「お、正解。ダージリンより甘い方が良いかと思ってたな。魔獣は倒した後に瘴気を出す事があるんだよ。まぁ、存在したってだけでも、瘴気はあるかも知れねぇから。浄化するんだけどな。…っと、軽くだけどサンドイッチあるけど?」
「食べる! 瘴気って何?」
「即答かよ。はいよ。瘴気ってのは、簡単に言うと”良くない物”ってのかな。そこにあるだけで、生命に悪影響を及ぼす…感じかな?」
「なんて、アバウトな…。つまり分かってないけど、危険って事だけは分かるって事?」
「ああ。見ただけで、”存在してはいけない物”だと分かる。あ、後お前が好きそうな果物入りのサンドイッチ…あー、フルーツサンドも作ったけど?」
どっちにする? と、目の前に出される。え? 両方食べるけど?? そう思ってフルーツサンドを手に取り頬張る。くぅぅ! いい甘さだ…あーさっきめっちゃ頑張って頭回転させたから。糖分が頭に染みるぅぅぅ。頬っぺた溶けるぞ~。っと言いながらイオが私の頬を突いてくる。それすら許せる甘さだぁ。そんな姿を見ながらマグダラ様が口を開く。
「ふはは。そうだ、焼き菓子もあるよ。食べるかい?」
そう言われて、イオを見るとニコリと笑って口を開く。
「そうだな。俺は頂こうかな。」
「おや、君はそんなに甘いのは得意じゃないだろう? 君より、オペラさんはどうかな? おすすめだよ。」
「そうですね。イオのサンドイッチを食べてまだ、お腹が空いていたら頂きます。ただ、お昼前なので…。」
「なら、昼もこちらで準備させましょう。」
あー駄目かぁ~。さて、どうしたもんか。なーんか、イオが何かあんまり居たくなさそだし、私もさっきから、ムズムズするからあんまり、ここに長い事痛くないんだけど…。まだ、我慢が出来る範囲だからなぁ。後は、イオの返答次第で考えればいいか。イオの事だし、気が付いて放置って感じだろうし。手に追っているフルーツサンドを頬張る。あー。ミカンだ。少しの酸味も美味しい。
「そうだな~。」
「ならば。」
「いや、昼からは、コイツの保護者としてきたんだ。土産を買わねぇーといけねぇーんだよ。」
「確かに…。怒られるよね。イオが…。」
ははは…と苦笑いで笑うイオの顔ににじみ出る面倒くさいオーラ。ただ、後がもっと面倒くさい事になるのが分かるぐらいの凄い殺気と殺意でイオを見ていたシスターアニスと神父様。 その様子を楽しそうに見るおじさん。でも、アイツお目が嗤ってなかったなぁって遠い目をしていたイオの顔は忘れないよ。後、町の子達とギルドの人の分はいるだろうし。日持ちする食べ物とかでいいよね? 勿論おじさんにも買って帰る! 偶に、隠れて晩酌してるからお酒が良いかな。
「ふむ。なら、明日はどうだね?」
「ぇーっと…。」
諦めないなぁ。この人…何かあるのかなぁ? イオかそれとも…私? いやいや、そんな訳無い…か、…っひぃ! ッ…目が合い嗤った瞬間、ゾッと背中に冷たい何かが走る。が、いつの間にかイオの手の平が私の目を遮る。それと同時に、イオに体を抱き寄せられる。
「い、イオ?」
トクンドクンと一定のリズムでイオの心臓の音が聞こえる。片耳にもイオの手の平が添えてある。いつの間に。お陰でイオの体温と心音だけが聞こえる。2人の声はあまり聞こえない代わりに微かに魔力を感じる。これは、イオの?
「気持ち悪い顔してんじゃねーぞ。」
ぐっと、更に体を密着させられる。なんだ? なんの話してんの?? あんまり聞きたくないから取り敢えず、残りのサンドイッチを頬張る事にした。
「ふむ。悪かった。目が合って嬉しくてね。」
「っち…変態野郎。」
「はははは。酷いなぁ。清廉潔白で純粋純情な子供だよ? 我らが神が最も好む姿だ。その姿をした子が目の前に居て喜び以外何があると言うんだい?」
「きめぇんだよなぁ。それが。」
ごめん。やっぱり聞こえる! 聞こえちゃってるから! あー。もしかして、この人は、私の魔法を知ってるのかな? やだなぁ~。んーでも、なぁ。聖王とか呼ばれてる人だしなぁ。お偉いさん…だよね? だからまぁ。知ってそうなんだよなぁ…。
「ふ…わぁ~。」
あーヤバい。欠伸が…。いい感じにお腹も満たされて、心音が一定のリズムが心地良く聞こえる。何より、イオに抱き締められているという安心感のおかげでめちゃくちゃ眠い。ポンポンっと耳に合った手がいつの間にか私の背中に回って軽く叩かれ、優しく撫でられる。眠くなる! 眠くなる~。
「何を言う! 儂は清廉潔白で純粋純情なら女でも男でも子供でもいいんだけどねぇ~。ふぉふぉふぉ。」
何かやばい会話が聞こえたけど、いいや眠いし…あ、やっば。また、欠伸が…。
「ふぉ〜ふぅぅ。ん〜。」
「眠いなら、寝ていいぞ? 俺は…はぁ。もう少しこのおっさんと話すし。」
「んー。でも。お、みや、げ…ぇ?」
買わなくてもいいの? 明日でもいいのかな? ふわっと体が浮いたと同時に目元は眩しくなる。イオが私の体制を変えたからかな? 光がさす。眩しくて目をつぶる前にイオの手が優しく私の目元を覆う。横に抱き直されたんだと思う。体はイオに抱きしめられて耳の横にイオの心臓の音が聞こえて安心する。目元の手が外されるが、少し眠いからか、瞼がゆっくり落ちていく。
「あとで、お、こし…て。」
「ああ。」
笑った顔は綺麗だなぁっと思った。
オペラが眠ったのを確認すると、目に前に綺麗な布…ブランケットを渡された。はぁ。
「キモい。」
「嘘だろう? 優しさで渡したのに? それに…君には言われたくないんだけどねぇ。」
ニッコリ笑う姿を見て、本当に、コイツいい性格してるよな。部屋に入ったオペラに魔法を少しずつ掛けてるのはわかってた。オペラの抵抗力が高くて、ちょっと困って…、いや、喜んでたなぁ。聖職者の肩書きは似合ってるが、中身が伴ってないと言うかその辺は上手い事誤魔化してるから誰にもバレて無いのが本当に不思議だ。バレりゃいいのに…。それでも一部の人間は気づいて離れてるけど…。
「はぁ。全部が、キモイんだけど…。まぁいい。で? どうするんだ?」
オペラも眠ったことだし、話を再開させる。どうせ、話す時間はたっぷりあるんだろうし? 俺は、さっさと終わらして土産買って帰りたいんだけど…。魔法の検査をするにも魔力は使ったからだろう。それに、緊張してたみたいだしな。一応は練習させたから大量には使ってないはずだけど、調節難しいって妹も言ってたし、普段より沢山出したんだろうなぁ。はぁ。にしても、可愛い寝顔してる。
「ああ。本当にどうしたらいいんだろうねぇ。いや、本当に困ったねぇ。隣国や近くの街や村でのちょっとした問題になっているよ。ただ、直接的にはないから手を出せないと言った所だね。儂の方でも、何人かは捕縛してはいるんだけど、自白の前に自殺や暗殺されていて。いやぁ〜困ったよ。」
「相変わらず、態度で損してんだな。 そう言えば、噂で教会が裏で…って言われてるけど。」
「あーあれねぇ。王都からだよ。どこかの教会を潰したい人達が噂流してるんだよぉ~。今では、”教会が関係しているんじゃないのか?”とか言い出す始末さ。いや、本当に傍迷惑というか、なんと言うか…。」
「成程、最近王都関連は、教会も巻き込んでるって事か? なら、俺が聞いてる“教会”関連の噂知ってるか?」
「一応…ね。”聖少女教団”って言う教団…だね。」
「ああ。」
まぁ、教会としても、“聖少女教団“って名乗って活動されてたら…そりゃなぁ。しかも、お前は、純粋に子供好きだもんな。それが”怪しい”って言われたら、うん。可愛そうにって思うけど…。
「儂は純粋に子供が好きなだけなのに…。」
「ああ、そうか。」
清廉潔白とまではいかないけど、加担してないのはわかる。というか、誰よりも信仰心が厚い。でも、それでも、“教会”という立場は利用されやすい。どんなに主張しても証拠がなければ信じてもらう事すら難しい。その上…。
「勿論。その上、儂は、巡礼と言う名目で、各地を回れるしね。お陰様で、1番の最有力候補というわけさ。いや〜。疑われ方が半端ないよ。儂、教会の中で最も“中立“の立場でもある聖王なんだけどなぁ。」
聖王は、自身の生涯を信仰している神に捧げる事を約束し、欲望を捨てる修練を行うと聞く。いや、どうやって? と思うが、それは、機密事項に当てはまるらしい。そして、そのやり方も先代の聖王から伝えられるのみだ。そして、マグダラは、聖王になった。
「お前程、この教会を作った聖女様とその神様がしか信仰してねぇよな。」
「当たり前じゃないか…。儂が信じているのは出会って助けて下さったからね。あの方達以外を信仰する気はないよ。だから、今困っているんだよね。儂が、他の神様と聖女様を信仰しているなんて、嘘を言われているんだからね。」
いや〜困った困ったと笑っているが、目が笑っていない。まぁ、腑煮え繰り返っているだろう。
「お前がキレてるのはやっぱり、その“教団“がここの“教会”と別の神様と聖女様を信仰しいるからか?」
「一番はそうだね。でも他に、犠牲者が出ているのも許せることじゃないかな。」
「そうだな。死人は今のとこ出てない…が、時間の問題だし、何より可能性としてはもう。」
「だろうねぇ。儂も知らない事はあるし…。」
「おいおい。」
なんで、お前が知らねぇーんだよ。お前の所の話でもあるだろ。はぁ。ため息が勝手にでる。
「いや、だって、“教会”って、色んなこと国や場所にあるからね?? 儂の管轄が、王都も入ってるってだけで! 他国にだって、あるんだよ!?」
「いや! お前が、教会の“頂点”だろーが。」
「そうなんだけどねぇ。はぁ〜。本当に困ったよねぇ。お陰で、信者少し減っちゃったんだよぉ~。」
人手が足りないよねぇ~。なーんで、神様と聖女様を信仰しているだけなのに、こんなにも面倒くさい事が起きているだろうねぇ。笑いながら俺は入れた紅茶を飲む。
「そうかよ。」
「まぁ、でも、最悪。儂が止めるよ。絶対に。…でも、舐められたもんだよねぇ?」
「その意見には賛成。どうするんだ?」
「とりあえず、地道に情報収集かなぁ。」
そう言う割に嗤っているのだからかなり、キレているのは分かってしまう。
「出来るだけ。協力はしてやるよ。」
言った瞬間、マグダラの目が光り、身を乗り出して口を開いた。あ、コイツ言う気だな。
「え? 本当? ならオペラさんを儂に頂戴! 儂より強いシスターに仕上げるから。」
「却下。他。」
分かっていた言葉を笑顔で切り捨てたのは言うまでもない。そろそろ、オペラを起こして行くか。
「オペラ。起きろ。終わったぞ。」
「…ん。おはよ…? あってる?」
瞼が開き瞳に俺を映す。
「はは。合ってるよ。お土産買いに行くか。」
「うん。」
手を差し出すと当たり前の様に掴まれて手を繋ぐ。寝ぼけてても可愛いなぁ。
マグダラ(聖王)…身内に優しく子供に激甘で、良くお菓子を配り歩いているが、子供達の親に怒られる(あげ過ぎ)警備兵や冒険者にも注意されるが、めちゃくちゃ強い。




