19話 魔法って人生掛かってんだなぁ~。
「テンション上がってる所悪いけどな。予約いるからな?」
ハイテンションの私に水を差すイオ。分かってるよ。
「う、ううう。折角、私の誕生日に分かると思ったのにぃ~。」
まさかの予約制だった。乙女ゲームで、主人公の魔法が分かる日って特別なんじゃないの!? ねぇ!! 私? 私がおかしいの??
「手紙が届いてから指定された日程に検査が出来る様になってんだからいいだろ別に。一緒だろ?」
「いや、うん。勝手に期待してた私が悪いんだけど…違うんだよ。なんか、その…思ってたのと違うなぁって思ってさぁ…。」
「何が? やり方は昔から変わってねぇぞ? あーでも、妹もなんか違う! って言ってな。」
「あー。思うんだ。」
妹ちゃんも同じ事思ってた。良かった私だけじゃない…やっぱり思うよね? だよね?? だって、おかしいもん! 異世界だよ!? ゲームだよ?? 誕生日に分かるって相場が決まってるじゃん!
「いや、普通に考えろよ。この世界にどんだけ子供いると思てんだよ。大体は把握はしてても準備は居るだろ? 何より魔法が分かるってのは、その子の人生にも関わるんだ。失敗も出来ねぇーし。失敗したら教会側の責任だしな…。万全の準備で迎えるんだよ。」
正論っ…が痛い。なんか。大変そうだ。簡単に言ってごめんね。でもね? 1つ言ってもいい?
「重くない?」
「いや、魔法の検査が軽い訳ねぇーだろ? 下手したら、人生掛かってるからな?」
「へーぇ…。」
お、おっも! はぁ!? …重い! 重いよ! え、そうなの!? 人生掛かってんの!? い、いや、でも、この世界は、魔力があって”魔法”によってどんな職や夢を叶える事が出来る…のか。はぁー。うん。
「でも、魔法が分かっても、お家の意に沿わないと文句付けられたり、やり直しを要求されたりするらしいんだけどな。担当員は、それで心の病気になって辞めるんだよ。」
「…怖ッ!?」
心の…病んでんじゃん! 鬱病にもなってるし…。うわぁ。
「だよな? やり直ししても同じ結果しか出ないからな。後は、まぁ家の問題だからな。」
クレーム対応までさせられるのか…。嫌だなぁ。誕生日で、その後の人生決まるのは…。その分、給料はいいらしいぜ? って要らない情報聞いたけど! …そ、そっかぁ…魔法で職業とか夢とか決まるのか…。それは、失敗出来ない…か。後、採用事項にメンタルが強いってのは書いてあるらしい。そりゃ…給料も高くなるだろうな。給料高くてもちゃんと採用事項とか見ようと思った。
「って、事で、手紙だけど、最短は1週間後だったな?」
「うん。そう。」
手紙には、日程の案内と記載があった。最短で1週間後、その後は2週間後…と1週間事にズレて行く日程だった。最長で1カ月後との事だ。長いな。私が魔法の検査する教会はそこそこ大きいらしい。手紙に返事書いた瞬間それが”鳥”に成って飛んで行った時はちょっと興奮したよ! また、隣町の中心部なので3日程掛かる場所だ。家の教会では出来ないのかと聞いてみたら、許可書が無いから出来ないとの事だった。後、装置が簡易的な物しかないし…っと言われた。まぁ、クレーム対応からアフターケアまでしてる話だし、許可やら免許が居るんだろう…
「イベントの重要性が分かった気がする…。」
人生掛かってるってのは大げさすぎて嫌だけど…そのぐらいのイベントって事だよね! 気合入れなきゃ! 何するか知らないけど…。
「ま、後2日で準備はしねぇと行けねぇから洋服とかの準備はしとけよ。」
因みに、行くのはイオと私だ。シスターと神父様はお仕事があるので、留守番らしい。めっちゃ泣いてた。そんな泣かなくても…と思ったけど、娘同然の子の成長が見れないと泣いていたら、イオが神父様の肩に手を置いて笑顔で親指立てていい笑顔をしていたので、凄い煽るじゃん…っと思ったのは黙っておく。ちゃんと、殴り合いに発展してたのは言うまでもない…。
「思ったんだけどさぁ。」
「ん?」
「イオの魔法で飛んで行けるのでは?」
「はぁ? んなもんつまんねぇーだろ?」
「あ、そうなんだ?」
意外だ。イオの事だからちゃっちゃと終わらせて帰りたいんだと思ってた。確かに、私の魔法は気になるだろうけど…。知ってそうだけど。仮定は興味無いんだんと思ってたら、イオが口を開く。
「オペラと居れるチャンスだぜ? 好きな奴と一緒に居れるんだ。んな勿体ない事で着ねぇーだろ?」
「うっ…ん。」
笑って私の頭をくしゃりと撫でる。うわぁぁぁ…ま、マ…っジか…めっちゃいい顔して何、サラッと言ってんの!? 恥ずかしげもなく。くっそ…ちょっと、赤くなりかけた。びっくりした。イオ怖い…。これで、強くて優しいんだものなぁ…本当にさぁ…
「なーんで、私に惚れてるって言うんだろうなぁ。」
中身違うのに…。何がいいだろう? でも、乙女ゲームだし、学園に入れば分かるのか? 何となーく。このままだと、イオの方がモテそうなんだよなぁ。それは、ちょっと、嫌だなぁ。
そこから2日たった。準備されていた小さめの馬車の前で準備をしていると、シスターと神父様がきてくれた。馬車は、貨物用の荷馬車だ。御者はイオがするらしい。本当に何でも出来るな。
「行ってきます。神父様、シスター。」
「ええ。いってらっしゃい。気を付けてね。ヴィオラが居るから平気でしょうけど。道中、山賊や魔物が出るかも知れないわ。」
待って、フラグ? フラグなの!? てか、出るの!? 隣町なんだけど…。怖いんだけど。
「気休めだけど、加護はかけておいたから。」
「ありがとうございます。神父様。」
「最悪は、ヴィオラを縦にして逃げなさい。大体の事はそいつが何とかするから平気だよ。心配しなくてもいい。護衛だとでも思えばいい。」
さっきから、イオの扱いが酷いのは何でなの?? そんなに嫌いなの? 嫌でも、言いながらも実力は認めているし…。
「俺への扱いが雑いのはなんでなんだ?」
荷物を積み追いえたイオが嫌そうにこちらに向かってくる。
「信頼してるのよ。実力だけは!」
嫌そうに言うシスターの隣で頷く神父様。好きの反対派無関心だし。嫌いなんだからまだいいのか…。
「お土産買って帰エりますね! おじさんに伝えてください!」
「別に土産はいいから無事に帰っておいで…。」
「はい!」
最後までフラグが…。怖い!! おじさんは、ギルドからの依頼で朝早く出て行ってしまったらしい。寝てたから分からなかった…。
準備が終わり馬車に乗ろ込み、馬車が進む。最初は設備されている街道が通るけど、山を越えようと山林に入ると、設備されていない道が続いたり、シスターが言う様に山賊や魔物が居るらしい…。今回は山を1つ超えて行くらしい。
「フラグたったなぁって思ってたんだよ。」
だからってさぁ…。暫く、馬車を走らせているイオの隣に座り風景を楽しんでいたら、気配がした。粘着く様な視線。気持ち悪い。私ってより、イオの方が凄そう。嫌そうな顔してたから腕に抱き着いちゃったよ。視線は切れなかったけど…。これも修行の成果かなぁ。
「だなぁ…。俺も思ったよ。滅茶苦茶フラグ立ててくるじゃん? ってさぁ。」
「んー。どっち?」
「お前が居るんだぜ? 両方だろ?」
私が居たら、両方って悲しいんだけど…。はぁ…。辛い。これが、《《悪役令嬢救命処置》》の力かぁ。
「いや、全然。こんなもんじゃねぇーらしいぞ?」
「…やめて、心の中で思ってることを勝手に口に出さないで…! そして、私にとっては、ピンチです! イオが居なかったら、殺されてます!」
「殺されるだけなら、まだ優しいよなぁ。」
「怖いって! イオ~。」
嫌だぁ~。助けてぇ~。怖いよぉー!! 楽しい旅のはずだったのにぃ!!
「いやいや、お前も何人かやれよ。」
何人か!? やっぱり、複数人居るんだ…。気のせいかと思ってたんだけどぉ~!! いやぁ。
「えぇぇっ!? 怖い!」
「実践経験は大事だろ? それに、偶にギルドの手伝いをシルバーと一緒に行ってんの知ってんだぞ?」
「えぇー。でも、アレ、本当に雑魚を倒してるだけなんだけど!?」
私が殴ったら滅茶苦茶小さい、小指ぐらいの”魔石”を落とすぐらいの魔獣しか倒してないって!! いや、でも怖いからね?? 魔獣倒したら”魔石”が取れるんだよねぇ。魔力が残ってる個体かし出ないけど…あれ? そう言えば、誰に聞いたっけ?
「十分だろ? それに、相手は山賊だしな。」
「い、いや、人…相手はちょっと。」
んー。近づくのも汚いしなぁ…。怖いって! 顔が!
「魔獣とどっちがいい?」
「うーうーん。困る二択…。。」
走り始めてから、暫くしてから、視線を感じた。付けられているのは何となくわかっていたが、まさかの魔獣もいるなんて思わなかった…。究極選択者じゃん!!
「おい! 何さっきからくっちゃべってやがる! さっさと荷物を置いて消えな! あ? いや、そっちの御者の兄ちゃんだな? そいつは置いて行きな! 顔がいいし、高く売れるな。ぎゃははは。」
「ご指名じゃん…。きめぇ。」
溜息をつくイオの隣で、相手を見る。少し開けた街道の真ん中に誘導された。そこに、2匹の魔獣を連れた男とさっきから口を開いている男。それから、森の中から複数に現れた。いや、多いって!!
「多くない?? こんないたいけな子供相手に…なんて大人気ないんだ!」
「いたいけね? 魔獣を見ても怖がらない。俺らを山賊だとわかっても逃げる素振りを見せない。その上、2人旅だ。腕に自信があるか、よほどのお気楽馬鹿かのどっちかだろ?」
「お気楽馬鹿だったらどうするんだ?」
え、何でちょっと煽るの?? いや、確かに、最初は私から言っちゃったけど、意外と受け答えしてくれるから驚いた私を余所に、イオが答えちゃったよ。
「あっははは。そうだったら楽なんだけどなぁ。んな訳ねぇーよな。」
「だな。って事で見逃してくれ。」
「無理だな…行け!」
そう言った瞬間、魔獣が馬車に向って走り出す。ああーもぉ!!
「イオ!」
「ああ。」
ポケットから”白い魔石”を取り出し魔獣に向って投げると同時に目を閉じて屈む。その瞬間、魔石から目が眩むほどの光が放たれる。
「あ゛あ゛!?」
ガァ…ァァァ!!
その時間1秒にも満たない…が、イオのはそれで充分だろ。その一瞬で、魔獣の首と胴を切り離し、山賊を全て生かしたまま、気絶させて倒していた。私の出る幕無いな。ありがとうございます。そのまま縄で手首、足、体を巻く、たまに暴れる奴は、足首から首に縄を通して巻いた。そのまま、イオが魔法で《《飛ばす》》。何処に? っと思ったけど、イオの領地がある王都の牢獄に直でぶち込んでいるらしい。それって大丈夫なんだろうか…。話は通してるから大丈夫だとの事だったので、大丈夫だろう…うん。
「お疲れぇ~。イオ。」
「オペラもお疲れさん。大丈夫か?」
「へーきへーき!」
いえーいっとピースサインを作る。この2日間ひたすら白い魔石、透明な魔石、黒い魔石に魔力を溜め込んでたかいがあったなぁ…。うんうん。
「イオこそ大丈夫? ずっと、魔法使ってるけど?」
「これぐらいなら大丈夫だ。」
「そう。ならいいけど。」
「それにしても、コールドの加護で守ってても、魔獣相手だと誤魔化せねぇんだなぁ。」
神父様が馬車にかけてくれていた加護は、姿や音がしない加護だったが、人の臭いは消えない…だから、魔獣には気が付かれてしまうらしい。そこまで心配はしていなかったらしく軽めの加護だったんだろうとイオが説明してくれた。1回目の襲われた時に、あの時は小さな魔獣が居たから、白い魔石を投げてから何とかなったんだけど。魔獣も小さかったし、光も弱くしたのだし…。それに、加護のお陰で何人かの山賊はスルーしていたらしい。イオは気が付いてたみたいだけど…いや! 分からんって!
「でって、お? 起きたな。」
「あ、おはよう! お兄さん!」
「なんだ…。」
両手両足縛られた状態で文句言いながらも答えるお兄さん…顔はまぁまぁイケメンの部類だと思う! 深めの顔をしてらっしゃる。
「聞きたいんだけど…。まだ山賊は居るの?」
「っち。俺等で最後だよ。クソが。」
「口が悪いなぁ。ま、人生始まったばっかりだし頑張れ!」
捕まったから山賊業とかはもう出来ないともうけど…。地道に働くがいいさ。知らねぇーけど…。
「ははは…適当な事言いやがって。」
「そりゃ。赤の他人だもん。頑張ってね? って言ってあげてるんだから。」
優しいでしょう? そう言ったら苦虫を嚙み潰したような顔をされた悲しい…。
「はいはい。んじゃ。飛ばすぞー。」
「はーい。バイバーイ。お兄さん。更生出来たらいいね。」
ニコリと2人で嗤ってお別れをした。なんか、最後に騒いでたけど、ま…いっか。
そうして、後のの1日は何も無く隣町に付いた。名前知らなかったけど…。
「”ヘリオトロープ”って名前だったんだ。」
「ああ、後、ここに”最初の聖女”の1人が存在したって言われてる。んで、そこの教会では”愛とは永遠”って言われてる。」
門をくぐり、荷馬車を止める。そこから広場に向い歩くと、色々な所に沢山の花が植えられている。綺麗だなぁ。今日泊る場所は教会が用意してくれた宿屋に泊る。検査だけど、そこまでしてくれるんだ。健康診断みたいな感じか?
広場の中心には、女性の像があった。祈る様に手を組み顔は空を見上げる様に向けている。神様に祈ってるようだ…。
「永遠の愛って事?」
「ああ。」
「ふーん。」
永遠の愛ねぇ…。そのまま、広場を後にして、指定された宿へと向かった。
魔法で人生が決まる事が多いので、結構重要なんです! まぁ、恋するのにもいるんじゃないかなぁ~。とか思いながら書いてます! 今のとこ食い意地しか張ってないんだけど、主人公。
次で魔法の属性わかりまーす!




