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家庭教師と悪ガキ♂ツインズ~荒んだオスガキ共を甘やか指導でメロつかせる~  作者: 巣暮イマ


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60話 アイツ、ちゃんとバスケやってんじゃん



「ハジメ、ナイスパス!」



「おうっ!」



 7月下旬、無事に期末試験を乗り越えて夏休みに突入したハルトとハジメは、所属している部活の大会に出場していた。

中学3年の夏……勝っても負けても、これが最後の部活動だ。



「ハジメ先輩こっちですっ!」



「清志朗頼んだっ!」



 ハルトたちサッカー部は予選を勝ち抜いて県大会出場が決まり、今日はハジメが所属している男子バスケットボール部の地区予選。

保護者として参加しているメリッサさんに同行して、俺とハルトも試合の応援をしている。



「……ハジメ、すごいな。パス回しとか、めっちゃ正確で速い気がする」



「ハルトはハジメの試合見るのは初めてか?」



「……体育の授業で一緒にバスケやったことはあるけど、ちゃんとした大会は初めて」



 観客席から『広橋第一』と書かれた赤いユニフォーム姿のハジメを見下ろすハルト。

普段、家にいる時の天真爛漫な感じとは違い、コートに立ってチームメイトに指示を出すハジメは随分と真面目で格好よく見えた。



「……アイツ、ちゃんとバスケやってんじゃん」



 ハルトはそう呟くと、嬉しそうに口元を弛ませた。



 小学生時代は2人でサッカー少年団に入っていたが、中学に上がってハルトはそのままサッカー部、ハジメはバスケ部に入部した。



 ハジメはその時のことを『ハルトのサッカーの才能に追いつける気がしなかった。バスケも才能ないし、適当にやってる』みたいな風に自分を腐して言っていたが、決してそんなことはないと俺は思う。



「……ハジメのやつ、先生が来てからなんか吹っ切れた感じ」



「そうなのか? アイツは初日から元気いっぱいに突っかかってきてたが」



「……あれは、手負いの獣みたいなもん」



「自分の弟を野生動物みたいに言うなよ」



 ……。



 …………。



「ちくしょ~負けたっ!」



「惜しかったなハジメ」



「……あと1回勝てば県大会だった」



 バスケットボール部、夏の地区予選。

ハジメたち広橋第一は2回戦敗退という結果で幕を閉じた。



「つっても、2回戦の相手はいつも県ベスト8とかの強豪だったんだろ? さすがに運が悪かったな」



「……結構競ってたし、ほぼ県ベスト8と同じ実力はあると言っていい」



「でも負けは負けだからな~。来年こそはリベンジしてほしいぜ」



 リベンジしてほしい……その言葉は、自分はもう出場できないからというハジメの悔しさが込められているような気がした。



「バスケ部の生徒は保護者と一緒に一旦学校帰るんだっけか?」



「おう! 正直ダルいけどなー。オレもこのまま八雲の車で帰りて~」



「……先生、帰りにファミレス寄ってごはん食べてこ」



「あっズリいぞハルト! 八雲、オレもソッコーで行くから迎えに来てくれ!」



「引退前の最後の大会だったんだし、部員同士で打ち上げとか行くんじゃねえのか?」



「くぉっ……た、たしかにメシ行くとか言われた気がする……!」



 そんなことを話していると、ハジメを見つけたバスケ部員たちがわちゃわちゃと集まってくる。



「ハジメ先輩、そろそろ行きますよ!」



「あ、この前合同練習に来てたお兄さんだ」



「うっす」



「ハルトもいんじゃん!」



「……おつかれ」



 ユニフォーム姿の男子中学生たちに取り囲まれ、汗と制汗スプレーにまみれたなんともいえない匂いが充満する。



「おまえら、はやく着替えた方がいいぞ」



「え~なんすか? クサイっすか?」



「いや、そういうわけじゃないけどな……っておい、汗でベトベトのユニフォームをこすりつけるな」



「お兄さん相変わらずでっかいな~」



「うちのバスケ部入りません?」



 入れねえよ。法律的に。



「おいコラッ! 八雲に変な絡み方すんなっ!」



「……さっさと更衣室行って着替えてこい」



「へいへい」



「お兄さんまたね~」



 …………。



「八雲、なんでうちの部員に人気なんだよ。通報案件だぞ通報案件」



「……先生の節操なし」



「なんでだよ」





————  ――――


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