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家庭教師と悪ガキ♂ツインズ~荒んだオスガキ共を甘やか指導でメロつかせる~  作者: 巣暮イマ


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34話 ……おれ、汗臭い?


「ハルトのやつ、マジで大活躍じゃん……」



 サッカー部の練習試合が始まると、ハルトは事前の宣言通り本当に1人で3得点を挙げてハットトリックを達成してしまった。

その後も追加で2点を獲得し、試合はハルトが所属する広橋市立第一中学校の勝利となった。



「はぁ、はぁ……っ」



「ハルト、お疲れ。大活躍じゃないか」



「2連発ハットトリック、失敗した……」



「いや1発成功しただけで十分すごいって。なんなら5点も取ってるし」



 コートから出てきたハルトにスポーツドリンクの入ったボトルとタオルを渡すと、半分ほど勢いよく飲んでからタオルで汗を拭う。



「うわ、汗でビショビショだ……」



「ユニフォームの変えあるぞ」



「うん……」



 俺が渡したタオルに顔を半分埋めながら、ハルトが上目遣いに聞いてくる。



「……おれ、汗臭い?」



「えっ? 別に、そんなことないんじゃないか?」



 これだけ動いたら汗もかくだろうし、脂汗じゃないから臭いとかもあまりないと思うけど……



「スンスン……」



「わっ、ちょ……! せ、先生なにやって……!?」



「なにって、ハルトが汗臭いの気にしてるから確かめてやってるんだよ」



 頭を下げてハルトの首筋に顔を近づける。

うん、特に汗臭い匂いはしないかな。

むしろ柔軟剤の良い香りがする。



「大丈夫だハルト、問題ないぞ」



「……せ、先生のばかっ! ヘンタイッ!」



「うわっぷ!」



 顔を上げてハルトに向き直ると、顔面にタオルが飛んできた。



「お、おれ、クールダウンしてくるから!」



「足、マッサージしてやろうか?」



「い、家帰ってから、おねがい……っ」



 ハルトはそう言って他の部員のところに戻っていった。

まあ、保護者的な大人と話しているところを同級生に見られるのはちょっと気恥ずかしいだろうしな。



「あら、あらあらあら」



「いいもの見れたわ~……」



「北条くん、ナイスプレーよ」



「いや、俺は試合に出てないんですけど……」



 バシバシと俺の肩を叩きながら謎に褒めてくる保護者の皆さん。なんかこわい。



「そういえば、千葉さんちは双子ちゃんだったわよね」



「もう一人の子はサッカー部じゃないのよね?」



「ええ、弟のハジメはバスケ部入ってて」



「あらそうなの~」



「今日は家庭教師の時間まで、家でゴロゴロしてますよ」



 メリッサさんがママ友たちと子供の話題で盛り上がる。

さ、さすがにこういう話題には入れないな……とかなんとか思っていたら、俺に関係しそうな話題になっていた。



「えっ、北条くんが千葉さんちの家庭教師やってるの!?」



「あらそうなの~!」



「えっ、あー……まあ、そんな感じっすね」



「部活の応援にまで来てくれるなんて、すっごく良い家庭教師じゃないの~!」



「うちも塾じゃなくて家庭教師にしようかしら?」



 いや、さすがにこれは家庭教師バイトのプラン外ですけどね。



「(……ハジメ、今頃ヒマしてるかもな)」



 普段であれば、家庭教師を始めている時間だ。

最近のハジメは真面目だから、もしかしたら家で自主勉をしてくれているかもしれない。



「(とはいえ、ちょっと様子が気になるな……)」



 前回の訪問では、意図せずハジメのデリケートな部分に踏み込みすぎてしまい、彼を傷つけてしまった。



 今の状況は、そんなハジメを放置してハルトの練習試合を見に来ているようで……

いや、実際にはそんなことないんだけど、やはり罪悪感が出てきてしまう。



「あー……やっぱダメだ。気になる」



「八雲くん?」



「メリッサさん、俺、一足先に家に行かせてもらってもいいですか? ハジメのことがちょっと気になって……」



「ふふっ、分かったわ。ハルトにはワタシから言っておくから」



「ありがとうございます。それじゃあ、また後で」



「ハジメのこと、よろしくね~!」



 休憩を挟んで次の試合が始まろうとしている中、俺は駆け足で駐車場へと急いだ。

ハルト、最後まで部活に付き合えなくてごめん……!



「……先生?」



「ハルト~! 次審判だぞ~!」



「あ、ああ……今行く」






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