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17話 攻略対象様は、チートで天才だったんだけどぉ!?

「ぜ、ぜ、んぶ…。」

「おう。」

 驚愕する私を余所に、キラッキラな笑顔のイオが私を見ている。…な、なんてことだ…。 主役潰しだ! 主役に成り代わる気…か? え? なんで、そんなに強いの!? 普通なの?? ねぇ? なんで?? 顔も良いし! 魔力も良いって何!? そして、私は気が付いた。…つまり、イオがこんだけ強いと言う事は…そう言う事だよね? 私は戦慄した。まだ見ぬ悪役令嬢ちゃん(イオの妹ちゃんも)私より強いって…事!? そうだよね!? だって、妹ちゃんからこの世界の事を教えてもらってるんだよね?? つまり、妹ちゃんは…記憶ある(知ってるんだから、当たり前だけど!)私より、魔法使える。戦ったら、私より強いって事!? う、う…噓でしょ!? い、いや、でもそうか…。主人公《私》を守るために強いのか!! やっぱり、私、主人公だから包容力と優しさと清らかな心とかあるのか…多分。 

「つまり、さっき言ってた自然属性魔法も無属性魔法も使えるって…事?」

「条(・)件(・)付(・)き(・)だけど使えるな。」

 条件付きでも、全て使えるって事…っはぁ!? いや私、主人公だけど多分使えないんだど!? …うう、くっそいい顔でイオが私を見てる!! きっと、そう思ってた事が内から溢れたんだろう…。私の口が勝手に言葉を紡いだ。

「チート野郎は、顔も魔法もいいのかよ!」

 (え、凄くない!? 全部使えるの!? 私主人公だよね!?)


「おい。逆、逆。すっごい悪態つくじゃねぇーか。」

「…っぐ! 間違えた…。」

「間違えた…って事は、内心今の事思ったって事だよな?」

 ニコリっとイオに小さく頷く私…。怖い。ちょっと温度下がった。いいじゃん! 妬んでも! だって、何で…全部使えるの!? 意味わかんない!! 私(主人公)より待遇良いって何!? 

「あははは…そりゃ、まぁ、俺”攻略対象”(こうりゃくたいしょう)だし?」

「…っぁー! そ、そーじゃん! 忘れてた…!」

 完全に忘れてたけど、そっか…そうだよね!? イオって攻略対象様だもんね!? え、攻略対象って強いの!? 

「忘れんなよ。」

「い、いや、待って? 納得しかけたけれども! おかしくない!? おかしいよね!?」

 私! 主人公だよ!? ねぇ! 言っとくけど、私! この世界で主人公なんだよ!? そう言って、イオに異議を申し立てると、手を横にゆっくり振る。拒否してても綺麗って何なの!?

「いやいや、考えても見ろよ。」

「何が?」

「俺は、生まれてからこの世界に居たんだぜ?」

「うん。そりゃー?」

 いや、私も生まれて、この年まで生きてますが? そう言う顔をしていたんだろうイオが口を開く。

「それを約2歳ぐらいから前(・)世(・)を(・)思(・)い(・)出(・)し(・)た(・)ぽっとでの魔法知らないバブバブちゃんクラスが、この俺に勝てる訳無いだろ?」

「…馬鹿にしてる?」

 ちょっと、馬鹿にしてるよね? 私、(何度も言うけど!)主人公だからね? そこんところ分かってる? そう思いイオ見るが、すっごい笑顔だった。なんで? そんな

「可愛いなって思ってる。」

「…え、本気?」

「おう。」

 ニコリと微笑みを浮かべて私を見てる。コイツマジじゃん?? ナチュラルに煽ってくると思いきや、めっちゃ笑顔で私の事真っ直ぐな目で見てくる。えぇ~。何でそんな曇りなき眼で私の事見てくるの??  私の心が曇ってるみたいじゃん! マジかよ。いや、確かにさぁ! 私は、魔法バブバブちゃんクラスだけど! バブちゃんクラスで良くない? って言ったら、バブバブちゃんの方が可愛いらしい。…って違う! それにしても、どんな言い訳を考えても仕方ない。だって、イオは本当に、私の事を可愛いと思ってるし。っふ…。ふふ。ふーぅーふぅ…仕方ない。ここは私が大人になってやりましょう!! 

「バブバブちゃんクラスの私に! この世界の魔法を教えてください! 師匠!」

「いいだろう。我が弟子よ!」

 そう言って出した手にイオと笑顔で握手した。ちょっと、クサイなとは思ったけど…ご愛敬と言う奴だ…。使い方在ってる? 分からんけど!

「ま、言うても、オペラは、魔(・)法(・)使(・)え(・)る(・)の(・)は(・)確(・)定(・)なんだけど。」

「へぇー」

 確定なんだ…ま、主人公だしねぇ…。てか、私って多分”神聖魔法”使えるよね! そう言って、その日は終わった。朝起きたら、イオは既に旅立って行った。その間は、ひたすら基礎体力を伸ばす為に走り込みをした。おじさんともランニングやらギルドで軽いお小遣い稼ぎをした。後、起きたら机に置手紙と《《文字が書かれている透明な石》》が置いてある。手紙には魔石《ませき》と書いてあった。

「魔石なんだ。なんか、文字かいてあるけど、外じゃなくて中に入ってる?」

 透明な魔石の中に細かい文字が見える。小さすぎて見えない…。手紙に魔石に自分の魔力を流す方法が記されてあったので、それを試していた。


『魔石に魔力を流す。やり方はいたってシンプル、魔石を両手で包み呼吸する様に、身体の中をめぐる魔力を魔石に流すだけ! すると魔石が光る…大成功!! な? 簡単だろ?』


 以上! そう書いてあった。…いや、説明簡潔すぎない?

「シ、シンプル~!! え、すご、この文しか書いてないんだけど?」 

 イオって感覚派で、天才タイプかぁ…。そーだよねぇ。きっと、何でも感覚で出来るタイプだろうなぁ。あの感じ…。秀才ってより。天才肌っぽいし…んー。私、魔法に触れてこなかった人生歩んでるからなぁ…。主人公だし出来るのかなぁ…。考えても仕方ないから、まぁ、やってみるか! 当たって砕けろって言うし! 砕けたら駄目だけど!

「よし! まず魔石を両手で包み、息を吸って吐く様に魔力を流す。」

 目を閉じ深呼吸をゆっくりする。んー。チラッと両手の中を見るが何の変化も無い。むー。何も起きない。もう少し深く息を吸い吐く。吸って吐いてを繰り返す。

「中々…上手くいかない。魔力は、身体の中を巡ってるって話だし。」

 イオの話だと”魔力”は、この世界の全ての生命体に宿っていると言っていたし…出来るはずなんだけど…。

「無駄な事考えるから駄目なんだろうなぁ。無心になればいいのか…。無心」

 何も考えずに、ただ深呼吸をする様に、体内にあるはずの魔力を魔石に流し込む。すると、体(・)内(・)を(・)熱(・)い(・)何(・)か(・)が(・)巡(・)る(・)感(・)覚(・)がした。っは! これはもしや…そう思った瞬間、パッと体内から巡る感覚が消えた。あーイオはどうやって使ってるんだろう?

「あ、消え…あーやっちゃった。」

 もう一度やってみるが、中々出来ない…。今のは、出来る気がしたんだけど、慢心した。んー。お腹減った。そう思って、ふと窓を見ると空がオレンジ色になっていた。

「…え、あ、夕方じゃん。」

 私、めっちゃ集中してたって事だよね? 凄い集中してた…な。そして、今日朝の運動してから部屋から出ていなかったという事実…。何事も無かったかの様に、部屋を出て、夕食を食べる。そう言えば、今日お昼食べてない…神父様もシスターもおじさんもお昼居なかったからなぁ。忘れてた…。気を付けよう。うん。そう思い、私は夕食をおかわりした。めっちゃお腹減ったんだ。魔力と食欲って関係あったりするのかなぁ? 

「そー言えば、イオは今何してるかな? ご家族と会えたかな?」

 攻略対象って言ってるんだし、自称かもってもは拭いきれないけど! でも、もし本物だったら、教えた”妹ちゃん”も関係者って事だよね? って事は、イベント関連で出会うかも知れないよね? ま、私って言うか主人公が学校? 学園に入ってからだし? まだまだ先だよねぇ~。

「お風呂入ろ。なーんか、イオ居ないと…」


 ”寂しい”なーんてね。最近の日常が結構濃かったから、物足りなくなったのかなぁ? 随分と、我儘になったなぁ。私。その日は、早めにベットに入り、ちょっとだあけイオを思い出して眠った。ベットに入ったらすぐに眠れた。疲れてたんだろうな。慣れない事してるし。


 朝、日の出と共に目が覚めた。昨日早く寝たからかなぁ。うすぼんやりしている空を見ている。ふと、魔石を手に取り、ぼーっと、魔石を見つめ、昨日の成功しかけた魔力の感覚をなぞる様に息を深く吸って吐く。少しだけ開けた窓からふわりと心地の良い風が私の頬を撫でると、小さく魔石が光った。

「あ、出来た。」

 口角が上がる。やったぁー。そのまま、光続けている。んー眩しいなぁ。

 驚きながらも、他にやり方知らないから、1日魔力が尽きるまで魔力を魔石に流す訓練をした。

「初めは、半日が限界だったのに…2日目で1日持つなんて…。」

 ただ、魔力なくなった瞬間の脱力感と倦怠感が一緒にきて何もしたく無くなるあの感覚は苦手だ。嫌だったから、適度に魔力の調整を頑張ったら1日もった時は嬉しかった。そんなこんなで、私の今の限界を試して遊んだり、どのぐらい持つかを滅茶苦茶慎重に魔力を流したりしていたら4日たった。朝食を終えて、準備をする。今日はイオが来る日だ。部屋に戻って準備をしようと部屋の扉を開けると、テーブルに見慣れない真っ白い…手紙だ。が置いてあった。 

「ん? 手紙?」

 私の部屋に真っ白い手紙が置いてあった…。え? どうやって? 何!? でも、危険な物なら、神父様の加護が発動するはずだし。この教会には神父様による加護が施されているらしい。なんでも、外敵…神父様にとっては顔なじみ、殺気、殺意を放っていそうな感じかな? の人から私達を守る結界の様な物と加護だと、イオが引きつった顔しながら言ってた。あー。だから、俺は入れなかったんだ…。その呟きは聞かなかった事にした。だから、あの時、神父様達微妙な顔したんだ…。

「おや? こっち来るのが、3日も後になるんだぁ。んー。そっかぁ。」

 手紙には、家族に捕まった。っと簡潔に書いてあった。…そっか。それは楽しんで欲しい。家族は大事だ。突然会えなくなったりするし。だから、ほんの、ちょっとだけだ…。やっぱり、寂しいなぁっと思ってしまう。あんなに、距離が近くても不快に思わない…てか、一緒に寝て、不快じゃないんだからなぁ。心地が良いんだろう。

「んー。やっぱり、好きなのかなぁ…。恋愛…と言うか初恋だってまだした事無いから分からないんだけど…。」

 でも、確か思い浮かべるのが、特定の人なら…それは! って昔読んだ雑誌かテレビで見た気がするんだけど…。やっぱりそうなのかなぁ…。んー。

 悩みながらも、3日間はひたすら、魔力と魔法の流れについて実験をしまくった。倒れるまではいかなくても、ちょっと船酔いみたいな、酔った感じになって気持ちは悪くなった…。でも、多分魔力は多くなった気がする! そして、私は、魔法に夢中で記憶の彼方に消えて行った…。

 それから、1週間後にイオは、戻ってきた。大丈夫なんだろうか…と私の心配を余所に手土産げ片手に現れた。ちゃっかりしてんなぁ…。


「よ。久しぶり。出来たか? って聞くまでもないか。」

「いや、聞いて欲しいんだけど!?」

 私の今までの努力を! そして、頑張りを! 体力って言うか、気力を使いましたが!?  

「なんで? 出来たんだろう?」

「出来たけどさぁ~。私は! 褒めて伸びる子なんです!」

「そっかぁ。俺は偶にしか褒めねぇー事で有名なんだ。 そーだなぁ。褒められたかったら俺にどうやって勝てるか考えてからだな。」

「勝てる? え? 私、イオとバトるの!?」

 なんで、そんな事サラって言うの? そして、なんで褒めないんだよ! 結構頑張ったんですけど!? い、いや、、まぁ、ちょっとテンションは上がりましたが! え? 嘘でしょ。褒めてよぉ!! 出来たけど! 出来た後も大変なんだよぉ~。結構維持するの大変なんだよぉ~。

「…はぁ。まぁ、魔法の無い世界から来て、魔法使える様になるはすげぇよ。流石、我が弟子!」

「…」

 すっごいわざとらしいんだけど…。

「ち(・)ゃ(・)ん(・)と(・)褒(・)め(・)た(・)だ(・)ろ(・)?(・) それともわざとらしかったから嫌なのか?」

 そうじゃない! そーじゃないんだよぉ~。私はちゃんと、イオに褒めてほし…い? え、何で…。なんで、私は、イオに褒め…あー。待って?? 待って? 忘れてた。一瞬考えて、魔法に夢中で忘れてた…あー勘違いかも知れないし! うん。もしかして1週間ぶりで寂しかったとかで…あー、どっち? これ吊り橋効果か本当に…私! …はぁ。ちょっと、

「そう! もっと、こう! 心から! 褒めて!!」

「あー。なら、驚かせてみろ。」

「なんで、そこはそんなに頑ななんだよ!」

「仕事とプライベートは分けるんだよ。」

「…へぇ?」

 え、私に魔法教えるのは仕事なの!? プライベートじゃないの!? そう、ツッコまなかった私を、誰か褒めて欲しい!! 

「さーってと、んじゃ行くか。」

「へ? どこに?」

 挨拶もそこそこに手を握られたと思った次の瞬間、私は知らないキラキラした空間に居た。

「ようこそ! 俺の秘密の練習場へ!」

 久しぶりのイオといきなり連れてこられた空間により、私は驚きで風邪引きそうだと思った。固まった私を見ながら爆笑しているイオを見ながらコイツ性格終わってんなぁ…。と思ったが、次の瞬間言葉が出ていた。

「……性格悪いな。」

「好きだろ?」

 ニヒルに笑ったので、私も負けじとカワイク嗤ってあげた。

次ぐらいから…本格的にしていきたいなぁ…とか、思ったりしております!!


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