2話 食い意地張ってたら色々バレた…。
笑顔でよろしくな? って言われて、”はい、お願いします”って言えないんだけど? 取り敢えず…あれか? 死ぬの確定してるねぇ!? 思いのほかヤバいって事はわかったよ。死因がクソだけど!
「まぁ、初手から信用されるとかは思ってねぇーよ。」
「……。」
「ふっは。いいね。反応しないのは好感度持てるな。」
「…そう。」
私は心底怖いけどね? ご飯美味しいから悪い人ではないと思う。ただ、得体が知れないだけで。まず、イオが私に何処まで本当の事言っているかも分からないし?
「ふーふはは。」
「…。はぁ…。」
なんか楽しそうだなぁ。本当に!!
「んで? 何が心配なんだ?」
「え、い、いやぁ…。ん゛ー全部?」
と言うか…全てに? ああーやっぱり、この世界が乙女ゲームで確定したのは良かった。うん…ただ、私が、ガチで詰んてるんだよ。私生まれて6年しか経ってませんけど!? えぇ…。お、終わっ…たって事では? 仕方ない…私は意を決して、イオに問いかける。
「まぁ、そのさぁ、死因はわかったんだけど、どー言う殺され方するの? 私…。」
知ってるんでしょう? そう思いながらイオを見るとなんだか言いにくそうな顔をしていた。
「あー。」
「何々、何!? もしかして、かなりヤバいの?」
「あー取り出す…はい」
言うと、小さな袋を渡されたのを受け取ってしまった。中を見ると、小さな…これって、マドレーヌでは? 貝の形してる。お、おお懐かしいなぁ…って
「え、ありがとう…って、違う! え? なんで今渡したの?」
「んー糖分は必要だと思って?」
なんだ…何なんだ?? さっきから、めっちゃ餌付けされてるんだけど? いや、受け取る私も私だけど…! こうも“前世”の記憶にある食べ物渡されたら、懐かしさと美味さの所為で、受け取っちゃうから辞めて欲しい。て、言うか、これから糖分が必要になる…って事はさぁ。
「なんか、難しい話でもするの?」
困ったなぁ。私、マジで、パッケージと自分が、主人公って事しか知らないんだけど。これからやっていけるかなぁ…この世界で…。
「そうだなぁ。難しいって言うか…死因について話すん…だけど…まぁ、その…うん。」
え、何その言いにくそうな雰囲気は…。え? 滅茶苦茶ヤバい終わり…って事?? え、死ぬなら、痛くない方がいいんだけど…それか…。
「そんなにひどいの?」
「んーまぁ、“酷い”で片付けてもいいもんか。ちょっと悩むなぁ…。」
お綺麗な顔を歪ましながら腕を組み私を見る…。えぇ~。そんなにひどい終わり方なのか…。うーん。どうしよう…知りたい様な知りたくない様なぁ…。
「そ、そんなに?」
「俺から見てもかなり、酷い。」
「そーなんだぁ…イオから見て…も?」
見る? って言った? 見たのか? 主人公の“過去”を…どうやって? 何かが引っ掛かりイオを見るととても愉しそうに嗤っていた。うわぁ。流石は攻略対象だな。いい顔してんなぁ…。
「あははは。この世界には魔法があるんだぜ? 知ってんだろう?」
お前も使えるだろう? そう言われてる気がする…が、残念ながら私にその記憶はない。ただ、知ってる。この世界に魔法がある事は。
「ま、ほう。」
この乙女ゲームの世界には魔法と言う概念はある。
ただ、私の前世の世界には無かったけどね。まぁ、使えるか使えないか分からないが…。今の私はまだ使えない。知識はあっても使えないんじゃ意味ない。そう、例えば、知識や記憶が無くても覚えてたら使える…としてもだ。
でも、だから、私の昔の事は、ごく一部の親しい人達しか知らない…筈なのに。どうして? でも、だからって、答える訳無い。
「なんの事だか…。私まだ、6歳だしぃ?」
笑え、笑え、笑え。悟られるな。
記憶はなくとも身体は使い方を知っている…。
何故なら私は主人公なのだから…。
「…ふっふははは。そうだなぁ。まぁ、今の状態だと、難しいな。まぁ、後1年あるしな。大丈夫だろう。」
何が大丈夫なのかわからないが、困る…。この感じは…知ってるんだろうなぁ…はぁーあ。
「ヤダなぁ…。」
「ついでに、腹芸も上手くなろうな?」
「……うん。」
頷く私の頭を触れて撫でてくれる手が意外と優しくて、少し泣きそうになったはのは秘密だ。世界が変わっても理不尽な事はどこまで言っても理不尽なのはもう知ってる。
この世界は7歳で自身の魔法を鑑定をしてから使い方を教わる…。だから、魔法の事を習うのは7歳からだ。ただし、例外は存在する。その例外が私って事だけだ。でも、おかしい。こんな辺鄙な田舎に起きた出来事を都会の人が知ってるなんて…うーん。隣の村や町に行くのに最低でも馬車で2日かかる。だから…だから…。知らないはずだ。私だって覚えてないんだから。
「どうかしたか?」
聞いても答えてくれそうにないけど…。
「……イオは私の事何処まで知ってるのかなって思って。」
そう聞いた瞬間、イオが綺麗に嗤った。
「んー。」
聞きたい? そう問いかけられてるのに、私の身体が、“危険”だと警告してる。…でもそれ以上に、私を見る“瞳”は純粋に私を見ている…。
「なら、何で私なの?」
興味を引くような事は出会ってして無かったはずだけど…もしかして、出会って直ぐに餌付けされた事に興味を持ったって事!?
「んー。秘密。」
真っ直ぐに目を見て、人差し指を口元に当てて言うイオに何とも言えなくて言葉に詰まる。はぁ…。
「……物好き」
「そうか? あーそうかもな?」
何とか絞り出せた言葉も楽しそうに言うから何にも言えない。
「それで?」
「ん?」
「私の死因教えてくれるんでしょう?」
何となく気まずくなって、本来の話に戻す。なんか気まずくなって話を逸らしてしまった…。
「ああ。っと、はいこれ。ケーキ」
バケットから取り出すのは綺麗なガトーショコラ…。
「う、あ、ありがとう。美味しそう…。いや、マドレーヌ貰ったんだけど…。」
ああ…さっきから食べてばっかだ。…お昼にはお腹すくと良いなぁ…。
「へぇ。あの菓子の名前マドレーヌって言うのか。」
「ぁ…。」
「気を付けろよ?」
「はははは……はぃ。」
うう…怒られた…。って、え? 待って…??
「お菓子の名前知らないのに、作ってるの!? どうやって!?」
「あーまぁ、それも一緒に話す話す。」
え、軽いな?? 一緒に話せる? そんなついで感覚で私の前世のお菓子の会話できるの??
「かる…。」
「あははは…フットワークの軽さには定評があるぜ? って事で、見るか。」
「え…、い、今!?」
うーん。見たいよ? 見たいんんだけど…ガトーショコラ食べながら見れる物なの? まだ、一口しか食べてませんが?
「あーでも確かに、見たくねか? 食いながらって。」
「あーいや、まぁ、それは平気だと思う。」
この辺偶にシスター達とピクニックしてると、よく動物とか魔獣現れるし…偶に山賊とかいるし…。それをおじさんと神父様がちぎっては投げちぎっては投げを繰り返してるのを見ながらご飯食べてるし。大丈夫だと思う! そう言ったら、若干引かれたんだけど。
「あー。そっかぁ、なら、痛いのとかグロいのとかイケるって事だな。良かった。」
何?? 何その質問!! ヤバいって事!? ねぇ!! ここ”乙女ゲーム”なんだよね!?
「ぇ゛…レ、レベルによる。」
「なんか、この”世界”…あーる? してい? ってのがあるらしいんだけど。このレベルだと15~18らしいんだけど…」
「え゛」
わかるか? 言われてから思考が停止する…なんて?あーる? R指定があるの!? いやいや! 何で? しかも、15~18なの?? いやぁぁぁぁ!! 絶対に怖い系とかグロ系とか痛い系じゃん! 何何?? ホラー要素あんの?? マイフレンド! お前! 生前なんつーもん紹介しようとしたんだ! 待って?? なら、ホラーもあんの?? 嫌なんだけど!! でも、なぁ…。
「やめるか?」
強いて言うなら絶対に見たくない! でも、でもなぁ…。チャンスは今! だと思うんだよなぁ…。周り誰もいないし! タイミングも一番いい時だろ! 知らないけど! R指定で、自分の死ぬ所とか嫌すぎる! けど、回避には動ける…。死因がわかるって言うのは大きい。だって、”私怨”って言われてもなーにもわからないし?
「ぐ…っぅぅ。み、み…る!」
「ふっははは。嫌そー。」
やだよ! 嫌に決まってるじゃん! でもなぁ…背に腹は変えられないんだよ! つ、連れぇ。
「【記憶映像】」
言葉と共にイオの手のひらに丸い球が現れると同時に私達を囲うように球体の様に囲われて周りが暗くなる。
「暗い。」
「ははは。ちょっと待て」
パチンっと指が鳴る音がした。次の瞬間には淡い光で明るくなる。そのまま、目の前に画面の様な長方形が現れる。なんか、前世で言うテレビみたいだな。
「こんなもんか?」
「明るくなった。凄い。これが、魔法?」
すごい。本当に何にも無いところから出てきた。綺麗だなぁ…。周りは暗くて、映画館とかプラネタリウムみたいな…ロマンチックだなぁ。これから見るのは私の死因でその上、R指定るくのじゃなければもっと喜んだのになぁ…はぁーあ。
次は、死因の一部公開! みたいな感じです!




