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家庭教師と悪ガキ♂ツインズ~荒んだオスガキ共を甘やか指導でメロつかせる~  作者: 巣暮イマ


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42話 ハジメには黙っててあげるよ


 6月、1週目の日曜日。



 先月末に行われた中間試験のテスト結果が全て返却され、現在俺の前にはハルトとハジメの試験結果が記載された紙紐のようなものが並べられていた。



「お、お前ら……赤点回避どころか、ほとんど平均近く取れてるじゃねえか!」



「……えへへ」



「やってやったぜ八雲!」



 今回のハルトたちの中間試験の目標は、主要5教科すべてで赤点を回避すること。



 その結果によって、2人の誕生日プレゼントがスマホになるかどうかが懸かっていたわけだが……なんと2人とも赤点回避どころかすべての教科でほぼ平均点を獲得しており、中には平均を超えている科目もあった。



「うわ~マジで頑張ったなあお前ら! 偉いぞ~!」



「「ふぎゅっ!?」」



 こちらの予想よりも随分と良い結果を出したのに加え、ここ数日気を揉んでいたということもあり、感極まって2人を思いきり抱きしめる。



「せ、先生くるしい……っ」



「はははっ、八雲ってばオレたちが高校受験に受かったくらいのテンションで喜んでんじゃんっ」



「わ、悪い……これまでの家庭教師の苦労が一気に報われた気がしてな」



「家庭教師の苦労ってなんだよ!」



「……おれたちに勉強教えるのが大変だったって言いたいわけ?」



「そりゃそうだろ、めちゃくちゃ大変だったぞ」



 2人をがっちりホールドしていた腕の力を弱めると、ハジメがスルっと抜け出していく。



「ふぃ~、八雲ってばマジで力強すぎ……あれ? ハルトは?」



「…………」



「あっハルトお前、なんでまだ八雲にくっついてんだよ!」



「……ハジメが抜けて苦しくなくなった」



「くっ、こいつうまいこと……!」



 ハジメが抜け出した後も、何故か俺の腕の中にスッポリと納まっているハルト。

こっちはこっちで何故かガヤガヤとうるさいハジメの様子を眺めていると、俺の耳元にハルトが手を当ててコショコショと内緒話を始める」



「……先生、ごほうび忘れないでね」



「ん? ごほうびって」



「……2人きりで、お出かけしようね」



「お、おう……」



 ハルトはそれだけ言うと、俺の腕から抜け出してハジメを宥め始めた。

そういえば、赤点回避したら俺からも2人にご褒美をあげる約束をしてたな……



「ハジメはパケモンカードが欲しいんだっけか。赤点回避したし、約束通り買ってやるよ」



「あー、それはもういいや! 代わりに今度一緒に……いや、また後で話す!」



「お前、後出しで欲しいもん変えるのは……まあいいや。あんま無茶なお願いは聞けないからな~」



「金はパケモンカードよりかかんねえから大丈夫! それじゃあオレ、おやつ作ってくるから!」



 ハジメはそう言い残すと、部屋を出てキッチンに向かって行った。

バスケ部に復帰した後もお菓子作りの趣味は継続中のようで、今日は2人のテスト終了を労おうと思ったのに自分で作りに行ってしまった。



「ハジメのやつ、なんか元気になったな」



「……お菓子のこと、バスケ部の後輩たちにバレてせがまれてるらしい」



「ははっ、まあ、美味い菓子が作れる先輩なんて男子部員からしたら神の施しだからな」



「……誰かさんが、バスケ部の2年生と連絡取ってるからバレたんじゃないの?」



「うっ……そ、そういうことか」



 たしかに、鮎川くんと連絡先交換してから今でもたまにチャットアプリでやり取りしてるんだよな……

その時って大体がハジメの話題だから、部活休んでる間は菓子とか作ってるって話もポロっとこぼしたかもしれない。



「……まあ、ハジメには黙っててあげるよ」



「ありがとう、ハルト」



「……お菓子出来るまでハジメ戻ってこないから、ちょっとマッサージお願いしていい?」



「ああ、いいぞ」



「……優しくしてね」



 こうして俺は、ハジメが菓子作りをしている間にハルトのリハビリマッサージを手伝い……焼きたてのクッキーを持って戻ってきたハジメに何故か怒られたのだった。



「お、オレがクッキー焼いてる間に2人でまた……八雲のヘンタイ野郎~!」



 ……なんて理不尽なんだ。



 

 


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