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11話 過去編2

 目の前には、大きな洞窟がある…

「ここだ。」

 奥は真っ黒で光がないと見えなさそう…。んー。光…光かぁ…。洞窟って言ったら松明とか? いや、持ってないけど…。それか…灯り、かな?


「うーんっと、ぁっ! 【黎明(れいめい)】」

 言葉と共に薄暗い光が現れ淡く地面を照らす。あーまぁ、無いよりマシかなぁ? 淡い灯りと共に、穴の中に入ると真っ暗な道が続いていた。


 “…っち…、こっち………こっち……こっち…“


 ふふふ。良かったぁ。合ってるみたい。

「ふーん。」

 ここで考えて、ふと手元を見る…さて、何の準備も無いんだけど、まぁいいかぁ…。私の中にいる子供の声がはっきり聞こえるってことは、近いんだぁ〜。

「ま、何とかなるかぁ~。よーし! はいっちゃお。がんばるぞ~!」

 いしても、初めての~冒険だぁ~! いえーい! ふふふ…魔法で出した灯りは薄暗いけど、はぁ。灯ぐらい持っておけば良かった。ま、いっか。見えてるしぃ。ふふふ…あははは…。これが、のちの”イベント”に繋がったりするのかなぁ…? …なーんてそんな事無いかぁ…。


「ふんいきはでるからいいか。」

 そんな事を思いながら暫く歩く。真っ暗な道から大きな広場みたいな所に出た。何も置いてないただの岩で囲まれた空間だ。部屋って訳じゃないな。でも、武器が置いてあるって事は、子供達以外もいるって事かな。まぁ、あのローブの人と大剣のお兄さん達が居たんだしい。いるか。

「…ひろい、おへや。で、うしろは、まっくら。」

 後ろを振り返ると今まで進んできた道だろう、暗く辛うじて地面が見えるか。さて、ここ何処だろう。 さっきの明るかった広い部屋から出て、真っ直ぐ歩いてきたけど。道無かったし。これ、夕方までに帰れるかなぁ。シスター達きっと心配してるよね? 

「どこ?」


 "こっち…こっち…こっち…こっち…こっち"


「……。」

 さっきよりもはっきり聞こえる。小さな子供達の声だ。でも、弱い。そのまま声の方に歩くと、光が見えて来た。あそこが、ゴール…というか、行き止まりかな? 近づくと声が聞こえた。


「おい。マジかよ。もう使()()()()になんねぇ。」

 ガラの悪そうな男の声が聞こえる。

「………。」

「っち。全然もたねぇーじゃねぇーか! ()()()()渡しやがったな。アイツ!」

 悪態をつく男の声も聞こえる。物陰から覗く、小さな子供の胸ぐらを掴んでいる汚い

 男がと広がった空間の真ん中居た。そこには沢山の照明と大きな円球が幾つもあるが中に《《何か》》いる? 子供の服は布切れ同然で、乾いた血が付いている。死にかけ…。


 助けて…助けて…助けて…助けて…


 タサケテ…タサケテ…タサケテ…タサケテ…タサケテ…タサケテ…タサケテ…


 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


 助けて…助けて…助けて…助けて…助けて…助けて…


 イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ


 タサケテ…タサケテ…タサケテ…タサケテ…


 声が私の中に直接響く。おお、反響してる…。やっばぁ…。わかったから、ちょっとだけ、待ってね。

「……。」

 ん? あの下には光輝く模様…。あれは、魔法陣(まほうじん)だ。…え!? 初めて見た! すっごい! あ、きっと、()()()()()するのに使う陣だ。あっは、何あれ凄い細かい文字と模様が描かれている。ああ〜もっと近くで見たい! 前世なんて魔法がない人生だったし…。使って見たいって思ってたもんなぁ! ま。今使ってんだけど〜。それにしても…。


「凄い、見ただけでわかる。流石(主人公)!」

 でも、そーなんだ。あれが魔法陣なんだ。あー…きっと、召喚魔法陣(しょうかんまほうじん)って言うのだぁ! 男が小さい子供の胸ぐらを掴みながら何かを言ってる。品が無さそうで、汚いなぁ。()()だけ消せるかな?


「【闇夜(あんや)】」


「あ゛?」

 目が合った。笑って手を振ると何か言う前にサラリと男が()()()。輝いてる綺麗な光が、真っ黒な光に変わる、と同時にその光の下にいた人が一瞬で黒くなった端から灰になって消えた。はは、すっごい…子供は消えてないね。あ、色々聞く前に消しちゃった。あーでも。

「いっか。」

 近づいて子供を抱えると軽かった。この子もかぁ…。此処はなんかの施設かな。上を見ると大きな水晶? いや、中に女性が見える。目を細めて見ると、綺麗な女の人がいた。最近のアニメはガラスとか水晶に入れて飾るのか? キモッ! 

「んん?」

 にしても、良く見えなんだけど…。曇ってる? 掃除ぐらいちゃんとしなよ。…っと、何だろう? 封印の割にはなんか雰囲気が…。うーん。なんだ? 分からん!


「おい! いつまで時間を…あ? アイツ何処に…」


「お前、なんだ…ガキを返ッ…!」

 考えていると、先程と同じく、ガラが悪そうな男が2人現奥から現れると同時に腰にある剣に手を掛ける前に私が、口を開く。


「【黒輪】」


 バシュッ!


 が、その前に私が出した”魔法”で、男達の体を真っ二つにする。

「これは、このままでいいかなぁ。」

 話を聞こうにも、攻撃されるし…、地面に沈んでる死体を見ながら考える。でも、コレ(死体)…を置いてたらバレるよね? それに、下に“まだ”居そうなんだよなぁ…

「おおいなぁ~」

 これは…意外と子供もいるねぇ…。いや~気のせいかなぁって思ったけど。どうしよう。悩んでいると微かに気配が腕の中からした。。


「ねぇ、どうしよっか?」


 下を向くと目を開けた子供が私見ている。んふふふ…おんなじで、まんまんるな、真っ黒なお目だぁ。ははは…。


「も、…と。しぃっ…た、にぃ…る。」

 子供が口を動かし声を出す。


「たぶん、まにあわないよ?」

 絶対に間に合わないと思うんだけど…? それでもいいの? 嗤って問いかけると、真っ黒い目が私を見つめて再度言う。

「ひと、りだ…っ…ぃる!」

「んー。」

 今から下まで行ったら結構時間掛かっちゃうんだけど、夕食までに間に合えばいいんだけど…。難しいよねぇ…。

「ぉ、ねが…ぃ」

「なにか、してくれる?」

 どんな時でも、お礼はね。大事だと思うんだよね。私はさぁ。…死にかけたの子供に酷いって思うけど…それとこれは違うし? 何より私も子供だし。対等だよね? ここで死ぬことはないとは思わないけど! でも、怪我とかはするかもじゃん? 例え、主人公でもさぁ。だからお礼は欲しいなぁって思うんだけど…。

「もぅ、な…にを…で、も…っ! じ、かん。なぃ…か、らっ! …ぁ、げ…るっ!」

 そう言って私の手を掴む。時間がないからくれるの? 私に? ()()()()

「ふーんふふふ。()()?」

 嗤って目線を合わせる。私と逸らさない子…。同じぐらいの年なのに、覚悟決まってるなぁ…ふふふふふ…あっははははは。うんっ! いいねぇ。同じ立場なら、私もきっと同じ事する!

「ぅん。」

「いいね! いいねぇ。」

 イカれてるねぇ~。 ふっあははは…そうか。いいね。うん。

「……。」

()()()()()()()()?」

 地面の描かれている魔法陣を見ると、子供は小さく頷いた。

 やったぁ! この魔法陣使ってみたかったんだよねぇ。ふふふ…あ、でも、使い方…は? わっかるわけないじゃん。でもね。でもね。


「わかるよね? だって、()()()()()()!」


 なんたって私は、この世界の()()()なんだよ!! 出来るに決まってるじゃん! 知らない魔法も召喚魔法陣だって…分かるよ! 使いこなせるよね! 私主人公だもーん! んっふふふふ!


 だって! (主人公)なんだから!


 知らなくたって知ってる。…お茶の子さいさいなんだから。ふへへへ、あははは。さ…。

「っと、あぶらうってるばあいじゃない。」

 さーて、ここに居る皆の悪意と憎悪を糧に…。言葉とともに真っ黒い靄が集まり黒い塊のようになる。ふへぇー。なんか、濁ってる。


「【召喚(サモン)】」


 グォォォーーン!!


 私の言葉に魔法陣が淡くひかると同時に、鳴き声のような雄叫びが広い空間反響した。ビリビリする。うるさぃ…。耳を塞いでいると、目の前に真っ黒い塊が現れる。

「おっきぃ。」

 ふふ…あっはははは! 面白いなぁ。すごい召喚ってこんな感じなんだなぁ。コレ、ゲームだと、どんな感じなんだろう? しばらく様子を見ていると、魔法陣の中から這い上がる様に出て来たのは、深い黒い色の龍だ。胴が長いから中華風なのか。所々鱗が剥げて来ている。ありゃりゃ…勿体。思いながら鱗を拾うが砕けた。ん? もう一枚拾うと砂の様にサラサラになる。ああ〜。鱗って、お金になりそうだったのに。古今東西、前世でも価値ありそうだったのに…アニメとかゲームとか、この前ギルド行った時に、お仕事のボードみたいなのにも書いてあったし。だから…


「ざんねん。」


『キサマか?』

「ふぁぁぁ~。すごっ! しゃべったぁ〜!!」

 ボロボロと身体から破片を落としながら私を見る黒い龍の瞳は…無く空洞だった。ただ真っ黒だ。目がない。どうやって見えてるんだろう?

『フツウはイシなどナイが、キサマとコドモたちのオカゲ…でハナスことがデキル。』

 あ、ちゃんと喋るんだ。しゃがれてる声だが、でも、低くて優しそうな声だ。きっとイケメンの龍だったんだろうなぁ。

「ふーん。そうなんだ。」

 確かに、今にも崩れ落ちそうな身体。意志を持つことは難しいか。私は、どうせ忘れるからどうでもいいや。

『ヨバレタからにはソウオウのハタラキはする。』

「なら、よろしくね。」

 沢山暴れてね〜。手を振り黒い龍の前を通ると声をかけられる。

『シタのコドモはマニアワナイ。』

 知ってる。

「わかってるけど、たすけるっていっちゃったんだ。だから、どっちでもいいの」

 そう約束したからしょうがないでしょう? 死んでようが生きてようが。あ、でお、1人は間に合うらしいから間に合ったらいいなぁ。

『ソウか。チカへのイリグチはわかるカ?』

「えー? あーどこ?」

『まってイロ』

 言うと、黒い龍は、サラサラと崩れそうな指先を動かし、空間に何かを書いている…。ま、魔法?? え? 凄い!

「まほう…つかえる?」

『ん? アタリまえだ。ワレらはそーいうイキモノだ。』

「…へぇー。そーなんだぁ。」

 暫くすると、何もない所から階段が現れる。隠されてた? 収納されてる感じかなぁ?

『コレでいけるナ。』

「うん! ありがとう!」

 お礼を言うと僅かにほほ笑んだ黒い龍は口を開ける。

『またナ。』

「はは。会うこと無いと思うけど、またね。」

『ああ、さらばダ。"オウ"よ。』

 そう言って、黒い龍と私は別れる。出してくれた階段で下に降りる。あ、そー言えばここに子供以外の”人間”が何人居るか聞けば良かった…。


「わぁ〜。まっくらだぁ。っと、【黎明(れいめい)】」

 はぁ。先程出した、灯りで照らす。そのままゆっくり階段を降りていく。うう、子供って歩幅小さいからゆっくりなんだよなぁ。後、疲れて来たなぁ。うう。もっと楽したい。考えながら階段を一段ずつ降りていると綺麗な声が聞こえた。

姫君(ひめぎみ)

「へ?」

 声がした方に振り返ると何もな…い? ん? んー??

『姫君。』

「んー。いるの?」

『はい。存在しております。我が姫君(わがひめぎみ)

「んー。ん? あ、いる!?」

 声の方に目を凝らすと、うっすらと()()()()があった。灯りを人影に向けると、暗闇の中から真っ黒い…女性かな? なんかシルエット的に女性の形してるし…。それから、2回ぐらい無視してたけど、姫君って私の事かな?

「えーっと…あの」

『はい。姫君』

 あー、私の事だった…。っと、ん? なんか…え? 私の影無いんだけど…?? お? え? もしかして…

「わたしの()()?」

 問いかけた瞬間、膝まづく女性の影…え、な、何で膝まづいた!? いや、首痛かったから楽にはなったけど…自分の影に膝まづかれるのは不思議な感覚だなぁ。

『ッ! 大変失礼いたしました。(わたくし)は、先程の召喚の欠片で呼ばれた身でございます。その為、形…依り代が無く、姫君の影を使わせていただいております。』

「あ、そうなんだ。」

 便利だなぁ~。

『申し訳ございません。このような不完全な力、その上、無断で姫君の()を使わせて頂いた状態での顕現。どうかお許しください。』

「え、いいけど…。というか、わたしがよんだの? あなたのこと」

『…そうですね。(わたくし)の場合は、()()()()でしょうか。』

 た、たまたまで呼んだの!? え? 偶然、私が召喚しちゃったの!? 力の使い方わかってなかったからだけど…逆に迷惑なんじゃ…。今回限りの可能性しかないんだけど…。

「え、めいわく…だったよね。ごめんね。」

『…いいえ? 私は姫君が私を召喚していただき嬉しく思います。ですから、どうか、そのような事をおっしゃらないで下さい。』

 そう、笑って言ってくれる。なんていい人…かは分からないけど…いい子なんだ! でも、謝らないといけないんだよね。

「でも、ごめんね。わたし、こんかいのこと、”おぼえて”ないとおもうんだけど」

『…でしたら、私に()()を付けていただけませんか?』

「なまえ?」

『はい。姫君がいつか思い出す事がございましたらその際に名前を呼んでくださいませ。』

 な、なんて事言うんだ…。忘れるって言ってるのに…。期待させて劣すなんて出来ない。

「えぇ。やだよぉ。わすれるっていったじゃん。おもいだせないかのうせい」

『ですが、これから姫君は、必ず強くなります。それが分かっていて見逃す程、私達(わたくしたち)()()は甘くないのです。』

 ふふっと、語尾にハートマークが付きそうに言う。うへぇ~本気なんだ。うーん。流石は、悪魔…あく、ま? 悪魔!?!?

「あくま…さん。なの?」

『はい。そうです。一応は、()()()()()はあるのですが、余り好きではありませんので、どうか、”悪い”と思うなら、私に名前を頂けませんか?』

「うぅぅぅぅ…ずるい」

『ふふふ。私は、悪魔ですわ。ズルいのですよ。』

 なんか楽しそうだなぁ…もぉ~。まぁ、いいか。思い出したら沢山コキ使ってやる!

「おもいだしたら、たくさん! てつだってもらうからね!」

『はい。楽しみです。』

 にしても、名前…名前かぁ。もう、何にもアイディアとか出てこないから。いいか。苦手なんだよなぁ…。

影姫(かげひめ)。わたしの”かげ”にいるから…あと、じょせい…だよね?」

『ふふ…。私達に性別の概念はございませんが…姫君が安心できるのでしたら、”女”と思ってくださいませ。』

「わかったぁ~。」

 ぶっちゃけ、私もどっちでもいいし。でも、安心は安心かな? 悪魔って自分勝手でプライドが高いって相場が決まってるのに…影姫は違うなぁ。あれ? 偏見か?

『有難うございます。では、私は、これより影姫(かげひめ)と名乗らせていただきます。』

 そううやうやしく、私の足を持つとそのまま、甲にキス…をされた。なんか柔らかかったし…多分唇があったて…。なんでキス!? え? 普通は手か手の甲じゃないの!? え? 普通ってなんだ!? 

「え…え、ぇ? ええ?」

(わたくし)の全ては、姫君の為に…。これより全身全霊全てを、姫君が死ぬその瞬間まで捧げます。末永くよろしくお願いします。』

 そう、激重い言葉と共に笑顔で言われた…。プロポーズされると思った…それ以上に、激重感情持たれてるな…あはははは。出会ったばっかなんだけど。いや、そもそも何者なの!?

「そーですか。」

 私が返せた言葉なんてそんなものだ。…あー。全部終わったら考えよう。うん!


 そう思って、悪魔の女性だった。影姫と一緒に階段を下りた。もぉーどうにでもなれ! 少しやけくそなのはほっといて欲しい。


まだ、続きます。


今のオペラは自分が主人公だから死なないって言う絶対でな自信があって色々してます。主人公だからなね。

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