20話 高給取りは、伊達じゃなかった! 私の魔法って…
サブタイトルは、”流石は主人公! 絶対にバレいで、私が学園入るまでは!!” です。
「ここだよね?」
「だな。」
今日は、教会が用意してくれた宿屋に泊る予定だ。
「お、大き…デカいくない?」
大きかった…。いや、検査するだけなんだけど、宿代出るよね?? ここ教会持ちだよね?? 後で請求されないよね!?
「そうか? いや、小さいな。」
なんて、チキンな心の私が言えるはずなく、取り敢えず、目の前には外観が白いタイル張りの3階建て…宿屋? を見る。しかもなんかちょっと、お洒落な外観では?? 最近の宿屋って木造2階建てじゃないの?? あ、ここ乙女ゲームだからか?? 確かに、ここに来るまで、見た建物は大きくてタイル張りや色鮮やかな建物多かったけど! …隣ってだけでこんだけ違うんだなぁ…。なんか、こう…ウチって本当に田舎だったんだな。確かに、和だもんなぁ。森も林も動物沢山いるしなぁ…未だに、物々交換してるし…。お金もあんまり広まってないし。
「…そ、そっかぁ。」
金持ち発言された…。グスン。
「まぁ、突っ立ててもしょうがねぇーし、中入るか」
「はーい。」
扉を開けると”チリン”と涼し気な鈴の音が鳴る。程なくして、女性の声がした。
「いらっしゃいませ!! お2人様でしょうか?」
綺麗なお姉さんが素敵な笑顔で挨拶してくれた。私もお姉さんに挨拶をしながら近づいて事情を話す。
「えーっと、今日、2泊の予約が入ってると思うのですが…。」
「お名前をお伺いでしてもよろしでしょうか?」
「オペラです。」
名乗ると、お姉さんが分厚い本を捲る。予約書かれてるんだろうか? 前世だとネット予約だったよなぁ…。ここだと、連絡とかどうするんだろう? やっぱり連絡も魔法なのかなぁ?
「オペラ様ですね。はい。ご予約はあります。それから、お連れ様でしょうか?」
「はい。」
チラリとお姉さんがイオを見る。心なしか疑いの眼差しを…!? あ、怪しまれてる? 何故?
「ヴィオラと申します。本日は、彼女の保護者兼同中の護衛で同行いたしました。」
人のいい笑顔を浮かべて私の頭に手を置くイオを横目で見ながら胡散臭っさい笑顔してんなぁ。でも、顔はいいからなぁ。
「そ、そうだったのですね! いいお兄さん…ですね!」
案の定と言うか当たり前と言うべきか…顔を赤らめる受付のお姉さん。わっかりやす! にしても、保護者なんだ。…イオって年齢いくつだ? そう言えば知らないな。聞いても答えてくれ無さそうなんだよな。
「はい。」
私もニコリと笑い頷く。頑張れ、私の口角。胡散臭いなぁって思ってたのがバレて強めに頭を撫でられた。頭もげるかと思った…。
「では、2泊で部屋は2階の…あ、あの? 1部屋なのですが。」
「大丈夫です。」
気まずそうに言うが私が答え、隣で頷くイオを見ながら一瞬、困惑する顔を見せるお姉さん。
「ぇ、あ、はい。では、こちらの鍵を」
「ありがとうございます。」
流石はプロだな。うん。軽く会釈をして、イオと一緒に上の階段を上がる。2階に上がると思いの他広い廊下と10部屋程あった。扉には3桁の番号が書かれており、鍵と一緒に付いていた平たい木の板には3桁の番号が書かれている。
「あ、ここの部屋だ。」
扉の前に行くと鍵を鍵穴に差し込み開ける。んー。アナログ! 鍵とか魔法でピッ! って出来そうなんだけど、ゲームだしなぁ。世界観は必要なのか? いや、でもなぁ。
「オペラ。」
「ん? 何?」
一瞬意識が飛んでいたがイオに呼ばれて戻される。
「ベット、壁側でいいか?」
「んー。いいよー。1つしかないね。」
「そうだな。俺とお前でも、ギリだな。」
「落ちない? 床で寝ようか?」
流石に私の所為で、イオが落ちたら嫌だし…。てか、これ、私が1人で来る想定だったの…か? え? 田舎暮らしの幼気な少女を1人旅させる気だったの? 確かに、可愛い子には旅をさせろと言うけどさぁ。でも、ここまで来るのに、3日掛かるんだけど…。保護者なしで、しかも、山賊と魔獣がでるあの森を通らす? ヤバくない!?
「何でだよ。お前、明日が魔法の検査ってわかってる?」
そんな馬鹿かお前って顔しなくてもいいじゃん。結構真面目に言ったんだけど…。
「分かってるよ~。」
「ま、取り敢えず、飯食いに行くか?」
「うん。お腹減った。ここって有名なご飯あるの?」
持って来た荷物を置いて2人で部屋を出て廊下に出る。
「さぁ? 俺もここ来たのは初めてだしな。魚と肉どっち食いたい?」
「そうなの? どうしようかなぁ。お魚とお肉。因みにね。イオ」
「なんだ?」
イオの前に出て、人差し指をイオに向ってビシっと指すと、イオに人を指で指すなと手の甲を叩かれた。ちょっと痛かった。叩かれた手の甲を擦りながら、頬を膨らませながら私は言う。
「私は、緊張しているので! 出来ればお腹に優しいものが食べたいです!」
「…は? え? 緊張してるのか? 何で?」
「え? な、何で!? するでしょう! 緊張ぐらい!」
例え! 例え! 私が主人公だから、魔法…魔法も凄いのだとしても…ん? 待って?? 私の魔法って、何だっけ?? あれ? 聞いたよね?
「お前の魔法はもう決まってるのにか?」
「あー。あの、私、魔法が決まってのは知ってるんだけど…属性は知らないんだけど。」
そう言えば聞いてないよね?? ただ、シスターと神父様から聞いたことがある。私が5歳ぐらいに魔法を使った事があるらしい。私自身は何も覚えたないし、一部の人しか知らない。だから、自分が、魔法を使えるのも知ってるし、何より、主人公だもん! 使い方は分かるんだよね。使えないだけで…。だから、何属性なのかは知らない。大体パッケージしか見てないんだから分かる訳無いじゃん! でも、友人曰く、”主人公ちゃんは、ものすごい魔法が使えるんだよ!!”って言ってたからものすごい魔法なんだろう。知らんけど!
「あー。まぁ。明日になったら笑るよ。そんな事より飯行くぞ?」
「…ぁーん。それもそうか。」
”そんな事”って、酷いなっと思ったけど、途中でお腹が鳴ったのでイオの後に付いて行く。ま、確かに明日になったら分かるからいいかぁ。っと楽観的に考えた。ご飯代は、神父様が持たせてくれたお金で何とかなった。結局、お肉…ハンバーグになりました。外に出た瞬間、めちゃくちゃいい匂いだったので! 誘惑に負けました。イオに爆笑されたのが腹が立ったのでイオがデザートに頼んだ苺のシャーベットの半分を食べてやりましたよ! めちゃくちゃニコニコ笑顔で見てたので…敗北を感じました。そのまま部屋に帰り寝る身支度をしました。お風呂は流石にまだ普及してないらしく、濡らしたタオルで身体を拭いて終わりだった。王都の近くだと温泉やらお風呂屋さんとか宿屋にお風呂が付いてるらしくが、バカ高いとの事だ。聞いた時はテンション上がったけど、高いって聞いてそっかぁっと、世知辛い世の中だと思いました。
「そう言えば、朝ご飯は、ここの1階で食べさせてくれるらしいぞ。」
「あ、そうなの? 確か、お昼に教会に行けばいいんだよね?」
そう言えば、1階の端のスペースに長机と椅子があったなぁ。あそこで食べるのか。持って来た、薄手のロングワンピースを着て下には、七分袖になってしまったズボンを履く。お腹冷やすとね? 因みに、イオは凄く良さそうな生地のボーダーライン上下セットにパジャマ着てた。触ったら、凄い柔らかった。
「ああ、朝ご飯は朝の6時~9時までに来てくださいってさ。後、”朝市”やってるらしいけど、行くか?」
「行かない。ギリギリまで寝る。」
即答した私を微妙な顔で見るイオ…嫌だ! 2度寝がしたい! 私は、朝ご飯を食べてからもう一回ベットに戻って寝る! 寝るんだ!
「あ、そう? でも、結構レアな商品あるらしいけど?」
「いい。寝る。」
「お土産買うんだろ?」
頭を左右に振り拒絶をする。いや、だから! 寝るって言ってるじゃん! 寝るったら寝る! なのに、何故かイオは諦めない。なんだ…どうした!? もしかして? 私は恐る恐る口にする。
「イベントでもあるの?」
息を飲む私に、即答で答えが返ってきた。
「いや、無いけど?」
「え。え!? 無いの?? 無いのに、誘うの!? な、何で!?」
何だったんだこのやり取りは…なんかどっと疲れたし、眠くなった。
「オペラと思い出作りたいから?」
「何故、疑問形…なら、私と2度寝の思い出作ろう! 寝たい! イオと寝る!」
「はぁ!? 嫌だ! 嫌に決まってんだろう。俺は! お前とデートしたいんだよ!」
「な…で、でーと…い、いやだ。明日は緊張してるから無理! 帰る日! 明後日なら大丈夫だから、デートしよ!」
ちょっと恥ずかしくなって、どもっちゃったけど…! てか、私今変な事言った?
「あー確かに。わかった。なら明後日、デートしようか。」
「うん。良し。寝よう!」
なんか、もういいや。明日! 明日の私…色々頑張ってくれ! ベットに潜り込むとイオも入って、腕を軽く広げたのでそのまま抱き着き目を瞑る。
朝、イオの声で起きる。
「起きろ。朝飯行くぞ。」
「んー。行く。」
ベットから起きるとイオは既に身支度を整えている。早いなぁ。私も身支度を整え、顔を濡れたタオルで拭いて目を覚ます。朝ご飯なんだろう~。
「よし! 準備完了!」
「んじゃ行く…パジャマはどうするんだ?」
「2度寝するから、ベットの上に置いとく!」
「ここから、ちょっと歩くし手続きに時間掛かるから、多分2度寝出来ねぇぞ?」
食ったらそのまま行くから、必要な物持って行けよ。っと言われた。な、なんだと!? 私のウキウキ2度寝ライフは!?
「え!? そ、そうなの?? 何で昨日言ってくれなかったの!?」
「いや、本気なのか冗談なのか分かんなかったし、何より俺も昨日、眠かったし?」
なんってこった…。めちゃくちゃショックなんだけど?? うう。仕方ない! 魔法で人生決まるんだもんな。私は主人公なので大丈夫だと思うけど!! そんなこんなで、私の心の内を荒らしているイオの後を追いかけて、昨日の受付のお姉さんに朝ご飯を聞くと長椅子と机が置いてある場所まで案内された。
「そう言えば、手続きって何するの?」
「簡単な質問やら健康状態を調べる。それから、魔道具で検査かな?」
席について、朝ご飯を頼んでからイオに尋ねる。
「ふーん。」
健康診断って、やっぱりこの世界にもあるんだ。そっか。
「検査するにも結果を聞くにも時間かかるからなぁ。」
「その間イオは何してるの?」
結構かかりそうだし、暇だよね?
「あー。そうだなぁ。」
「お待たせしましたしました。朝飯AセットとCセットをお持ちしました。」
「あ、Cセットはこっち。んで、」
「Aセットは私です。」
「はい。ごゆっくり!」
そう言って、私の前には、Aセット…鶏肉を揚げた…そう! 唐揚げだ。その唐揚げ5個と味噌汁にご飯のセットにお茶。美味しい! ご飯が進む! 美味しぃ。衣は熱々だけど、噛むと肉汁が溢れてくる。そこにご飯を口の中に入れる。うう…美味しいぃぃぃ!! 後、味付けが塩なのがいい!!
「鶏肉揚げたのってそんなに旨いのか?」
言いながらCセット…そう! パンケーキに甘そうな真っ白いホイップククリームをのせ、蜂蜜と絡ませて食べているイオを横目に頷く。良くまぁそんな朝から甘いの食べれるよなぁっと思うけど、美味しいそうに食べている顔が可愛いのでいいかぁっと思ってる。飲み物は多分カフェオレ。ミルクたっぷり入ってそう。
「”パンケーキ”って普通にあるんだね。」
唐揚げもだけど。なんか、所々、前世で食べた事ある物が多い。後、こっちでは、《《お箸》》も普通にあったし、なんか泣きそうになったよ。
「まぁ、デカい町か村だとあるな。オペラが居る所だと多分、こっちで流行りが終わったぐらいに流行ると思うぜ?」
1週遅れてるって事かぁ…。まぁ、3日掛かるもんなぁ。
「そっかぁ。…食べる?」
1つ、お箸で、唐揚げを掴みイオの前に掲げる。
「ん。ありがとう。」
「熱いから気を付けてね?」
「おう。…んっ熱! けど、あー確かに旨めぇな。」
「でしょ!」
「ん。」
今度はイオが私の目の前にパンケーキを持ってくる。口を開けて食べると、見た目に反してそこまで凄い甘い! っと言う感じではなかった。
「ん? あーん。あ、美味しい! そんなに甘くない?」
「朝、食うには丁度いい甘さだよな。」
「美味しい。 んーねぇ。イオ。」
「なんだ?」
これなら、朝からでも食べれる。クリームも美味しい。ホットケーキ以外もワッフルに絶対合いそう。考えたら食べたくなる。
「今度作って?」
「えぇ。あーそうだなぁ。考えとく。」
「本当!」
「魔法の練習の合間にでもおやつとして考えておいてやるよ。」
そう言う顔はとても悪い顔をしていたので、ああ、おやつに見合った修行が行われるんだろうと考えはするが、イオの作るおやつは食べたいので、がんばる!! そんなこんなで、ご飯を食べ終えて支度を済ませる。まぁ、持って行くものは、家に届いた査番号の書かれた紙だけなんだけどね? 持って行かないと検査出来ないし…。
宿を出ると、所々テントが立ててあった。あー昨日言ってた朝市とかのか? あ、でも、そのまま市場は続けるんだ。偶に畳まれていたりするが、終わったって事かな? その後に、人が入れ替わったり、そのまま新しく商品を出したりしていた。暫くすると、人が集まり、列や人盛りが出来ている。ふーん。
「お土産が多いの?」
「多分、ここがメイン通りなんだろうぜ? ほら、そこに教会あるし?」
「あ、本当だ。」
言われた所を見ると、真っ白い大きな建物が立っていた。石造りのだなぁ。近くで見るとごつごつしているのが見えた。触ると…。あーこれ、加護? いや、結界?
「結界と加護の二十掛けだ。避難場所だしな。」
「ああ。成程ぉ~。」
そのまま中に入ると、シスターと同じ様な形の服を着ている女性が笑顔で出迎えてくれた。修道服だぁ。シスターにはグレー寄りの黒だけど…。黒いなぁ。後は銀色の十字架だ。ふぉ~本物! 本物の十字架ぁ~!! 1人脳内でテンションを上げている私を余所に、普通に私の受付を済ませるイオ。そのままいつの間にか手を引かれシスターの案内に付いて行く。廊下はつるつるの床…大理石?? に大きな窓と、極めつけは偶においてある、高そうな壺! なんで壺!? 壺っているの?? 偶に魔力を感じるのは何!? え? 盗難防止とか?
「さぁ、付きました。ここで神官様がお待ちです。」
「え、あ…はい! イオは?」
「俺は外で待ってるから言って来い。」
「うん。わかった。」
大きな木の両開きの扉が目の前に広がっている。あ、ここが一番強い魔力を感じる…。魔法めっちゃ重ね掛けされてる。すっご。片方の扉の取っ手に手を置くと扉が開かれる。お、おお!
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい。」
そのまま中に入ると、少し薄暗い中に、人影が見えた。
「こんにちは。オペラ様ですね?」
優しい、男の人の声だ。声の方に歩くと背の高い男の人が立っていた。真っ白いマントで殆ど覆われており、下からは黒いズボンと白いブーツを履いていたのが見えた。その上から肩に同じく白いケープに同じく銀色の十字架が首に掛かっていた。手には、分厚い本を持っている。
「はい。今日はよろしくお願いします。」
ペコリと頭を下げる。
「こちらこそ。宜しくお願い致します。リラックスしていきましょうね。では、こちらに。」
「はい。」
言われて、祭壇に近づく。祭壇には人の頭ぐらいの大きさの水晶は置いてある。
「こちらは水晶の形をした魔道具です。オペラ様の魔法を検査をさせて頂きます。」
「はい。」
人工の水晶なんだよね? それにしては透明で綺麗だなぁ…。
「オペラ様、水晶の上に手を置いてください。」
「はい。」
水晶に手を置く。少しヒヤリと冷たさが手の平に伝わる。…で? 何をするんだ? 手を置いて…。どうしたらいいんだ? 困惑する私に、神官の声が聞こえる。
「オペラ様、その水晶に、ゆっくり“魔力”を流してください。」
「“魔力”を流す。」
魔石に魔力を流す感覚でいいんだよね? それなら出来るな!
「はい。そのまま、上手です。」
そのまま魔力を水晶に流す。
流す…流す、流す、流すイメージ。
水晶に流す。流す…流す…。
「オ…ラさ。…ペラッ…ま! …ォッ…ラさ…まっ! オペラ様!!」
突然、神官様から名前を呼ばれる。
「え? …あ、へ!?」
大きな声で私を呼ぶ声でいつの間にか瞑っていた目を開くと、目の前に、真っ白い球が浮かんでいる。横を見ると、私の周りに小さな真っ白い玉が数個浮かんでいた。
「…え?」
…っと、上を向くと私の頭上は光りが円を描くように透明な光が円を作り輝いていた。え、ま、眩し!? 目を開けてられなくて、下を向くと地面が更地になっていた…え…? ぇ…? な、なん!?
「オペラ様。ゆっくりで構いません。水晶から手をお離しください。」
優しい神官様の声が聞こえる。言われて気が付く。私はまだ手のひらを水晶の上に置いて居た。しかも、水晶は光っている。光り輝いたと思うと真っ白に輝く…それから、黒い…紫に近いけど、黒い光が交互に水晶を輝かせている。言われた通りゆっくり手を水晶から放す。話すと、水晶からの光は消え、私の周りの小さな玉が弾けて消えた。頭上に光っていた光は消えた。
「…へ? え?」
呆然とするしかない私にゆっくり近づいてくる神官様の顔は少し青白かった。え、何で!? 驚く私を余所に神官様が詰め寄ってくる。
「オペラ様! 大丈夫ですか!? 体調は!? 怪我してませんか!?」
「大丈夫…だと思います。はい。えーっと、その~。」
「…はぁ。なら良かったです。申し訳ございません取り乱しました。」
ふぅっと息を吐き呼吸を整える神官様を見ながら、なんかすみませんっと心の中で謝る私…。少しして、神官様が私に紙を渡す。
「え、ああ。平気です。あの、私の”魔法”って分かったんですか? 水晶大丈夫でしやか?」
壊れてないよね?? あれ弁償とか無理なんだけど!?
「大丈夫です。動きますよ。それからオペラ様の”魔法”ですが、こちらとなります。」
言われて渡されたのは、紙に書かれた魔法の種類だ。神聖魔法の”光”と”聖”の2種類との事だ。2つあるんだ…ん?? し、神聖魔法って…教会にバレたらヤバいのでは!? 血の気が引くのが分かる。どーしよう。
「あーえーっと、その。」
マジか…凄いね?? うん。いやぁ~流石、私《主人公》だね。ははは…。
「はい。貴方様はとても稀有な存在となります。」
「そ、そうなんですかぁ~。」
コレ、報告とかされた困るなぁ…ヤダなぁ。めんどくさいの。自分の死因とかに繋がりそうなの全部潰しておきたいから、まず王族とか嫌なんだけど…逃げれるかなぁ…。血の気が引いて震えてるのが分かる。今の私…でも逃げれるのか…。そう考えていると、神官様が私目のまで、十字架を握りしめて口を開く。
「ですが、ご安心ください。」
「え?」
「我らは中立の立場です。我らの独断で教会、王都へは一切の情報をお渡しいたしません。我らが神に誓い絶対に黙秘いたします。」
「そう…なんですか?」
「はい。我々の役割は、”検査”のみです。その方の人生にかかわる事は決してございません。それが、ご家族のどなたよりも《《一番初めに知ってしまった我らの責任でございます》》。情報漏洩などあってはならないのです。」
言って頭を垂れる神官様。仕事にプライド持ってる人だ! でも、困ったなぁ。これからの事を考えないといけないなぁ。でも、イオはっ知ってたんだろうなぁ。はぁ。頭が痛い。
「オペラ様。」
神官様が頭を下げた状態で口を開く。
「はい。…って、頭上げてください!」
そう言っても頭は上がらない。何故だ!?
「オペラ様には謝らねばならない事がございます。」
「なんでしょう?」
「オペラ様の魔法は3種類あると水晶は反応いたしました。ですが、そこにはに2種類しか記載がございません。」
「確かに?」
「3つ目は不明と結果がでました。この1500年…なかったことでございます。」
「へぇ?」
「魔法ではない…とは言い切れません。ですが、無属性ではないと確信はございます。ですので、はっきりとは申せません。」
「わかりました。まぁ、2つ分かれば十分なので大丈夫でーす! なので頭上げてください。」
多分、イオは知ってるみたいだし…おいおい分かるでしょう? 私主人公だし!笑って言うと頭を上げた神官様が穏やかな顔をしていた。
「…ありがとうございます。本日はお疲れ様でした。」
「はい! ありがとうございます。」
「いいえ。出口は、入ってきて頂いた扉と同じです。」
そう言われたので、扉に向かう。そのまま出ようとすると、神官様から声がかかった。
「もし、何処にも就職先が無ければいつでも歓迎しますよ。オペラ様」
「ふっははは。そうですね! その時はお願いします!」
ペコリと頭を下げて扉の外に出る。出ると同時に手に持っていた検査の紙が消えた。
扉を開けると、笑顔のイオがいた。…ああ、やっぱり、《《私の魔法知ってるんだ》》と何とかなく分かってしまった。
「お帰り。お疲れ、オペラ」
だから私もとびきりの笑顔で口を開いた。
「ただいま、イオ。」
サブタイトルって何だろうね…。迷ったんだ。サブタイ…。
オペラ‥‥神聖魔法:”光”と”聖”魔法です! あと1つは、おいおい。出しま~す。




