1話…出会っちゃった?
ゆるっと始まります。
晴天が広がった大空! 澄んだ空気! 心地の良い気温…!
今日が私の人生のターニングポイント!
目の前には見知らぬ笑顔の美少年とビビる私! ここは森の中! え? 何この状況…。初めて…いや、まだ6歳だけど! “死”を感じている…。
「ふっは。んな身構えんなよ。俺はお前を救いに来たんだぜ? なぁ、オペラ」
目の前で笑いながら私を見る姿は美少年なのに、ニヒルに笑いながら私の名前を呼ぶ姿は悪魔みたいだ…。うあぁ…名前呼ばれただけで怖いって事ある!? 生まれて初めてなんだけど? てか、なんで私の名前知ってるの!? 名乗ってないよ。
ああ、もぉ! なんでこんな事になったんだっけ?
私がこの世界の事を思い出したのは…2歳の時だ。
「あああああ!! こ、ここって! 乙女ゲームの世界じゃん!」
そう。この世界は乙女ゲームと呼ばれる世界だった。朝、顔を洗うために洗面所に来て鏡を見た瞬間思い出して叫んでしまった。驚いた母に心配されるまでがセットだ。
ま、まぁ、そんなこんなで、ここは前世の記憶にあったマイフレンドが大っっっ好きなゲームの世界! 勧め方の圧が異常だったから覚えてる。パッケージだけだけど! でもなぁ。困った。
「私、パッケージしか知らないんだよなぁ…。」
再度、顔を洗うために洗面台の前に立ち項垂れる私。チラリと鏡を見るとそこに写るなんと美しい美少女の姿! 艶のある黒い髪と真っ白な肌! その上、光に照らされると銀色にも見える白い瞳…! 間違いない! 私の友達が滅茶苦茶いいよ! 面白いよ! って笑顔でおすすめしてきた“乙女ゲーム”に出てくる“主人公”だ! うっそだろ!?
圧が凄くて逃げたらパッケージ掲げながら並走してきてゲームのおすすめポイントと推しの攻略対象を教えてくれたな。しかも笑顔で…。怖かったなぁ。しかも息乱れずにおすすめシーン連続で言ってくるから引いたよね。
「…うぁぁぁ。恐怖体験! なんか話してたけど、全然思い出せない! 事あるごとに勧めて来たのに、パッケージ掲げながら語ってくる所しか思い出せない!」
でも、まぁ、大丈夫だろう! そう思っていた時期もありました。てか、これが転生とかいうやつなのだろうか?? まぁ、いいか。
あれから、4年がたった…。いや、マジで。なーんもしてない! だって、“前世の記憶”あってもなくても変わらないし! あーいや、あるか変わった事が…。
1つ目は、私が4歳の時に母親が流行り病に倒れてそのままあっけなく天へと飛び立った事。そのまま孤児なったが、近くの教会が私を受け入れてくれた。
2つ目は、この世界には“魔法”とかいうものがあるらしい…。魔法…。そう、それはついこないだ思い出した…。いや、本当に、人生って何があるかわからない…。
死んで異世界に転生してるだけでも驚きなのに⋯。何で恋愛ゲームで魔法要素って必要なの?? ファンタジーだから?? まぁ、魔法は7歳になって初めて鑑定をされるらしいので私は、1年後よ。楽しみね。っと言われた。でも、多分私主人公だしなぁ…きっとなんか、光っぽい魔法とか使えるんでしょう?
そう私は今日で、6歳になる!
朝から、私を引き取ってくれた教会のシスターと神父様に庭師のおじ様の3人に誕生日を祝ってもらい…お祝いをするとのこで!
私は、家を! 追い出されました! はい! 拍手!! いや、おかしくない!? お祝いなのに、私誕生日だよ!? 本人を外に出す普通!?
朝起きて、皆で朝ごはんを食べていたら、お昼まで外にいて欲しいの! っと、一緒に暮らしているシスターに懇願されました。
「え? 私外出るの??」
「ええ! 本当はサプライズが良かったのでけれども、神父様に止められて⋯。」
シュンっとした姿で言われてしまえば何も言えまい⋯。
「それはそうだろう。アニスが挙動不審にならない保証があるのなら良いけれどね?」
「あー。確かに?」
「神父様! オペラ!」
アニスと呼ばれた少女は後ろから声をかけて来た神父様と私に抗議をすると黒いベールの下から綺麗な金色の髪が見え隠れし青い瞳が少し揺れている。
「だろう? でも、1ヶ月⋯いや、半年前から一生懸命頑張って考えていたからね。楽しみにしてくれ、暇だろうから、私からは先に渡しておこう。おめでとう。君に祝福がありますように。それと、プレゼントとお小遣いだよ。」
そう言われて、麻の小袋と本を渡された。お、おおお⋯。半年前からって⋯。
「私が孤児になってこの教会に来た時?」
「ぅ⋯。」
眉を下げてまるで小犬の様に項垂れるシスターに抱き着く。
「ふっふふ⋯。そっか、そうなんだ。嬉しい! 楽しみに待ってるね!」
「⋯っ! ええ! 必ず最高の誕生日にするわ!」
待ってて! 最高の誕生日にするからね! お昼には完成するからね! 貴方の誕生日会! っと眩しい笑顔で2回も言われたので楽しみにすることにした。
ま、まぁ、普通はサプライズするのでは? っと思ったが、神父様にアニスは壊滅的に嘘をつくのが下手だからね。私が辞めておきなさいと言ったんだと、言われて納得したので、お小遣と本を片手に飲み物でも買うか⋯っと思い市場を目指す事にした。
「それにしても6年かぁ。この”世界”で生まれて⋯」
苦節6年…って程でもないけど⋯。前世なるものを思い出して3年…。いや〜。なんか色々驚きの連続だったなぁ。生活基準とか…あ、でも一番驚いたのがご飯かなぁ。いや、だってさぁ! まさか、この世界にカレーがあるなんて思わないじゃん! カレーだよ!? 母が健在だった頃に、市場で売っていた茶色ドロドロした食べ物。見た目がアレだからと売れなかったらしいが、私の母親は⋯なんというか、チャレンジ精神が旺盛だった人だったから普通に、買って食べて美味しかったので私も食べた。後、値引きされてたし! まぁ、茶色だし。うん。
食べた後私は、あまりの”美味さ”にゲームに関する他の記憶を思い出した。なんてこったい。まぁ、それが“魔法”だったんだけど…。だから? 使い方もやり方も知らないからまぁ、言いかと思い生きて来たのだけれど…思ったよね。私! 主人公なんだから使えるよね!?
いつか、使えたらいいなぁ。魔法っと思いましたが…なーんにも分からない! あ、因みに、カレーには、たくさんのトッピングあったよ…。値段が高かったので、やめました。普通にカレーとパンで食べた。白米もあったけど、一番高いんだって、物価高ぁ…。
それからと言うもの、私は前世の食べ物を探した。思ったよね! これ絶対に同郷の人いるって! いや、だって…だってさぁ。”味噌汁”があったんだよ!! し・か・も! 豆腐がね入ってたんだ!!
マジで、豆腐だった! なら、これは確定じゃん! と思ったよね!
「最近は、”お茶”も流通してるんだよなぁ。大体は、王都周辺だから、きっと貴族の人が私の同郷の人なんだろうなぁ。」
その1つは、お茶…その中で紅茶だ。色んな種類があるらしい。いつかは出会って、お礼を言いたい! 思い出してくれてありがとうございますって!
にしても、外で…んー。買い食いはなぁ…。なんか夕食とデザートに力入れてるって言ってたし…。とりあえず、最新の紅茶でも買うかぁ…。そう思って、市場を目指した私が森の中で出会ったのは白銀に輝く髪の子供に出会った。珍しいなぁって思っていたけど…。ああ、”教会”に用事があるのかな? 教会は町はずれにある為この森を通らないといけない。って事は、“依頼”かな?
って思っていたんだけど…違うみたいです。
「…えーっと。」
「なぁ。お茶しない?」
人生で初めて、ナンパされてた…森で。しかも、美少年に…。この6年初めての経験である。悲しいかな前世分合わせてもなかった。
人生って本当に何が起こるかわからない。これ、話聞いてたら、絶対勧誘か変な壺とか買わされる…よね?
私はしがない少女で6 歳を迎えたばかりの確かに顔はいいけど! 自分で言うのもなんだけど、でも、だって、主人公だし! 可愛いに決まってる! でもなぁ…。身なりがなぁ。うーん。やっぱり勧誘か? いや、待て…もしや! は! シ、シスターか?? 分かる。美人だもんなぁ。金髪の髪に青い瞳。黒いシスター服も似合っているし! まぁ、シスターには神父様いるけど。失恋も恋愛の醍醐味だもんね! 仕方ない! 慰めぐらいはしてあげよう! とか思った私が馬鹿だった。…過去最大の危機に陥っております。
私、今日死ぬのかなぁ…。
「お前、転生者だろ?」
「…はぇ…え??」
て、転生!? な、なん…なんでバレた。いや、え? さっきまで私ね、今日誕生日なんだよ! って言っておめでとう! って話してたじゃん!?
「あれ? 間違ってる?」
「……。」
こ、これは、ごまかせる!? いける? 確信はない状況で聞いてるのか…。困る。非常に困る。言っても大丈夫だろうけど、今、私…6歳。逃げ切れる保証ないしい! そもそも、バレたら、どうなる!? 分からん! …なら全力でごまかす! 私の中の秤が一瞬でごまかす方に傾いた。
「なんのこと?」
「今、全部ゲロったら、ガトーショコラつくぞ?」
大体、向こうは確信らしき事は無いはずだ。カマかけて引っかかってくれたらラッキー的な感じだろう…。知らんけど! なのに、向こうの方が一枚上手だった。…と言うか、私が食い意地張ってるだけなんだよう。
「はい! 私は転生者です!」
はっ! 私は何を…慌てて口を手で抑えたが時すでに遅し…思考より先に、口が勝手に!! くっそぉぉぉ! おいしいケーキにつられた…。
「はっや。」
「ぐぎゅぅぅぅ!! 口がぁぁぁ…」
てか、お前、やっべぇな~。はははっと笑う少年。
「やっぱりかぁ。」
「やっぱり? って言うのは?」
何がやっぱり!? 確信あったって事!?
「俺の知り合いに、お前の事を知ってる奴がいる。」
そいつから聞いた。そう、余りにもあっけんからんと言う。
「…は?」
俺の知り合いに私の事を知ってる人がいる?? 知ってる人がいる!?!?
「まぁ、だから知ってて会いに来たんだよ。」
そう言って微笑む美少年を見て恐怖が沸き上がる。青ざめる私を知ってか知らずか、言葉を続ける。ならあ、なんて答えようがバレてたじゃん! なんて奴なんだ! やはり乙女ゲームの世界! 顔がいい奴は気を付けないと!
「お前、このままだと死ぬから。」
「へ…。」
そう笑って言い放った彼を見て、え? 死神なの? って思ったのは秘密だ。
「え? 死神なの?」
「何でだよ。」
やっべぇ…驚きすぎて思考と口から出た言葉が同時だった…。そんな露骨に嫌な顔しないでよ。まぁ、嫌か。ごめん。いや、なんか死を伝える的な感じかなって。
「いや、いきなり死ぬ発言されたら、そう思うじゃん! だって、この世界は“乙女ゲーム”の世界なんでしょう?」
人って死ぬ事あるの? 恋愛ゲームでしょう!? え?
「まぁ、あ、その前に今日サンドイッチとケーキ持ってきたんだよ。食うだろ?」
「え? う、うん。」
どこからともなくバケットを出し、私に紙に包まれたサンドイッチとお皿に乗せたケーキを渡す。紅茶もあるぜ? そう言いながらバケットから銀色の筒…水筒じゃん!? え、すご!! え、温いんだけど。文明が発達しまくってる。さすがは都会…。こっちは田舎だしなぁ。最近やっと陶器のお皿入ってきたのに…。そう思いながらもらったサンドイッチを一口食べる。うっま! って、話そらすじゃん。
「お、おいしい。え、めっちゃくちゃ美味しい。」
「そうか。よかった。」
お野菜はシャキシャキ。卵はふわふわだ。え、これだし巻き…?ほんのり甘味が…。美味しい…おいしすぎる!!
「お外で…うう、変な事言う男の子と…めっちゃ美味しいサンドイッチを頬張ってる…。」
なんかなぁ…まるでピクニックみたいだ。
「んじゃ、食いながら聞けよ。この世界は乙女ゲームの世界で、お前は主人公…ってのは知ってんだろ? んで、このままだとお前、言われのない罪で、死ぬ…だけならいいな。うん。」
「…へ……はぁ!? え、待って増えたよ!? ねぇ、なんか足されたんだけど!? 」
めちゃくちゃいい笑顔で、はい。拍手〜って言われた。え、意味がわからない。
「最悪死ぬんだよね!? 回避したらいいんだよね!?」
「あ、死因知りたくね?」
「待って!! 話聞いて欲しいんだけど!?」
私の回答全部無視じゃん。いや、知りたいよ? 死因は!
「え? なら知りたくねぇーの死因」
「知りたいですけど!?」
死因さえ知ってれば上手く回避出来る…てか、情報量が多いいんだけど!? ねぇ!!
「私怨」
たった一言。それだけだ。えぇぇぇ!?
「り、理不尽!」
終わったぁ…。何だよ! 私怨ってってつまり、私…私誰かに恨みかうって事!? これからの人生で!?
「まぁ、人生なんて、理不尽で出来てるしなぁ。」
「いやいや…困る! は! 何歳!? 何歳で私は殺されますか!?」
「あー、確か、学園入ってから?」
が、学園だと!? つまり…つまり、え? 回避できるんじゃ…
「あ、回避とか無理だからな?」
な、なん…何で? てか、学園って貴族のお坊ちゃん、お嬢様方が行くところでしょう?? なら、私はそもそも資格がないから意味なんてないのでは!? 何で無理なの!?
「名前は、“オペラ・グロリー”だよな。」
「……そう、だよ。」
知ってるのは…おかしいくはないか。さっきから名前呼んでたし…。それに私が転生者でこの世界の主人公って知ってんだから…って事は、この人も…
「あ、俺は違うからな。」
「え?」
「俺は、攻略対象の方だから。よろしくな? あ、名前名乗って無かったな。“ヴィオラ・クロックガーデン”だ。イオって呼んでくれ。よろしくなオペラ。」
私が思った瞬間にそう言われた。
「…こーりゃく、攻略…対しょう…攻略対象!?」
な、な、なんだ…と。てか、攻略対象が自ら俺さぁ、“攻略対象”だからって…言うとかある!?
「ああ。でも、俺、特別なルートにしか出ない攻略対象者らしくてな。」
隠し攻略対象…? って何? 意味が分からず首を傾げていると笑いながら空になったコップに紅茶を注いで渡してくれた。ぶっちゃけ今、全然紅茶飲む気起きないんだけど。
「特別?」
「あー確か、隠しルートでしか出てこないキャラの事を言うんだけど。俺はそれらしいんだよ。」
「へぇー。」
まぁ、そんだけお綺麗な顔をしているんだからなぁ…。攻略対象にもなるよなぁ。この時、障りだけでも聞いて置けば良かったと後で後悔したよね。
「反応うっすいなぁ…。まぁ、言いか。」
「よくはない! 良くはないんですけど、結局、ヴィオラさ…まは、」
「イオ」
「い、いや。ヴィオ…」
「イオ」
「…イオ様は、」
流石に、お貴族様に対して言えなくて…形だけでも様付けした不機嫌になったんだけど…。えぇ、しかもめっちゃ訂正されてる。
「”様”は要らない。オペラ。」
「…っ。はぁ。イオは何しに来たの?」
「初めに言ったじゃねーか。“救い”に来たって。」
本気だったんだ…。只の冗談かと思ってた。だって、私とイオはこれまで、一度も会った事ないんだよ?
「なんで?」
「んー。うーん。そうだなぁ。単純にお前に興味み持って会いに来たら一目惚れした…からかな?」
「ふーん。」
「ふっはは。反応うっすいなぁ。まぁ、いいか。っー事で、俺がお前を死なない程度強くしてやるよ。」
あ、コレ決定事項な? そう言いのけるイオの顔は最高にいい笑顔だった…。
お読みいただきありがとうございます。




